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【材料】テリロジー---3Qは2ケタ増収・大幅な増益、業績予想の上方修正を発表

テリロジー <日足> 「株探」多機能チャートより

テリロジー<3356>は10日、2021年3月期第3四半期(20年4月-12月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比13.4%増の31.61億円、営業利益が同156.0%増の3.27億円、経常利益が同141.8%増の3.41億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同136.2%増の2.36億円となった。

ネットワーク部門の売上高は前年同期比55.2%増の10.05億円となった。主要顧客である国内大手製造業を中心に、IPアドレス管理サーバの新モデルへのリプレース需要に伴うユーザ管理システム構築案件やDNSセキュリティ案件の増加に加えて、これらの大型案件を受注するなど好調に推移した。また、セキュアなクラウド型無線LANシステムによるネットワーク構築案件の受注獲得に注力した。なお、今期より販売を開始したRadware製品は、前総販売代理店からの顧客の巻き取り活動により、次世代ネットワーク最適化案件などの受注活動は堅調に推移している。

セキュリティ部門の売上高は同17.3%増の11.68億円となった。ダークネットと呼ばれる匿名性の高いネットワークにて、悪意ある情報を収集、分析し、契約先企業に提供するサイバースレットインテリジェンスサービスでは、警察庁から5年契約の大型案件を受注するなど好調に推移した。また、サイバー攻撃の脅威が拡大し、電力系などの重要インフラや工場及びビル管理などの産業制御システムに対するセキュリティ対策が緊急を要することから、制御システム・セキュリティリスク分析案件への引き合いが増加し、受注に繋がっている。なお、ネットワーク不正侵入防御セキュリティや標的型攻撃対策クラウドサービス、ワンタイムパスワードによるユーザ認証システム構築など、サイバーセキュリティ対策への取り組みが増加した。その他、テレワーク需要が高まり、ソフトウェアやアプリケーションを提供するクラウドサービス向けのログ管理・セキュリティ分析ツールの引合いが増加している。

モニタリング部門の売上高は同21.8%減の4.21億円となった。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うテレワークの急速な普及により、ネットワークの負荷やセキュリティリスクが高まっていることから、独自のパケットキャプチャ製品を採用したネットワーク監視やセキュリティ対策、トラブルシューティング対応などの案件の獲得に注力した。また、ソフトウェアやアプリケーションのパフォーマンスの可視化と問題の原因追究をする同社開発の運用監視クラウドサービスは、主要顧客を中心に受注活動に努めている。

ソリューションサービス部門の売上高は同6.3%減の5.66億円となった。多言語リアルタイム映像通訳サービスでは、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響からインバウンド需要が減少したが、在留外国人やろう者(手話)対応として自治体や医療機関での需要が拡大している。また、テレビ会議サービスでは、テレワーク対応企業、対面面接、訪問商談に代わる採用・営業活動の目的として、人事・営業部門、医療機関、研究機関からの引き合いが増加し、契約件数は増加している。その他、独自のRPAツールの販売強化に向け、販売代理店網の拡大強化とブランドの知名度向上のマーケティング活動に注力し、特定業界に向けたパッケージ化による需要拡大を促進している。

損益面については、新型コロナウイルス感染症の拡大により事業活動が制限される中、売上高の増加に加え、利益率が向上し利益は増加した。

2021年3月期通期については、同日、業績予想の上方修正を発表した。売上高が前期比14.7%増(前回予想比11.1%増)の46.46億円、営業利益が同82.0%増(同140.0%増)の4.80億円、経常利益が同71.9%増(同147.5%増)の4.95億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同66.3%増(同155.0%増)の3.57億円としている。

《YM》

 提供:フィスコ

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