【特集】ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (33)短期売買も長期投資も、バリューもグロースも、有望株は業績評価で決まる【市場マップ】
足元から将来の業績の数字を読み取ろう!
◆「売上営業損益率」分布、収益性の高さを支えるものは?
業績・財務分布の3番目の項目が、「売上営業損益率」の分布マップです。売上営業損益率は、「営業損益予想÷売上高予想×100(%)」で算出されます。売上高に占める営業損益の割合になりますから、企業がどれだけ本業で利益をあげられるのか(収益性)を表しています。
「売上営業損益率」の分布マップは、売上営業損益率がプラスの場合は赤色で表し、濃い赤色ほどその数値が大きい(=収益性が高い)ことを意味します。また、売上高営業損益率がマイナスの場合は青色で表し、濃い青色ほどマイナスの数値が大きい(収益性が低い)ことを意味します。濃い赤色の「+20%以上」から濃い青色の「-5%以下」まで9段階に濃淡をつけて収益性は色分けされます。なお、マップ中の黄色の「-」は業績予想が非開示であること、また銀行の白色のスラッシュ(/)は営業損益項目がなく分布を表示ができないことを表しています(図7参照)。
図7 市場マップの「売上営業損益率」分布マップ(東証1部)
「売上営業損益率」の分布マップ内の赤色や青色、白色、黄色の小さな四角形の上にマウスのポインタを移動すると、業種と市場、コード番号、銘柄名、株価、上昇・下落率、売上営業損益率の値をポップアップウインドウで確認することができます。この四角をそのままクリックすれば、個別銘柄の「決算」のページへと移動できます。「売上営業損益率」の分布マップは収益性に着目して成長銘柄を探す際に活用することができます。収益性の高い企業は、それだけ付加価値の高い製品・サービスを手掛けている可能性がありますのでチェックを忘れないようにしましょう。
さて、「売上営業損益率」の項目を「東証1部」で表示させると、全体的に薄い赤色が多く、売上営業損益率はどちらかといえばよい傾向にあることがわかります。2020年は新型コロナウイルス感染症の流行という異常事態の中で、企業業績は悪化傾向にあるようですが、その一方で事業のコロナ対応やコスト削減といった企業努力が奏功して収益性の改善につながっている可能性が考えられます。こうした状況を見ると、多くの企業が新型コロナウイルスという未知の感染症を契機にして、従来の企業活動の見直し、そして変革を一気に進めていくことの表れなのかもしれませんね。
株探ニュース
横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)
◆「売上営業損益率」分布、収益性の高さを支えるものは?
業績・財務分布の3番目の項目が、「売上営業損益率」の分布マップです。売上営業損益率は、「営業損益予想÷売上高予想×100(%)」で算出されます。売上高に占める営業損益の割合になりますから、企業がどれだけ本業で利益をあげられるのか(収益性)を表しています。
「売上営業損益率」の分布マップは、売上営業損益率がプラスの場合は赤色で表し、濃い赤色ほどその数値が大きい(=収益性が高い)ことを意味します。また、売上高営業損益率がマイナスの場合は青色で表し、濃い青色ほどマイナスの数値が大きい(収益性が低い)ことを意味します。濃い赤色の「+20%以上」から濃い青色の「-5%以下」まで9段階に濃淡をつけて収益性は色分けされます。なお、マップ中の黄色の「-」は業績予想が非開示であること、また銀行の白色のスラッシュ(/)は営業損益項目がなく分布を表示ができないことを表しています(図7参照)。
図7 市場マップの「売上営業損益率」分布マップ(東証1部)
「売上営業損益率」の分布マップ内の赤色や青色、白色、黄色の小さな四角形の上にマウスのポインタを移動すると、業種と市場、コード番号、銘柄名、株価、上昇・下落率、売上営業損益率の値をポップアップウインドウで確認することができます。この四角をそのままクリックすれば、個別銘柄の「決算」のページへと移動できます。「売上営業損益率」の分布マップは収益性に着目して成長銘柄を探す際に活用することができます。収益性の高い企業は、それだけ付加価値の高い製品・サービスを手掛けている可能性がありますのでチェックを忘れないようにしましょう。
さて、「売上営業損益率」の項目を「東証1部」で表示させると、全体的に薄い赤色が多く、売上営業損益率はどちらかといえばよい傾向にあることがわかります。2020年は新型コロナウイルス感染症の流行という異常事態の中で、企業業績は悪化傾向にあるようですが、その一方で事業のコロナ対応やコスト削減といった企業努力が奏功して収益性の改善につながっている可能性が考えられます。こうした状況を見ると、多くの企業が新型コロナウイルスという未知の感染症を契機にして、従来の企業活動の見直し、そして変革を一気に進めていくことの表れなのかもしれませんね。
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