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【特集】バイク王 Research Memo(8):希少性の高い高市場価値車輌の需要は好調を持続

バイク王 <日足> 「株探」多機能チャートより

■市場環境

1. バイク保有台数の推移
日本自動車工業会によるバイク保有台数の推移を見ると、全体としては年々減少傾向にある。これは全体の49.9%を占める原付第一種(~50cc)の保有台数が減少していることが要因である。しかしながら、バイク王&カンパニー<3377>が主力としている市場価値の高い原付第二種以上(51cc~)の車輌の保有台数は相対的に微増傾向が続くと弊社では考えている。高市場価値車輌においては、1970年代から1980年代などに人気だった「ホンダ CB750F」「ヤマハ RZ250」「カワサキ Z400FX」など希少性の高い車輌が多い。こういった人気車種においては40代~50代の顧客による購入比率も高く、若い頃に憧れていたが高額で買えなかったバイクやレアなバイクを求める動きもある。さらに、若い人たちにおいては、レトロ性が需要ニーズにつながっているであろう。


交通インフラを支える重要な乗り物・交通手段から小売業界などで新たな需要ニーズも見込まれる
2. コロナ禍による影響
「コロナ禍で『3密』が避けられるバイクが見直されつつある。」と同社の石川秋彦社長は指摘する。同社によると、新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、2020年後半以降に「3密」を避けて通勤・通学したい人が急増した。都心では電車通勤から自転車通勤に切り替える人も増えているが、自宅から職場まである程度距離がある場合は、バイクもしくは自動車を利用することも選択肢に入る。都心部の駐車場事情などを考えると、自動車よりも機動力の高いバイクへの需要が再考されるところであると弊社では考えている。アウトドアブームもこの流れを後押しした。コロナ禍の影響でバイクの新車生産が遅れた結果、すぐに乗れる中古バイクの需要が強まったという見方もできる。また新たな生活スタイルのなか、(株)セブン‐イレブン・ジャパンはスマートフォンで注文した商品を実店舗から消費者に届けるサービスを一部地域で行っているなど、コロナ禍を受けてネットコンビニやネットスーパー、飲食店の宅配サービスの需要が高まっている。こうした流れが業界で広まるとともに、より早く小回りが利く宅配バイクへの需要につながる可能性があると弊社では考えている。そのほか、首都直下地震など大規模な災害に備え警視庁では悪路でも走行可能なオフロードタイプのバイクを導入しているなど、災害が起こったときに多くの緊急交通路を迅速に確保できるバイクの重要性が認識されてくるだろう。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《NB》

 提供:フィスコ

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