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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ケアネット、アドウェイズ、富士通

ケアネット <日足> 「株探」多機能チャートより
■ケアネット <2150>  6,480円  +800 円 (+14.1%)  本日終値
 ケアネット<2150>が大幅に3日続伸し、年初来高値を更新した。同社は19日に、今後5年間の会社経営の方向性をまとめた「中期経営ビジョン」を発表しており、これが評価材料となったようだ。経営戦略は、主力の医薬DX事業でデジタルと人が融合したハイブリッドモデルで市場成長を牽引するとしているほか、メディカルプラットフォーム事業ではデジタルによる効率化の余地が大きいクリニックなどのスマート化、ヘルスデータサイエンス事業では職域を中心に個人の健康管理を通じて企業の健康経営推進を支援する方針。最終年度となる25年12月期の数値目標は、連結売上高300億円(20年12月期実績は53億400万円)、営業利益100億円(同15億1000万円)を掲げている。

■IJTT <7315>  666円  +56 円 (+9.2%)  本日終値
 IJTT<7315>は急反発。いすゞ自動車<7202>系列の自動車部品会社3社が経営統合して発足した会社で、22年3月期に業績急回復を見込むいすゞの傘下企業として好調な収益環境を享受する見通し。IJTTの22年3月期業績は営業利益段階で前期比5.7倍の73億円を見込んでいる。予想PERは5.5倍前後と超割安。また1株当たり純資産は前期実績ベースで1579円あり、時価はそこから60%もディスカウントされた水準にあり見直し余地が大きいとみられている。世界的な電気自動車(EV)シフトの動きを背景にモーター駆動システムの開発などその対応にも余念がない。

■セーレン <3569>  2,150円  +164 円 (+8.3%)  本日終値  東証1部 上昇率6位
 セーレン<3569>が大幅反発。19日の取引終了後に発表した21年3月期の連結経常利益は前の期比16.0%減の94億5100万円と2ケタ減益になったが、従来予想の80億円を上回って着地。子会社からの受取配当金の増加や生産調整休業に伴う雇用調整助成金の計上などが上振れの要因となった。続く22年3月期の同利益予想は前期比6.9%増の101億円に伸びる計画とした。ワクチン普及で緩やかに経済活動の正常化が進むなか、収益が回復に向かう見通しだ。また、併せて発表した中期経営計画では、最終年度である24年3月期の経常利益目標を151億円に設定している。

■アドウェイズ <2489>  1,017円  +68 円 (+7.2%)  本日終値
 アドウェイズ<2489>が急伸。4ケタ大台回復は2016年7月以来、約4年10カ月ぶりとなる。モバイル向け配信を主力とするアフィリエイト広告大手で、電子コミック系の広告需要が旺盛で業績が急変貌している。21年3月期は従来計画を大きく上振れ、トップラインが3割強の伸びを示したほか、営業利益は前期比8.3倍となる16億2600万円と過去最高利益を大幅更新した。今期は9カ月の変則決算となるが、会社側計画の4億9000万円は増額含みとみられている。「直近、外資系証券経由で空売り残が大幅に増加しており、その買い戻しによる株高効果も反映されている」(国内証券ストラテジスト)とみられる。

■新日本科学 <2395>  835円  +44 円 (+5.6%)  本日終値
 新日本科学<2395>が大幅高、750~800円のゾーンでの三角もち合いをきれいに上放れ年初来高値を更新した。同社は新薬開発支援を手掛け、前臨床試験受託では国内最大手。新薬の開発支援業務において基礎研究から臨床試験に至るまでワンストップで対応できる強みを持っている。ここバイオ関連株に物色の矛先が向かうなか、業績実態の良好な同社株に投資資金が集まっている。同社の21年3月期営業利益は前の期比14%増の25億2900万円と2ケタ成長を達成、年間配当は前の期実績に15円増配となる20円とし、マーケットのサプライズを誘った経緯がある。22年3月期営業利益は25億5000万円予想と横ばい圏ながら豊富な受注案件を背景に堅調な収益を確保できる見込み。新型コロナウイルスの国産ワクチンについては欧米や中国などの後塵を拝しているが、国策的な後押しで開発が早まる可能性が指摘されている。同社は新型コロナワクチン開発に絡み、アンジェス<4563>のプロジェクトに参画するほか、オンコリスバイオファーマ<4588>などとも共同開発契約を締結している。

■TOWA <6315>  1,953円  +86 円 (+4.6%)  本日終値
 TOWA<6315>が反発。岩井コスモ証券は19日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を3200円から3400円に引き上げた。同社は半導体製造後工程のモールディング装置で世界トップシェア。21年3月期の連結営業利益は前の期比4.5倍の36億1800万円と大幅増益となった。半導体内製化を進める中国地域で設備投資が活発だったほか、台湾で5G関連製品向け設備投資が増加した。22年3月期の同利益は前期比38.2%増の50億円の見込みだが、同証券では53億円に増額修正され過去最高益を更新すると予想している。同証券では、足もとの好調な業績と中期成長性を考慮すれば株価は評価不足とみている。

■東プレ <5975>  1,667円  +71 円 (+4.5%)  本日終値
 東プレ<5975>が反発。同社は19日取引終了後に、3カ年の中期経営計画を発表。最終年度となる24年3月期の連結営業利益目標を240億円(21年3月期実績は108億3300万円)としていることが好感されたようだ。連結売上高の目標は2800億円(同2145億4400万円)。基本方針として、顧客の課題を解決するために開発体制を強化し、技術力を向上させることなどを掲げている。

■富士通 <6702>  17,735円  +460 円 (+2.7%)  本日終値
 富士通<6702>が5日続伸、年初来高値を更新した。世界的に高速通信規格5Gのサービスが普及しIoT導入の動きが加速するなか、企業もデジタルトランスフォーメーション(DX)を重視する流れが強まっている。そのなか、日本を代表するIT企業の一角である同社は、グループ改編を行いDX対応を強化、中核を担う新会社「富士通Japan」を今年度から本格稼働させるとともに、システム開発などを手掛ける10社あまりの国内子会社を吸収合併し、新たな需要取り込みに積極的な姿勢をみせている。直近では自動車メーカーや損保、物流業界のDX支援ビジネスを念頭に置き、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)との協業体制を打ち出している。業績面も不安がない。21年3月期は営業利益段階で26%増の大幅な伸びを達成、22年3月期も伸び率こそ鈍化するものの増益基調が維持される見通し。

■TIS <3626>  2,762円  +70 円 (+2.6%)  本日終値
 TIS<3626>が3日続伸。SMBC日興証券が19日付で同社の投資判断「2(中立)」を据え置き、目標株価を前回の2600円から2700円へ引き上げており、これが材料視されたようだ。レポートでは、同社の業績は順調に推移すると考え、同証券による業績予想を若干上方修正すると報告。TIS単体で主力のクレジットカードシステム関連業務の拡大、主要グループ会社のインテックでは業績悪化からの回復を予想している。

■Ubicom <3937>  3,030円  +76 円 (+2.6%)  本日終値
 Ubicomホールディングス<3937>が高い。きょう11時に、オージス総研(大阪市西区)とこれまでの業務提携関係をもとに、今後さらなる戦略的パートナーシップを推進すると発表しており、これを好感する買いが入った。両社の培ってきた技術力、営業力、ノウハウなどを相互に補完し、協業体制とシナジーの強化を通じて、デジタルトランスフォーメーション(DX)ビジネスの拡大とグローバル化の推進を目指すという。開発力の増強に向けて、新たに同社フィリピン開発拠点にオージス総研専用の開発ラボラトリーを開設するとしている。

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