【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):東エレク、JCRファ、ANAHD
東エレク <日足> 「株探」多機能チャートより
国際のETF VIX短期先物指数<1552>は続伸。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。19日の米VIX指数は前日に比べ0.84(3.94%)ポイント高の22.18に上昇。一時、25.96をつけた。ビットコイン価格の下落が警戒されているほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、状況次第で資産買い入れの縮小に向けた討議を開始する可能性があることが明らかになった。これを受け、NYダウは下落したことから、この日の東京市場ではVIX短先物が値を上げている。
■東北新社 <2329> 738円 +17 円 (+2.4%) 本日終値
東北新社<2329>は4日続伸し、年初来高値を更新した。19日の取引終了後、集計中の21年3月期連結業績について、売上高が522億3400万円から528億7400万円(前の期比11.7%減)へ、営業利益が8億6800万円から23億9900万円(同19.4%減)へ、純利益が6億5300万円から8億1800万円(同53.7%減)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。広告プロダクション部門で3月の受注状況が好調となったことに加えて、メディア部門で経費節減効果が想定を上回ったことが要因としている。
■ゼンリン <9474> 1,160円 +26 円 (+2.3%) 本日終値
ゼンリン<9474>が4日続伸。同社はきょう、長崎市での観光型MaaSの実証実験に向けて日立製作所<6501>と協業を開始すると発表した。この実証実験では、ゼンリンの地図情報と日立のデジタルチケッティングや決済機能を組み合わせたアプリを開発し、観光ルートの検索や位置情報に基づく各種交通・観光チケットの購入などをスマートフォンのアプリ上で行うことができるようにする。ゼンリンでは、これによって得られたデータから効果検証を行い、新しいサービス基盤の開発を目指すとしている。
■東京エレクトロン <8035> 45,870円 +920 円 (+2.1%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>、ディスコ<6146>など半導体製造装置関連株が揃って上値指向となっている。前日の米国株市場はビットコイン価格が急落するなか主要株3指数がいずれも3日続落となったが、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は終盤戻り足を強め、下げ幅はわずかにとどまった。エヌビディアやインテルなど主力の半導体関連がプラス圏で引けており、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日ぶり反発に転じたことは安心感を与えている。半導体需給が逼迫する状況が続いており、メーカーは生産設備の増強を急ぐ必要に迫られている。半導体製造装置メーカーには中期的な追い風が強いとの見方から、東京市場でも関連株の下値を拾う動きが活発化している。
■JCRファーマ <4552> 3,375円 +55 円 (+1.7%) 本日終値
JCRファーマ<4552>が続伸。20日付の化学工業日報で「JCRファーマは、英アストラゼネカ(AZ)から受託している新型コロナウイルスワクチン製造で2022年3月期に約147億円の売上高を計上する見通しだ」と報じられており、これが刺激材料となったようだ。記事によると、今期の同社売上高の約3割を占め、前期に続く大幅な増収増益を牽引するという。アストラゼネカ製ワクチンは今晩開催の厚生労働省の専門部会で承認判断予定としている。
■日本ユニシス <8056> 3,195円 +50 円 (+1.6%) 本日終値
日本ユニシス<8056>が高い。きょう、サイバーリスク対策を実現する「マネージド・セキュリティー・サービス(MSS)」の提供を開始したと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。MSSは、経験豊富なセキュリティー専門家が、企業のサイバーセキュリティー体制やシステム、機器などの運用を代行し、有事の際の復旧を支援することで、運用負荷とリスク低減を実現するアウトソーシングサービス。幅広い防御対象範囲を専任の担当者がワンストップで監視、対応支援するという。
■ソラスト <6197> 1,308円 +11 円 (+0.9%) 本日終値
ソラスト<6197>は小幅反発。19日の取引終了後に発表した4月度の介護サービス利用状況で、訪問介護利用者数が1万4010人(前年同月比91.3%増)、デイサービス利用者数が1万2133人(同14.2%増)と増加基調を維持していることが好感された。なお、施設系サービスは入居者数が3933人(同13.7%増)となったほか、入居率も94.6%と高水準で推移している。
■ANAホールディングス <9202> 2,455円 -114 円 (-4.4%) 本日終値
ANAホールディングス<9202>が大幅安で5日ぶり反落。19日の取引終了後、発行可能株式総数を現行の5億1000万株から10億2000万株に倍増させるため、定款の一部を変更すると発表。これを受けて、増資による株式価値の希薄化が懸念された。今回の変更は、資金調達手段の選択肢を広げ、かつ機動的な資本政策が行えるようにすることを目的に行うとしている。
■INPEX <1605> 778円 -29 円 (-3.6%) 本日終値
INPEX<1605>、ENEOSホールディングス<5020>、石油資源開発<1662>など石油関連株が安い。19日の米商品市場で、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物の6月限は前日比2.13ドル安の1バレル=63.36ドルと下落した。米株安によるリスクオフの流れが波及したことや、アジアでの新型コロナウイルス感染拡大に対する警戒感の高まりなどが影響した。また、イラン核合意の再建を巡る交渉が進展しているとの報道も相場の重しになったとみられる。こうしたことを受け、INPEXなど関連銘柄に売りが出ている。
株探ニュース