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【特集】桂畑誠治氏【3万円は通過点? 3月期末に向けた相場の読み筋】(2) <相場観特集>

桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)

―景気回復期待と米長期金利上昇の狭間でどう動く―

 週明け22日の東京株式市場は日経平均が大幅高となり一時3万400円台まで一気に歩を進めた。米国株市場では新型コロナワクチンの普及で景気回復への思惑が一段と強まる一方、米長期金利の上昇に対する警戒感が強いが、東京市場は独歩高の様相をみせている。3月期末に向けて株式市場はどういう軌道を描くのか、分析と先読みで定評のある市場関係者2人にここからの相場展望を聞いた。

●「期末に向け3万2000円台も視野に」

桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)

 きょう前場に日経平均は一時400円以上も上昇するなど、相変わらず物色意欲は旺盛で過熱感も意識されやすい局面にある。ただ、外部環境を俯瞰する限り株高の条件が揃っており、日経平均は押し目を形成しても下げ幅は限定的で、3月期末に向け基本的に上値指向の強い地合いが続くとみている。

 2月に入ってから世界的に経済指標は改善の度合いを強めている。新型コロナワクチン普及を背景とした経済活動の正常化が寄与しているほか、米国では今後も大型の財政出動を伴う景気対策が実体経済に押し上げ効果をもたらすことが予想される。米国では先の上院決選投票時の民主党公約であった給付金1400ドルが早晩実現することで、消費が一段と刺激されそうだ。また、これまでコロナ禍で貯蓄率が高まる傾向にあったが、アフターコロナではそうした待機資金の一部が経済活性化に貢献する公算も大きい。更に、3月にも公表予定の2兆ドル規模のクリーン・エネルギー投資などを含む大規模なインフラ投資、ハイテク投資の拡大策などの大型経済政策案に対する期待も強まろう。

 一方、米10年債利回りの上昇が警戒されているが、これはあくまでコロナ以前の水準に戻る動きであって自然な流れである。現在の1.3%台も水準的にはまだ低く問題視される段階ではない。FRBの立場としてもこれを無理に抑制するような政策は打たないだろうし、また長期金利が上昇しているからといって、出口戦略が早まるというようなこともない。確かに米国ではGDPなどの回復色は鮮明となりつつあるが、雇用情勢は依然として良好とはいえず、雇用が回復しない段階でFRBが金融緩和の縮小に動くことはない。今週のパウエルFRB議長による議会証言では、テーパリングに関する質問があったとしても、同氏は従来通りハト派姿勢を前面に押し出し、強く否定することが確実とみられる。

 東京市場では米国株市場を横目に、日経平均が3月期末に向け3万2000円台を視野に入れるような強調展開が予想される。物色対象としては引き続き半導体関連や、生産調整が取り沙汰されたものの需要自体は極めて旺盛な自動車関連が注目される。このほか、新型コロナ対応で医療関連セクターも株価の見直し機運が続きそうだ。


(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(かつらはた・せいじ)
第一生命経済研究所 経済調査部・主任エコノミスト。担当は、米国経済・金融市場・海外経済総括。1992年、日本総合研究所入社。95年、日本経済研究センターに出向。99年、丸三証券入社。日本、米国、欧州、新興国の経済・金融市場などの分析を担当。2001年から現職。この間、欧州、新興国経済などの担当を兼務。


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