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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「侮れない新型ウイルス」

株式評論家 富田隆弥

◆中国・武漢で発生した新型コロナウイルスによる新型肺炎の感染が拡大している。ただ、2003年に拡大したSARS(重症急性呼吸器症候群)のケースと異なり中国政府は迅速に対応しており、マーケット関係者からは「影響は限定的」との声が多く聞かれる。WHO(世界保健機関)も23日の緊急委員会で緊急事態宣言を見送った。

◆とはいえ、楽観もできまい。中国は「春節(24~30日)」を迎え、国民の大移動が始まる。多くの観光客が日本を含め世界を訪れることだろう。それにより新型ウイルスの感染拡大に拍車が掛かりかねない。

◆そして、マーケットではいま「AI」が売買指令を出す時代。感染拡大、ウイルス死者何名などの文言をAIがキャッチすれば、即座に売り指令が出ないとも限らない。

NYダウ平均は17日に最高値を2万9348ドル(終値ベース)まで伸ばしたが、先週は足踏み。航空機やホテル、カジノ、損保などの銘柄が売られ上値を押さえられた。それも「AI」の指令によるものだろう。

◆一方、SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)が23日1945.37ポイントと最高値を順調に伸ばし、 ナスダックも9402.20ポイントと最高値を更新する。5G時代の到来により活躍が期待されるIT関連には引き続き運用マネーが流入している。ただ、新年の3週間で上昇率はSOXが5.17%、ナスダックは4.79%に達する。人気の片寄りや上昇ピッチの速さは気になる。

◆株式市場ではこれから出てくる決算がポイントで、半導体株やナスダックはさらに上昇を加速させる可能性もあるが、調整のほしい局面にきていることも否めない。「AI」がどのような指令を出すかはもちろん分からないが、決算や新型ウイルス、米欧通商問題などを巡る文言次第で売り指示を出しやすい局面にきているように思われる。そして、それは日本株にも当てはまるだろう。

◆NYダウ3万ドル、ナスダック1万ポイント、日経平均株価2万5000円など、当面の目標にマーケットが向かっていることに異論はない。ただ、相場であるから一方行に突っ走るとも思えない。まだ新年も1月。押し目買い、吹き値売りで対応して行きたい。

(1月23日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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