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【市況】【植木靖男の相場展望】 ─ 新型肺炎もなんのその、首の皮一枚残すか?

株式評論家 植木靖男

「新型肺炎もなんのその、首の皮一枚残すか?」

●週末株価が教える株価の先行き

 日経平均株価は、19年12月17日の高値2万4066円前後に到達。いよいよ、18年10月の高値2万4270円まであと一歩に迫った(終値ベース)。だが、折り悪しく中国で新型肺炎が発生、内外株式市場の先行きに暗雲が立ちこめてしまった。

 17年前のSARS(重症急性呼吸器症候群)と同じく、この新型肺炎は中国一国にとどまらず、世界的に蔓延する恐れがある。有効な治療方法もなく、このまま拡大すれば世界景気に悪影響をもたらすリスク要因となる。株式市場にとって厄介なのは、世界の株価が高値圏にあることだ。いってみれば、利食い売りのタイミングになってしまう可能性があるのだ。

 かつてのSARSは、2002年に中国広東省で発生。北半球を中心に拡大、8000人を超える症例が報告された。終息宣言が出されたのは、実に発生から7ヵ月後である。いま市場で不安視されるのは、仮に新型肺炎が終息するのにSARSと同じくらいの期間がかかるとすれば、ちょうど オリンピックが開催される時期にあたることだ。

 また、中国から遠く離れた米国でも感染者が確認され、早くもWHO(世界保健機関)が新型肺炎で緊急事態宣言を出すか否かで市場は揺れている。いうまでもなく当該国の中国では上海・香港市場が急落している。

 こうした難題を抱えて、株価は今後どう展開するとみればよいのか。

 当面の見方としていえば、1月24日の週末の値動き次第といえる(本稿執筆時点ではこの日の騰落は定かではない)。かりに週末が高ければ、罫線(チャート)上、再び2万4000円台での活躍が期待できそうだ。これまでも、騰落ギリギリのところで反発、首の皮一枚つながって上昇に転じた経験は、昨今きわめて多い。

 だが、逆に週末下げると状況はガラリと変わる。おそらく、19年12月下旬にかけての値動きと同じパターンになる可能性もあり得る。2万3000円近くまで下げるリスクも生じる。

●ハイテク立ち直りを期待する市場だが……

 ところで、物色の流れはどうか。市場は、ここへきての米国市場の物色動向から、ハイテクノロジー関連に期待を抱いたかにみえる。確かにアップル株の上昇を見ると、さもありなんとみえる。

 また、日本電産 <6594> の決算発表のとき、永守CEOが「大底を打った」と表明。永守氏の発言は、経団連に名を連ねる大企業の経営者のそれよりも重い、と市場は受け止めている。だが、翌日の同社株は急落。ハイテクノロジー株の立ち直りにはまだ機が熟していないようだ。

 こうした弱地合いのとき、困ったときの神頼みと持ち上げられるのが医薬品株だ。新型肺炎に対する特効薬はない。そして、第2の困ったときの神頼みは、19年しばしば物色された陸運株だ。今年はオリンピック年。観光客(インバウンド)は、折角の機会とばかりに全国を周遊する可能性がありそうだ。

 ということで、今回は次の銘柄群に注目したい。まずは、成田空港と東京を結ぶ京成電鉄 <9009> だ。出直りに期待したい。低位の中では、イワキ <8095> だ。4期連続増配なのに株価は安い。医薬品原料が好調で業績もよいようだ。

 また、テラスカイ <3915> もまだ上昇途次の一休みといったところ。量子コンピューター分野参入は新鮮だ。今期の会社側の収益見通し(最終利益は前期比4.6倍)は半端ではない。

2020年1月24日 記

株探ニュース

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