【特集】利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 30社選出 <成長株特集>
アスコット <日足> 「株探」多機能チャートより
総集編第1弾(12月19日配信)、第2弾(12月22日配信)に続き、今回は19日時点の時価総額が150億円以上350億円未満の銘柄を対象に、24年7-9月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、24年7-9月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も最高益見通しを示している30社を選び出し、7-9月期実績の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、東京都を中心にマンション開発を展開するアスコット <3264> [東証S]。24年7-9月期(第4四半期)は主力の自社開発不動産やバリューアップ不動産の売却が想定以上に順調に進んだうえ、物件の売却益も膨らみ、経常利益は30.9億円(前年同期比7.7倍)と実に65四半期ぶりとなる最高益更新を果たした。続く25年9月期の同利益は前期比21.9%増の54億円と2期連続で過去最高益を更新する見通しだ。
2位のNCD <4783> [東証S]はIT関連事業で保険会社向けのシステム開発案件を中心に業務領域が拡大したうえ、パーキングシステム事業も駐輪場の料金改定などによって利用料収入が好調に推移し、7-9月期(第2四半期)の経常利益は9.1億円と過去最高だった前年同期を41.4%上回る大きな伸びを示した。併せて、25年3月期通期の業績見通しと配当予想を上方修正したことも好感され、株価は約9年5ヵ月ぶりの高値圏を快走する展開となっている。
3位に入った松屋アールアンドディ <7317> [東証G]の7-9月期(第2四半期)は、インド向けエアバッグ用製造設備や中国向け大型レーザー断裁機などの大口受注を獲得した。また、ベトナム新工場におけるカーシートの生産好調に加え、生産能力の増強や工程自動化も寄与し、2四半期連続の最高益更新を達成した。業績好調に伴い、過去最高益予想だった25年3月期通期の同利益をさらに上乗せしている。
4位のアンビション DX ホールディングス <3300> [東証G]は売買DXインベスト事業で新築投資用マンションなどの高単価物件の販売が増加し、7-9月期(第1四半期)の経常損益は15.1億円の黒字(前年同期は2.3億円の赤字)と22四半期ぶりに過去最高益を塗り替えた。株価は11月29日に上場来高値2410円まで上値を伸ばしている。
9位にリスト入りした早稲田アカデミー <4718> [東証P]の7-9月期(第2四半期)は、前年よりも対象学年を拡大して開催した「夏期合宿」や短期特訓授業「夏期集中特訓」の参加者数が大きく増加し、売上高、経常利益ともに過去最高を更新した。決算発表と併せて、25年3月期の年間配当を従来計画の45円→55円(前期は40円)に増額修正したことも好感され、株価は11月25日に上場来高値1879円まで上昇する場面があった。
15位には小説・マンガ投稿サイトで評価の高い作品を書籍化して販売するアルファポリス <9467> [東証G]が入った。7-9月期(第2四半期)は拡販施策の強化や価格改定の実施に加え、アニメ化作品や人気シリーズの販売が好調に推移し、7四半期ぶりに過去最高益を達成した。同時に12月末の株主を対象に1→3の株式分割を実施すると発表したことも支援材料となり、株価は約1年7ヵ月ぶりの高値圏を快走している。
22位のスターティアホールディングス <3393> [東証P]は、積極投資を続けてきたクラウド型マーケティングツール「Cloud CIRCUS」を展開するデジタルマーケティング関連事業で、サブスクリプションモデルによるSaaSツールのストック売上高が順調に積み上がり、7-9月期(第2四半期)は8四半期ぶりに過去最高益を更新した。好調な業績を踏まえ、25年3月期通期の業績見通しと配当予想を上方修正したことも評価され、株価は青空圏で頑強な動きを続けている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<3264> アスコット 66.0 3097 1866 21.9 5400 4431 7.4
<4783> NCD 41.4 918 649 26.2 2700 2140 12.6
<7317> 松屋R&D 27.3 611 480 37.7 1800 1307 10.7
<3300> アンビDX 25.8 1510 1200 23.7 3101 2507 6.8
<3452> ビーロット 25.1 3104 2481 13.2 5600 4945 6.7
<7481> 尾家産 18.2 1063 899 7.5 3510 3265 6.8
<2307> クロスキャト 17.3 555 473 3.8 1630 1570 13.9
<6194> アトラエ 16.1 542 467 33.6 2061 1543 14.1
<4718> 早稲アカ 16.0 1879 1620 1.8 3003 2951 17.6
<3939> カナミックN 14.7 421 367 10.6 1600 1447 21.8
<4809> パラカ 14.7 835 728 4.5 2900 2776 9.2
<4709> IDHD 13.3 1002 884 18.9 3400 2860 13.4
<5139> オープンW 13.3 453 400 17.1 1000 854 22.9
<2932> STIFHD 13.1 883 781 28.8 3000 2330 14.3
<9467> アルファP 13.0 836 740 3.9 2520 2426 20.1
<7059> コプロHD 12.9 825 731 22.7 2714 2211 17.8
<3712> 情報企画 10.5 507 459 0.2 1450 1447 12.6
<7191> イントラスト 9.6 596 544 12.1 2320 2070 13.2
<2349> エヌアイデイ 9.1 1009 925 1.4 3170 3126 13.0
<6823> リオン 9.0 1088 998 3.9 3700 3562 12.0
<8704> トレイダーズ 8.9 2233 2051 13.9 5000 4389 8.0
<3393> スタティアH 7.6 749 696 16.7 2630 2253 11.9
<4371> CCT 7.6 610 567 14.3 2017 1765 11.7
<3984> ユーザーロカ 7.0 504 471 7.2 1844 1720 22.7
<9644> タナベCG 5.9 575 543 19.2 1500 1258 25.0
<3655> ブレインP 3.0 511 496 6.9 1450 1357 26.0
<3798> ULSグルプ 1.0 730 723 25.1 2200 1758 20.0
<5254> Arent 0.7 301 299 49.3 1435 961 37.1
<5038> eWeLL 0.3 296 295 22.2 1112 910 39.1
<4972> 綜研化学 0.1 1816 1815 58.6 6200 3909 7.0
※ 2023年9月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。
★元日~6日に、2025年「新春特集」を一挙、"25本"配信します。ご期待ください。
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