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【特集】SNSの反響に群がるのは適者生存!? ⇒「エコー・チェンバー」現象

大槻奈那の「だからあなたは損をする~
          心理バイアスの罠にはまらない技」~第13回

大槻奈那(Nana Otsuki)
マネックス証券・執行役員チーフアナリスト
大槻奈那東京大学卒業。英ロンドン・ビジネス・スクールにて経営学修士(MBA)を取得。格付け会社スタンダード&プアーズ、UBS証券、メリルリンチ日本証券にてアナリスト業務に従事。2016年1月より現職。名古屋商科大学大学院教授、二松学舎大学客員教授を兼務しつつ、一橋大学大学院・経営管理研究科(一橋ビジネススクール)の博士課程に在籍。ロンドン証券取引所アドバイザリーグループ・メンバー。財務省財政制度等審議会委員、規制改革推進会議委員。最近の趣味は落語鑑賞と旅行、そして不動産実査で宅地建物取引士の資格も保有する。

前回記事「『できるだけ高く』と思ううちに、売り時を逃してしまうのはなぜ? ⇒ エンダウメント効果」を読む
1カ月前の今頃から、米株式市場を騒然とさせ始めたのがゲームストップ〈GME〉株です。ご存じのように、騒動の主役は米国のオンライン掲示板「レディット(reddit)」と投資アプリのロビンフッドです。その標的はGMEのみならず銀や暗号資産の「ドージコイン」などと相次いでいます。
レディットは、一時期の勢いこそないものの、イスラエルのシミラーウェブ(SimilarWeb)が提供するウェブサイトの閲覧ランキングでは、今年1月時点で米国内でトップ10に、全世界でもトップ20にランクインしています。もう1つのロビンフッドのアプリはアップルストアのダウンロード数で同じくトップ10圏内です。
これだけの人気ですから、市場への影響も簡単には衰えないでしょう。
近年、市場だけでなく、政治や社会問題などさまざまな場面で、一部の意見がSNS(交流サイト)上で異様に盛り上がるのを目にします。最近のトランプ氏支持者の暴動も、「パーラー(Parler)」などの新興SNSの極端な意見が一因となったとされます。
【タイトル】
同じ意見の人が集まる閉じた部屋の中で、増幅する声に影響される
このように、自分と同じ意見の人々と議論することで、自分の考え方が正しいという確証を持ち、増強される現象を「エコー・チェンバー現象」と言います。
自分の声が"エコー(反響)"して、増幅されていくという閉じた部屋(chamber)のイメージです。最近のオンライン・メディアでは、自分の見たい情報だけを選び、SNSで似たような考え方の人々のコミュニティを作るといったことが多くなっています。この結果、「エコー・チェンバー」現象が発生しやすくなっているとも言われます。
レディットでのGME株を巡る動きは、まさにエコー・チェンバー現象の典型といえるでしょう。
米紙ニューヨーク・タイムズによれば 、発端は、2019年に、「Roaring Kitty」というアカウントが、ゲームストップ株について投稿し始めたことに遡ります。マサチューセッツ州の元金融教育者のアカウントだそうです。
アカウントの開設者が関連の動画などを投稿するにつれて、それに賛同する「Ackilles」や「Bowlerguy92」などのアカウントが追随するようになりました。2020年後半に、ゲームストップ株が上昇し始め、彼らのゲームストップ株への見立てがネットで話題になると、更にその信奉者が増えていきました。
2020年後半、こうした個人投資家の買いをあざ笑うかのように、いくつかのヘッジファンドがGME株のショートポジションを取りました。すると今度は、レディット利用者たちが「金持ちウォールストリートに立ち向かえ!」といった刺激的な投稿を始め、さらに個人投資家の買いを煽(あお)りました。
英科学誌「ネイチャー」にも論文が掲載
こうしたエコー・チェンバー現象は、市場参加者もさることながら、研究者の興味も惹きつけています。昨年、英国の科学誌「ネイチャー」に、SNSを通じたエコー・チェンバー現象の発生プロセスに関する論文が発表されました。
それによると、エコー・チェンバーには、核となる人物の言動が大きく作用するようです。ある話題の輪の中にいる人々のうち、約10%の人々のコメントが、その話題に関する総リツイート数の36%を占め、うわさの拡散に強烈に寄与しているとのことです。
話題の広がりには、数人の口コミが果たす役割が大きいということです。企業が「インフルエンサー」を使って口コミを広げるという手法にも科学的根拠があるということですね。
では、日本の株式インフルエンサーがつぶやいている銘柄をみてみましょう。株探兄弟サイトの『みんなの株式』では「達人の予想」というコーナーがあります。ここで触れられている株式はどうでしょうか。
たとえば、エムスリー<2413>です。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。


 

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