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【特集】佐藤正和氏【米大統領選通過、一気の上昇トレンド形成へ】(2) <相場観特集>

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

―バイデン氏勝利、バブル後高値突き進む東京市場の今後―

 週明け9日の東京株式市場は日経平均が上げ足を加速させ一時600円を超える上昇をみせた。米大統領選はバイデン氏がほぼ勝利を収めた形となったが、株式市場はリスクオンの様相を強めている。前週末に日経平均は29年ぶりの高値圏に浮上し、バブル後高値更新となったが、きょうは更に上げ足を加速させている。気がつけば、あっという間に2万5000円台も視野に入れてきた。ただ、新型コロナウイルスの感染が再度加速していることなど懸念材料もある。一部では民主党バイデン政権下での為替の円高を警戒する声も出ているようだ。年末相場に向け、今後の株式市場の見通しと為替相場の動向について、それぞれの業界第一線で活躍する市場関係者2人に意見を聞いた。

●「目先ドル安も売り一巡後は反転へ、バイデン政権の人事など注目」

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

 米大統領選で民主党のバイデン候補が当確となるなか、為替市場は株高を背景にしたリスクオンのドル安・円高の状態となっている。当面は、一段の円高も予想されるが、ドル売り一巡後は反転も予想される。今後1ヵ月程度のドル円相場のレンジは1ドル=101円00~108円00銭とみている。

 当面の相場は3月安値101円18銭を意識する円高もあり得るが、その後108円への円安局面となることも予想される。足もとで、ドル安・円高が進んだ要因として、欧米で新型コロナウイルスの感染が拡大し、欧州中央銀行(ECB)は来月にも何らかの金融緩和措置を取る見込みが高まるなど、金利が低下基調にあることが挙げられる。米国も議会選で上院は共和党が取る可能性が高く、財政支出は抑制されるとの期待が膨らんだ。

 更に、米バイデン新政権では、ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事が財務長官に就任するのではとの思惑が出ている。同氏はドル安論者であることも、ドル売り要因になったかもしれない。

 ただ、米国は追加経済対策を含め財政出動は不可避の情勢だ。バイデン氏も環境やインフラなどへの積極的な投資を公約に掲げている。この財政出動は、先行きは米長期金利1%超えとなってもおかしくはない。また、バイデン氏が誰を国務長官に指名するかなども注目点だが、米中関係ではトランプ政権が行った突然の関税引き上げのような動きは、おそらく収まるだろう。この点もドル安を抑える要因となりそうだ。

 まだバイデン政権の概要が判明せず、思惑的なドル安・円高が進行している。もし、101円割れとなった場合、日銀も何らかの行動が迫られるかもしれない。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(さとう・まさかず)
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。通算20年以上、為替の世界に携わっている。

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