【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):海運株、オプティマス、ナガオカ
大運 <日足> 「株探」多機能チャートより
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクが軟調展開。米国では景気回復期待が高まる一方、米長期金利の動向に注目が集まっているが、前日は長期債が買い戻される展開となり米10年債利回りは終値ベースで1.608%まで低下、これを背景に米国株市場ではゴールドマン・サックス、JPモルガンなど大手金融株が軒並み安となった。東京市場でもこの流れを引き継ぐ展開となっている。
■大運 <9363> 361円 +80 円 (+28.5%) ストップ高 本日終値
大運<9363>がストップ高で5連騰。阪神港を地盤とする港湾運送会社でパナソニックグループが大口荷主となっている。ここ海運株が総じて買われる展開となっており、同社もその流れに乗る形となった。直近発表された中国の経済指標が軒並み好調で中国経済の回復色が鮮明となっており、中国関連の荷動きの活発化は同社には追い風となっている。PBR0.7倍前後で株価指標面からも水準訂正余地をはらんでいる。小型株だが出来高流動性に富んでいることも特徴で、個人投資家などの買いを誘導しやすい。
■明治海運 <9115> 524円 +80 円 (+18.0%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率3位
明治海運<9115>が続急伸。ここ海運株への買いが顕著で、きょうも業種別騰落率で「海運」は3%を超える上昇をみせ東証1部33業種中でトップとなっている。そのなか、比較的出遅れている同社株の上げ足が目立つ。同社の21年3月期業績は営業利益段階で65%減益見通しと厳しいが、株価面では織り込みが進んでいる。最近はコンテナ船市況の高騰と合わせ、ばら積み船市況も上昇基調を強めており、タンカーやばら積み船の中長期貸船を手掛ける同社に追い風が強い。また、ホテル事業を営んでいることからアフターコロナを見込んだ収益環境の改善を見込んだ買いを誘っている。
■オプティマスグループ <9268> 1,069円 +150 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値
オプティマスグループ<9268>は3連騰。15日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を220億円から231億円(前期比12.9%減)へ、営業利益を4億5000万円から6億5000万円(同50.7%減)へ、純利益を3億円から5億円(同29.9%減)へ上方修正し、あわせて16円を予定していた期末配当を20円に引き上げると発表したことが好感された。中核市場であるニュージーランドで新型コロナウイルス感染症の影響からの回復がより鮮明となっており、中古自動車市場での購買意欲が引き続き高水準で推移していることが要因。また、不採算事業撤退によるコスト抑制効果やグループ各社での経営効率化策が一定の成果を上げていることも寄与する。なお、年間配当は34円(前期48円)となる予定だ。
■オーウエル <7670> 713円 +100 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値
オーウエル<7670>がストップ高。同社は15日、グループ会社のユニ電子の「スマートホーム用IoT機器」がKDDI<9433>に採用されたと発表。採用された「スマートホーム用IoT機器」は、中継器、LED電球、モーションセンサー、開閉センサー(ドアセンサー)、電力監視センサー、家電コントローラー、IPカメラなど。これ以外にもIoT機器をスマートフォンやタブレットで操作するためのプラットフォームの提案を行っており、今後はIoT機器だけでなく、アプリ、クラウドを含めたサービスに必要なソフトウエアやハードウエアのすべてを提案するとしている。
■ビーロット <3452> 757円 +66 円 (+9.6%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
ビーロット<3452>が急反発。15日の取引終了後、上限を15万株(発行済み株数の0.93%)、または1億365万円とする自社株を、16日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNET-3)で取得すると発表しており、これが好材料視された。同社及び子会社の役職員に対する特定譲渡制限付株式への充当並びに経営環境の変化に応じた機動的な資本政策の遂行を可能とするためという。
■アドバンスクリエイト <8798> 2,004円 +165 円 (+9.0%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
アドバンスクリエイト<8798>が後場急伸。午後0時30分ごろ、21年9月期の連結業績予想について、売上高を115億円から120億円(前期比14.2%増)へ、営業利益を15億7000万円から18億円(同52.0%増)へ、純利益を10億円から11億円(同57.1%増)へ上方修正し、あわせて配当予想を中間・期末各25円の年50円からから中間・期末各30円の年60円に引き上げたことが好感された。保険代理店事業で独自開発した保険相談特化型のオンライン面談システム「Dynamic OMO」の活用などにより、直営コンサルティングプラザでの販売実績が好調に推移していることに加え、WEBプロモーションの効率化によりマーケティングコストが減少傾向にあることが要因。また、メディア事業では運営する保険選びサイト「保険市場」の集客力を背景に堅調な推移が見込まれることや、ASP事業で「Dynamic OMO」の外販開始などによる業績への貢献が見込まれるという。同時に、3月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これも好材料視された。
■ナガオカ <6239> 844円 +68 円 (+8.8%) 本日終値
ナガオカ<6239>が高い。15日の取引終了後、中国子会社の那賀設備がスクリーン・インターナルの大口受注を獲得したと発表したことが好感された。中国では新規プラント設備への投資が回復しており、今回建設が決定した新規プロピレン・プラントにスクリーン・インターナルが採用された。受注金額は3500万元(約5億円)で、契約納期は22年2月としている。なお同社では、今回の受注を受けて他の案件も含めた生産計画を見直すとし、これに伴い21年6月期の通期業績予想に修正の必要が生じた場合は、速やかに公表するとしている。
●ストップ高銘柄
ケミプロ化成 <4960> 305円 +80 円 (+35.6%) ストップ高 本日終値
わかもと製薬 <4512> 394円 +80 円 (+25.5%) ストップ高 本日終値
ニックス <4243> 1,064円 +150 円 (+16.4%) ストップ高 本日終値
など、8銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース