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【市況】今週の【早わかり株式市況】新型肺炎の感染拡大で続落も、関連株はS高相次ぐ

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は2週連続で下落、週初と週後半に400円超の下げで波乱展開に
 2.中国で発生した新型肺炎の感染拡大を背景にリスク回避の売りが勢いを増す
 3.アジア市場では香港株安に加え、休場明けの台湾が5.7%超下落と大荒れ
 4.全般地合い悪のなかで新型肺炎の対策関連株は集中物色され、S高が相次ぐ
 5.週末は前日の米株高を受けて反発、下げ一服となるが前場後半以降伸び悩む

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比622円(2.61%)安の2万3205円と大幅安で2週連続の下落となった。

 今週は中国・武漢で発生し世界的に感染拡大傾向をみせた新型コロナウイルスによる肺炎が投資家心理を悪化させ、週初から波乱展開に。週末は反発に転じたものの、週間ベースでは大幅な下げを余儀なくされた。

 27日(月)は中国で発生した新型肺炎の感染拡大が世界経済に悪影響をもたらすとの思惑から大きくリスクオフに傾き、日経平均は483円安と今年最大の下げ幅に。東証1部全体の9割の銘柄が値を下げる全面安商状となった。28日(火)もこの流れは変わらず続落。2営業日合計で600円安となったが、後半は押し目買いに下げ渋る動きをみせ、29日(水)は目先筋のカラ売り買い戻しなどを原動力に反発。この日は前日の米国株市場で NYダウなど主要株指数が揃って上昇したこともあり、ひとまず投資家の不安心理が後退した。しかし、中国の新型肺炎への警戒感は払拭できない状況に変わりはなく、30日(木)に日経平均は再び大きく下値を探る展開を強いられることになる。休場明けの台湾市場が5.7%を上回る暴落となったほか、香港市場も連日の下げで再び悲観ムードが強まり、今週2回目の400円を超える下げで2万3000円大台を割り込んだ。こうしたなかで新型肺炎の対策関連株は軒並み買われ、ストップ高のオンパレードとなった。そして週末の31日(金)は日経平均が227円高と反発。前日の米株高を受け海外ヘッジファンドの先物への買い戻しを足場に切り返しに転じた。ただ、前場後半以降は戻り売りで伸び悩んだ。

■来週のポイント
 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が続いているうえ、昨日の NYダウ603ドル安と急落しており、来週も下値を探る展開になりそうだ。

 重要イベントとしては、国内では7日に発表される12月景気動向指数が注目される。海外では3日に取引再開を予定する上海市場の相場動向が懸念されているだけに最も注目される。そのほかでは3日発表の米国1月ISM製造業景況指数や5日発表の米国12月貿易収支、7日に発表される中国1月貿易収支や米国1月雇用統計に注視が必要だろう。

■日々の動き(1月27日~1月31日)

【↓】   1月27日(月)―― 急反落、新型肺炎の感染拡大を嫌気しほぼ全面安
 日経平均 23343.51( -483.67)  売買高11億8046万株 売買代金 2兆1772億円

【↓】   1月28日(火)―― 続落、新型肺炎の感染拡大を警戒も終盤下げ渋る
 日経平均 23215.71( -127.80)  売買高11億7125万株 売買代金 2兆1940億円

【↑】   1月29日(水)―― 3日ぶり反発、欧米株高受け過度な不安心理が後退
 日経平均 23379.40( +163.69)  売買高10億3295万株 売買代金 1兆9685億円

【↓】   1月30日(木)―― 急反落、新型肺炎の感染拡大を嫌気し2万3000円割れ
 日経平均 22977.75( -401.65)  売買高13億6771万株 売買代金 2兆5135億円

【↑】   1月31日(金)―― 反発、新型肺炎への警戒感がやや後退し買い戻し
 日経平均 23205.18( +227.43)  売買高13億7692万株 売買代金 2兆6149億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、 31業種が下落とほぼ全面安商状
 (2)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友電 <5802> など非鉄、商船三井 <9104> など海運といった景気敏感株が大幅続落
 (3)国際石開帝石 <1605> など鉱業、JXTG <5020> など石油株は下げ止まらず
 (4)日立 <6501> など電機、コマツ <6301> など機械、日産自 <7201> など自動車といった輸出株も安い
 (5)楽天 <4755> などサービス、ヤマトHD <9064> など陸運といった内需株も総じて軟調
 (6)三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険、クレセゾン <8253> などその他金融株も低調
 (7)東電HD <9501> など電力・ガス、JT <2914> など食品といったデフェンシブ株は下げ限定的
 (8)野村 <8604> など証券、三井不 <8801> など不動産株はプラスを確保

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
 1(2) マスク ───── 新型ウイルスの感染拡大で需要急増 
 2(3) コロナウイルス 市場を賑わす「新型肺炎」対策関連・大検証 
 3(1) 5G
 4(22) インバウンド ── 中国が国外団体旅行一時停止で影響を懸念 
 5(9) インフルエンザ関連
  ※カッコは前週の順位

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