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【注目】前週末10日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

ショクブン <日足> 「株探」多機能チャートより

■ショクブン <9969>  393円 (+80円、+25.6%) ストップ高

 ショクブン <9969> [東証2]がストップ高。食材宅配の大手で、 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い外出自粛の動きが出るなか、需要開拓が期待できる局面にある。人工知能(AI)を使った配送ナビゲーションで業務効率化への期待も大きい。投資資金の攻勢で株価は急速人気化しており、10日付で日証金から貸株規制が出たことを契機に物色人気を加速させている。

■テイツー <7610>  31円 (+5円、+19.2%)

 テイツー <7610> [JQ]が3連騰。9日の取引終了後、集計中の20年2月期の単独業績について、営業利益が1億2000万円から2億6000万円(前の期比28.7%増)へ、最終利益が4000万円から1億7800万円(同64.8%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。売上高が215億円の従来予想に対して214億4900万円(同6.8%減)とほぼ計画通りの着地となったことに加えて、「古本市場」などの店舗で中古商材に注力したことによる粗利の確保と、全社での経費削減活動による販管費の抑制が奏功したという。

■ベガコーポ <3542>  525円 (+80円、+18.0%) ストップ高

 ベガコーポレーション <3542> [東証M]がストップ高。9日大引け後、20年3月期の経常損益(非連結)を従来予想の1億5000万円の赤字→1億4000万円の黒字(前の期は2億5600万円の赤字)に上方修正し、一転して黒字に浮上する見通しとなったことが買い材料視された。家具・インテリアのEC販売で自社サイトの売上高が好調に推移する中、販売価格と商品構成の見直しによる原価率の改善、在庫適正化や配送料抑制などが奏功し、採算が大きく改善した。

■スタティアH <3393>  559円 (+80円、+16.7%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。スターティアホールディングス <3393> がストップ高。同社は9日、子会社スターティアレイズが、ファイル暗号化サービスを提供するDataClasys(東京都千代田区)と製品の販売に関する契約を締結し、業務提携したと発表しており、これが好感された。個人情報保護法の制度改正大綱でデータ暗号化やデータ利便性についての記載が増え、市場でのニーズが高まっていることから、暗号化・DRM(デジタル著作権管理)で高い実績を持つDataClasys社と提携するという。提携により暗号化・DRM製品「DataClasys」とスターティアレイズのクラウドストレージサービス「セキュアSAMBA」を連携させ、テレワークにおけるファイル共有の情報漏洩対策として販売するとしている。

■C&R <4763>  900円 (+128円、+16.6%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率2位。クリーク・アンド・リバー社 <4763> が急騰。9日大引け後に発表した20年2月期の連結経常利益は前の期比32.7%増の21億円に拡大して着地。続く21年2月期も前期比23.6%増の26億円に伸び、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。今期は映像、ゲーム、Web業界向け派遣・紹介などを展開する主力の国内クリエーティブ分野を中心に収益が伸長する。なお、新型コロナウイルスの影響は織り込んでいない。同時に、今期の年間配当は前期比1円増の16円に増配する方針とした。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の3.5%にあたる80万株(金額で5億円)を上限に自社株買いを実施すると発表しており、株主還元の強化を好感する買いも向かった。

■バルテス <4442>  1,130円 (+150円、+15.3%) ストップ高

 バルテス <4442> [東証M]がストップ高。同社は10日、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、テレワーク開発の負担を軽減する「在宅テストサービス」の提供を開始したと発表しており、これが材料視されたようだ。サービス開始は、各社ITエンジニアがテレワークで開発プロジェクトを進行する状況が増加し、普段とは異なる在宅環境での業務により、これまでになかったトラブルが起こり得る可能性があることが背景。このサービスでは、テスト管理を一括で受託することで開発工程の負担が軽減できるほか、初回打ち合わせからテスト結果の報告までオンライン上で完結することができるという。

■SHIFT <3697>  7,830円 (+1,000円、+14.6%) ストップ高

 東証1部の上昇率3位。SHIFT <3697> がストップ高。9日大引け後に発表した20年8月期上期(19年9月-20年2月)の連結経常利益が前年同期比2.7倍の12.7億円に急拡大し、従来予想の9億円を上回って着地したことが買い材料視された。主力のソフトウエアテストで独パッケージソフト開発大手SAP領域や通信関連の顧客開拓が進んだことが寄与。高付加価値サービスの増加やサービスラインアップの拡充でエンジニア単価が上昇したことも大幅増益に貢献した。併せて、PCリユースやキッティングなどを展開するエスエヌシーの全株式を取得し子会社化すること、および技術戦略や採用・育成戦略のコンサルティングなどを手掛けるレクターと協業開始することを明らかにしている。

■メドレー <4480>  2,610円 (+257円、+10.9%)

 メドレー <4480> [東証M]が続急騰。10日付の日本経済新聞朝刊で「オンラインや電話で初診患者を診療した医療機関への診療報酬について、厚生労働省が2100円程度とする方向で調整に入ったことが9日わかった」と報じられたことが手掛かり材料視された。記事通りならば、一般的な対面診療の初診料である2880円の4分の3程度となり、特別措置ながら、 オンライン診療を選択する人が増えるとの思惑から、オンライン診療システム「CLINICS オンライン診療」を展開する同社に買いが向かったようだ。また、オプティム <3694> と共同でオンライン診療「ポケットドクター」を展開するMRT <6034> [東証M]なども大幅高となっている。

■学究社 <9769>  1,178円 (+78円、+7.1%)

 学究社 <9769> が急反発。9日大引け後、発行済み株式数(自社株を除く)の1.80%にあたる20万株(金額で2億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は4月10日から7月9日まで。

■星和電機 <6748>  569円 (+35円、+6.6%)

 星和電機 <6748> が続急伸。10日付の日刊工業新聞で、「新型コロナウイルスの対策用途も念頭に、ウイルスなどを殺菌できる紫外線発光ダイオード(LED)モジュールの開発に着手した」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、紫外線LEDモジュールはヘルスケア用途を想定して以前から取り組む研究テーマだったが、大学などとの産学連携で効果検証も進め、年内にも市場投入する方針だという。

■東京個別 <4745>  482円 (+24円、+5.2%)

 東京個別指導学院 <4745> が続急伸。9日の取引終了後、20年2月期連結決算を発表。売上高212億6100万円、営業利益28億8900万円、純利益18億9700万円となり、営業利益が従来予想の28億7500万円を上回って着地したことが好感された。この期から連結決算に移行したため、前の期との比較はないものの、21年2月期を最終年度とする中期経営計画の数値目標を1年前倒しで達成した。在籍生徒数の増加で授業料収入や講習会売り上げが堅調に推移したほか、価格改定も寄与した。また、1月に企業向け人財開発を手掛けるHRBCを連結子会社化したことも業績に貢献した。なお、21年2月期の連結業績予想は、新型コロナウイルス感染拡大による影響範囲が不透明なことから現時点では非開示としている。

■朝日ネット <3834>  862円 (+41円、+5.0%)

 朝日ネット <3834> が急伸、上場来高値を更新。独立系のネット接続サービス大手で「ASAHIネット」を運営しているが、接続サービスの品質評価が高く、POSレジ、監視カメラ、デジタルサイネージなどの分野でも商機を捉えている。足もとの業績好調に加え、中期的にもテレワークの普及で接続サービス事業に追い風が強まっており、戻り売りの圧力のない青空圏を走る展開にある。

※10日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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