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【特集】痛たぁ~、コロナ暴落で資産半減、そこから3倍返しの5億円を勝ち取ったワケ

すご腕投資家に聞く「銘柄選び」の技 ともさんの場合~第1回

登場する銘柄
スノーピーク<7816>、ロコンド<3558>、ファーマフーズ<2929>

文・イラスト/福島由恵(ライター)、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

ともさん(ハンドルネーム・30代・男性)のプロフィール:
ともさん2004年から株式投資を本格スタートさせ、以降、資産半減などの大規模なドローダウンを経ながらも、その都度その損失をはるかに上回る復活劇を展開し、現在は5億円まで運用資産を膨らませたすご腕。億り人は13年に達成している。学生の頃から投資の知識を積み重ね、「趣味と実益を兼ねる」という発想で投資のスキルアップにつながる就職先に勤務し徐々に投資の腕を磨いた後、14年に専業投資家に転身する。投資スタイルは不動産関連、REIT(不動産投資信託)中心の投資から、最近は成長株投資にシフトしつつある。オプション取引の「プットの買い」、日経平均株価の売り戦略を交えて、資金管理に気を付けながら自身が納得した有望銘柄に集中投資するやり方でマイペースに資産拡大を目指す。仮想通貨への投資も交えて攻めている。

「最近は、スノーピーク<7816>に注目していますけど、その銘柄ではコロナ禍で5000万円分被弾しまして……」。

取材の初めに、足元での注目銘柄を聞いたところ、返ってきたのはこんな答え。5000万円損した、となればフツーの人ならかなりの凹みモードになるはず。だが、今回登場する「ともさん(ハンドルネーム)」は、こんな「大事態」をケロっとした顔で話す。

損失額が大きいことはもちろんだが、それ以上に、大ヤラレしたことを、あたかも何でもない出来事のように受け止めている様子に、取材班は一瞬、「この人一体何者???」と呆気(あっけ)にとられてしまった。

さらに話を聞くと、5000万円程度の損失はまだ「かわいい」ものだった。コロナ禍で握りしめていたロコンド<3558>などでも暴落をモロに食らい、一時は保有資産を半分にまでにドローダウン(評価損・損失の発生)する憂き目に。

昨年2月下旬からのコロナ暴落の直前には3億4000万円あった資産は一気に1億5500万円程度にまで削り取られてしまったのだ。

結果的には、これらの銘柄について売買を繰り返しながらも、引き続き主要どころで大半を握りしめていたため、コロナ相場のダイナミックなリバウンドに乗ることができた。足元の資産は5億円と、結果的に3倍返しに成功したのだ。

とはいえ、50%ドローダウンは通常のメンタルでは想像もできないくらい苦しいはずだ。辛い大ヤラレをいくつも乗り越えた「ともさん」とは、どんな投資家さんなのか。そしてどんな投資手法で、5億円にまで資産を拡大させるまでにどんな道のりを歩んできたのか。

これから4回にわたり詳細に迫っていく。

■スノーピーク<7816>の週足チャート
【タイトル】
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同

資産半減など大幅ドローダウンに3度出くわす

ともさんは、2004年に1000万円を元手に株式投資を本格スタートさせ、13年に億り人達成。そして現在は、運用資産を5億円まで膨らませているすご腕投資家さんだ。以前はREIT(不動産投資信託)や不動産関連株の投資、最近は主に成長株をメインターゲットとしている。

30代で5億円達成という事実だけに注目すると、華々しい投資人生を歩んでいるように見える。だがその過程では、フツーの投資家であればメンタル面でかなりキツい状況に何度も追い込まれては、それを乗り越えてきた。

冒頭では、コロナで資産を半減させたヤラレ話を紹介したが、ともさんが大きく食らったのはこの一件に限らない。ダイナミックな大ヤラレは合計3度ある。

1度目は2008年秋のリーマン・ショックから11年の東日本大震災の時期に、それまで増やした運用資産2000万円を1000万円以下まで半減させてしまったこと。

そして2度目は18年の初頭に襲った米国発「VIXショック」の大幅下落で。この直前の17年には、リーマンショックや地震でやられて以降の大反撃でアベノミクス相場に乗り、資産は3億円を達成できていた。

だが、ここでも1億円を吹き飛ばしてしまう。この時は、株式の損失に加えて仮想通貨への投資でも大暴落に遭遇し、輪をかけて大きく食らってしまう羽目となった。

■日経平均株価の月足チャート(2005年後半~)
【タイトル】

「失敗しても再起できる」をバネに

大ヤラレをしても、それを乗り越え、結果的にはそれ以上の飛躍を遂げてきた原動力はなにか。「失敗しても、種銭さえ切らさなければ、再起はできる」という信念だ。

■ともさんの大ヤラレと、そのリベンジの歩み
2004年1000万円を元手に
株式投資を本格スタート
06年 小泉政権下での株高に乗り、
運用資産を2000万円に拡大
11年 東日本大震災後に、
一時は1000万円割れまでドローダウン
13年 REIT、 不動産関連株の投資で
大きく躍進、億り人達成
17年 アベノミクス相場の追い風を受け、
3億円まで拡大
18年 2月のVIXショックで大ヤラレ!
2億円までドローダウン
20年 成長株投資を中心に3.4億円を回復するも、
コロナ大暴落で資産半減、1.55億円
現在 コロナ禍での資産半減に耐え、
5億円までリベンジ!

2014年に専業投資家に転身したともさんだが、震災で資産1000万円以下に沈んだ時はまだ会社員時代。この時は「毎月もらう給与もあるのだし焦ることはない」と自分に言い聞かせ、落ち着いて次の好機を待つことができたという。

それでも、これほどのピンチの際に落ち着いたメンタルを維持し続けるのは、言うほど簡単なものではない。ともさんが、ある意味、健全に生き残れたのは、

1. 銘柄選択の際に、「目先では大きく株価が下落しても、難局を乗り切ればいつかは上昇する」と思える銘柄を選別する
2. リスクを意識した資金管理を心掛ける

――という工夫があったからだ。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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