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【特集】大谷正之氏【3万円は通過点? 3月期末に向けた相場の読み筋】(1) <相場観特集>

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

―景気回復期待と米長期金利上昇の狭間でどう動く―

 週明け22日の東京株式市場は日経平均が大幅高となり一時3万400円台半ばまで一気に歩を進めた。米国株市場では新型コロナワクチンの普及で景気回復への思惑が一段と強まる一方、米長期金利の上昇に対する警戒感が強いが、東京市場は独歩高の様相をみせている。3月期末に向けて株式市場はどういう軌道を描くのか、分析と先読みで定評のある市場関係者2人にここからの相場展望を聞いた。

●「需給や業績良好で3月末3万2000円も」

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

 東京株式市場は、日経平均株価が3万円に乗せ上昇基調を強めている。この背景として「需給関係の良さ」と「良好なファンダメンタルズ」が指摘できるだろう。

 足もとの上昇に懐疑的な向きは空売りを入れていたとみられ、その買い戻しが株価を押し上げているようだ。また、外国人投資家に加え、機関投資家もパフォーマンスを上げるためには、この上昇についていかざるを得ず、新規の買いを入れているとみられる。更に、足もとの業績の堅調さや新型コロナウイルスワクチンによる景気回復期待、日米欧の中央銀行による金融緩和に伴うカネ余りの長期化といったファンダメンタルズが相場を支えている。

 この良好な需給とファンダメンタルズを背景にした強含み基調は当面、変わらないと思う。3月いっぱいの年度末に向けた日経平均株価の上値は3万1000~2000円前後とみている。下値は25日移動平均線がある2万9044円前後だろう。

 リスク要因は、米長期金利の上昇が続き債券価格が急落したり、ビットコイン価格が暴落したりするといったことなどだろう。日銀のETF買いの見直しがあるのではとの警戒も出ているが、株式市場が上昇基調にある中では、相場に与える影響は限られそうだ。

 当面の個別化の物色は、東京エレクトロン <8035> など半導体関連株や日本電産 <6594> など電気自動車(EV)関連銘柄、それに環境関連といった株式市場の主要テーマを循環物色する展開が続くとみている。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(おおたに・まさゆき)
1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。

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