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【市況】今週の【早わかり株式市況】5週連続上昇、ワクチン巡り錯綜も底堅さを発揮

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は5週連続で上昇、ワクチン開発を巡り思惑が錯綜
 2.前週の相場急伸の反動で上値は重いものの下値抵抗力を発揮
 3.週明けに下げるも週前半はワクチン実用化の接近観測で強気優勢
 4.12月相場入り初日は機関投資家の実需買いと買い戻しで大幅高
 5.週末はファイザーのワクチン供給が計画比で半分との報道を嫌気

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比106円(0.40%)高の2万6751円と5週連続で上昇した。

 今週の東京市場は前週に日経平均が大幅上昇した反動もあって上値の重い展開が想定されたが週前半は中間配当の再投資による買いが期待され、新型コロナワクチン開発への期待なども底流にリスクを取る動きが根強く下値を支える形となった。週末は安く引けたが、師走相場入り初日(1日)の上げが利いて週間ではプラスを維持している。

 30日(月)は前週の日経平均が4営業日続伸で1100円以上の上昇をみせていたこともあって利益確定の動きが優勢となった。米中摩擦を警戒し景気敏感株をはじめ幅広く売られ日経平均は200円強の下げ。業種別では33業種全面安に。名実ともに12月相場入りとなった1日(火)は前日の下げ幅を大きく上回る上昇で日経平均は350円あまり高くなった。これはワクチンの実用化が早期に実現するとの見方が買いの拠りどころとなった。国内外機関投資家の実需買いに空売り買い戻しも誘発した。2日(水)は朝方買い先行で始まったもののその後値を消す形に。しかし大引けはしぶとく切り返し小幅ながらプラス圏で着地した。しかし、日経平均は底堅さを発揮する一方、上値の重さも意識され、3日(木)はワクチン普及への期待で景気敏感株中心に買いを誘導したものの上値を買い進む動きも限定的で、3日続伸とはいえ上げ幅はわずかに8円にとどまった。そして週末4日(金)は4日ぶりに反落。前日の米国株市場でNYダウ、ナスダック指数ともに高くナスダック総合指数は過去最高値を更新したが、引けにかけ急速に伸び悩んだ。これは米製薬大手のファイザーなどが開発中のワクチンの今年の供給について、一部で計画規模の約半分になると報じられたことが市場心理を冷やしたもので、この流れを東京市場も引き継ぐ格好となった。

■来週のポイント
 今週はスピード調整となったものの下値抵抗力が強かっただけに、来週は“掉尾の一振”で再び上値を追う展開が期待される。

 重要イベントとしては、国内では7日発表の10月景気動向指数や8日朝に発表される10月国際収支、9日朝に発表される10月機械受注統計が注目されるほか、11日にはメジャーSQを迎える。海外では7日発表の中国11月貿易収支や9日に発表される中国11月の消費者物価指数と生産者物価指数、10日に発表されるECBの政策金利に注視が必要だろう。そのほか、10日に米ファイザーの新型コロナワクチンに関してFDAが諮問委員会を開催する。

■日々の動き(11月30日~12月4日)

【↓】  11月30日(月)―― 5日ぶり反落、米中摩擦を警戒し売り圧力表面化
 日経平均 26433.62( -211.09)  売買高24億8779万株 売買代金 4兆7669億円

【↑】  12月 1日(火)―― 急反発、ワクチン開発期待など背景に買い優勢
 日経平均 26787.54( +353.92)  売買高13億3122万株 売買代金 2兆8191億円

【↑】  12月 2日(水)―― 小幅続伸、朝高後に軟化も下値で買い直される
 日経平均 26800.98(  +13.44)  売買高14億2881万株 売買代金 3兆0726億円

【↑】  12月 3日(木)―― 3日続伸、ワクチンの実用化接近で下値抵抗力発揮
 日経平均 26809.37(  +8.39)  売買高12億3343万株 売買代金 2兆5457億円

【↓】  12月 4日(金)―― 4日ぶり反落、ワクチン普及への期待感後退を嫌気
 日経平均 26751.24(  -58.13)  売買高11億4790万株 売買代金 2兆3367億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、13業種が値上がり
 (2)上昇率トップの郵船 <9101> など海運や住友鉱 <5713> など非鉄、日本製鉄 <5401> など鉄鋼といった景気敏感株が大幅続伸
 (3)輸出株は日産自 <7201> など自動車、東エレク <8035> など電機は堅調も
   HOYA <7741> など精密機器、ダイキン <6367> など機械は低調
 (4)楽天 <4755> などサービス、大和ハウス <1925> など建設といった内需株は総じてさえない
 (5)金融株は野村 <8604> など証券、みずほリース <8425> などその他金融が上昇も
   東京海上 <8766> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行は軟調
 (6)国際石開帝石 <1605> など鉱業、ENEOS <5020> など石油株は大幅安

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 2(2) 再生可能エネルギー
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 5(5) デジタルトランスフォーメーション(DX)
  ※カッコは前週の順位

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