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【特集】お金の流れに逆らわない「強いものは強い」戦略で今、注目するのは?

元・証券ディーラーに聞く、需給で考えるウィズコロナ相場~第2回
~株探プレミアム・リポート~
文/福島由恵(ライター)、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

たけぞうさん(ハンドルネーム)のプロフィール:
たけぞうさん証券会社に30年間勤務し、ディーラー歴25年で50億円を稼ぎ出した相場の大ベテラン。場立ちや平成バブル相場の隆盛と崩壊を目の当たりにしてきた自称「株好きのおっさん」。現在は独立し、個人投資家としてバリバリ投資を続けつつ、セミナー講師として登壇し投資のノウハウを個人投資家向けに伝授する。
最近は『50億稼いだおっさんが教える月5万稼ぐ株投資』(ぱる出版)を出版。毎朝4時に起床して日本経済新聞を読み込み、同じく毎日発信するボリューム満点のメルマガも好評だ。

前回記事「ゲームストップ騒動が知らしめた需給の威力、ならば今の日本は下がりにくい!?」を読む
日経平均株価は1月末に25日移動平均線を割り込む調整を見せたものの、2月に入ってからはすぐに切り返し、再び高値更新を試す強い展開へ。いよいよ3万円台到達も現実味を帯びてきた。
だが個別株を見渡すと、特に昨年2020年のコロナ相場で強さを見せたキラキラグロース銘柄など、昨年10月の高値を天井に、まだ下降トレンドを抜け出せずにいる銘柄も多数ある。
市場は昨年秋以降、マザーズ銘柄を中心としたグロース株一辺倒で買われた動きから、割安にあった東証1部の大型株を中心とする銘柄の選別が進む相場へと大きな流れはその方向を変えている。
こうした環境の中で具体的にはどんな投資戦略を取ればいいのか。引き続き、ディーラー歴25年の大ベテラン、たけぞうさん(ハンドルネーム)に話を聞いた。
「オワコン」に執着せず、大きな流れに乗る
―― 日経平均株価は30年半ぶりの高値を更新する勢いなのに、昨年のコロナ相場を秋までけん引していたマザーズのグロース銘柄など、株価が軟調のものも多いですね。例えばこうした銘柄を握りしめている投資家は、気持ちの切り替えが必要でしょうか?
たけぞうさん(以下、たけぞう): マザーズを中心としたグロース優位の相場は、昨年、10月14日にマザーズ指数が1368ポイントの直近高値を更新したところを天井に、一旦終わったと考えています。
『株探』で確認できるマザーズ市場の売買代金を振り返ると、昨年10月には連日2000億円から3000億円近い水準での商い活況が続いていましたが、その後に水準を明らかに落としており、今年2月に入ってからは概ね1500億円程度の水準に留まっています。
■東証マザーズ指数の日足チャートと売買代金(2020年4月~)
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注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
―― 足元のマザーズ指数は、ネット界隈で使われる「オワコン」、終わったコンテンツになりかけている感じですね。
たけぞう: そこまで言いきっていいかはわかりませんが、一方の日経平均株価と比べると、差ははっきりします。
日経平均は昨年6月半ば以降10月半ばまで、停滞感が漂っていました。それが、11月以降は3兆円を挟む水準にまで切り上がり、今年2月以降もその高水準で推移しています。
昨年秋まで活況だったマザーズから、東証1部の大型銘柄に向けて資金の流れが変わってきていることが読み取れますね。
特に最近は、昨年のコロナ相場でイマイチだという印象が強かった、電力や銀行セクターへの資金の流れが強まっていると感じています。
こうした資金の流れが変わっている中で、今は、大きな流れに逆らわず、新興市場の中小型株より大型株に乗っていく方が好ましいと私は考えています。
■東京電力ホールディングス<9501>の週足チャート(2018年2月中旬~)
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コロナ相場では、ファンダでなく期待感で買われていた
―― マザーズの個別銘柄を見ると、昨年秋までのコロナ相場でイケイケだった弁護士ドットコム<6027>、メドレー<4480>などはまだ軟調ですね。
たけぞう: 特にコロナ相場においては、ファンダメンタルズはスルーの状態で、ほとんど将来への期待感で買われていたと思います。つまり、需給が株価を押し上げていたわけですね。ですから、一旦需給が悪化した銘柄は、回復に時間がかかるでしょう。
銘柄に惚れ込み、長期投資で目先の株価下落は気にせず耐えるという投資手法を取る人もいると思いますが、足元では投資家の興味の対象となる主役は変わっていることは認識しておく必要はありますね。
米国ではバイデン新大統領が率いる民主党に政権交代し、新たに推し進める「グリーン政策」関連に投資家の期待が向いていることは、当然ながらうねりの変化に大きく影響しています。そして最近では特に、世界中でコロナワクチンの接種が進んでおり、日本でも接種の段取りが具体化しつつあることから、一気にウィズコロナ銘柄からアフターコロナ銘柄へと物色が進んでいる感があります。
このことはしっかり念頭において、流れを見ていくことが大切ですね。
■弁護士ドットコム<6027>の週足チャート(18年3月上旬~)
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―― 決算が好調で「これはイケる」と思った銘柄が、翌日に大きく売られることも多くて、そういう時は心が折れそうになります。
たけぞう: これも需給の問題で、事前に株価上昇を期待している投資家が多くて、信用取引の買い残高がたまっている銘柄は、いくらファンダメンタルズがよくても、株価は上値を追いにくくなります。
株価が少々上昇しても、「上がったら早く売りたい」と考えている投資家からの「やれやれの売り」が出やすくて、結局、上値が重くなってしまうんですよ。
日々の出来高を観察して、資金の流れをキャッチ
―― 第1回目で触れた米国の「ゲームストップ〈GME〉株騒動」では、売り残がたまっている状態だったところに大量の買いが入って株価がつり上がった。これと逆の動きですね。ところで、先ほどの「大きな流れに乗って、資金の集まるところに注目」するうえでは、何に注視すればいいのですか?
たけぞう: 日々の出来高、ないしは売買代金の動きを継続的に見ていくと、動きが捉えられます。個別銘柄ではどんな銘柄が商いが増えているのか。そしてセクター、市場ではどこが活況なのか。こうした動きがだんだんと分かってきます。その方法で市場の全体像をつかんでいくのが大事ですね。
例えばYahoo! ファイナンスの株式のコーナーの中にある「株式ランキング」の中で、市場ごとに出来高ランキングや、出来高増加率ランキングがチェックできます。証券会社の取引ツールでも、その手のランキングが閲覧できるものが多いです。
『株探』でも、「市場ニュース」を見ていくと、「出来高変化率ランキング」が時折公表されますね。これを見れば、急に出来高が膨らんで投資家の注目度を集めた銘柄、反対に出来高が減少した銘柄の目立った動きを把握できます。
■『株探』で確認できる「出来高変化率ランキング」
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―― 出来高は売買が成立した株数で、売買代金は出来高?株価ですね。売買代金は株価が上昇すれば膨らみますから、出来高の方が投資家の心理が読み取れやすいと見られています。
たけぞう: そうですね。出来高を見る場合、高値圏で膨らむとそのあたりが天井になりやすく、反対に底値圏で膨らむと、その水準を境に反転に向かいやすい傾向があります。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。


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