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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「強い上放れ相場」

株式評論家 富田隆弥

◆いやはや、11月になっての急騰は驚き。12日現在、日経平均株価は8連騰で2万5587円(ザラバ高値)と29年ぶり高値圏をばく進中だ。10月までの膠着相場が長かっただけに、放れ足が勢いづくのは想定されたことだが、バブル崩壊後の最高値で三尊天井の高値であった2万4448円(18年10月)を間髪入れず一気に上抜くとは思わなかった。

◆先物とオプションの11月限清算日(ミニSQ)が11月13日で、それに絡んでショートカバー(買い戻し)やストップロス(損失確定のため)の買いが加速し、それが日経平均を押し上げたと思われる。

◆特に9日の夜の先物の急騰劇はすごかった。NYダウが1600ドル上げて始まり、日経平均先物は22時52分に1040円高の2万5900円をつけた。ちなみに、10月24日に配信した当欄で触れた「10円のオプション」をみると、当時10円だった「2万5500円のコール」はその後3円まで下げたものの、9日の夜に535円まで暴騰した。私の知人が採用したコールとプットの両方を買う「ストラングル」作戦はうまくいったと言えるだろう(同じ作戦はしばらく使えないと見ている)。

◆13日のミニSQを通過し、日経平均はそろそろ調整を挟んでもおかしくない。ただし、最近の秋相場に連騰は珍しくなく、サイコロジカルライン(サイコロ)をみると昨年、一昨年と11勝1敗があり、3年前の秋には16連騰で12勝0敗を5日間続けたこともある。12日現在のサイコロはまだ8勝4敗であるから、上昇基調がまだ続く可能性は十分にある。

◆11月下旬になると年末商戦への期待も出てこよう。とはいえ、新型コロナウイルスの感染再拡大や米国トランプ大統領の言動などは気掛かりだし、NYダウなど米国市場がカギを握ること、そして高値圏に来ている相場は乱高下しやすいことを頭に入れておきたい。

(11月12日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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