【市況】今週の【早わかり株式市況】3週続伸、米中首脳会談開催・米利下げの確度高まる
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週続伸、商い低調が続くなか売り方の買い戻しで上値指向に
2.米中首脳会談が開催される方向となり、両国の貿易摩擦に対する懸念後退
3.18~19日のFOMCを受け年内利下げの確度が高まり、市場心理改善
4.週末21日は為替の急速なドル安・円高進行を嫌気して先物主導で売られる
5.週末の売買代金は大きく膨らむも、英FTSEリバランスによる特殊要因
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比141円(0.67%)高の2万1258円と3週続伸となった。
今週は18~19日に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)が最大のビッグイベントで、これを強く意識する形で思惑が錯綜するスペシャルウィークとなった。結果的に2万1000円台の攻防は買い方が勝利する格好となったが、売買代金は低水準でリスク選好の流れを肌で感じられるような相場ではなかったともいえる。
17日(月)は日経平均が狭いレンジでもみ合い、結局わずかにプラス圏で着地。日経平均寄与度の高い一部の値がさ株が買われ全体を支えたが、値下がり銘柄数が圧倒的に多く、実際は売り優勢の地合いだった。その地合いを引き継ぎ18日(火)は151円安と軟調、フシ目の2万1000円台を割り込んだ。しかし19日(水)はガラリと雰囲気が変わることになる。G20サミットに合わせ米中首脳会談が行われる方向となり、これが米中摩擦に対する懸念を後退させ売り方の買い戻しが一気に進んだ。また、FOMCの結果を前に金融緩和期待を先取りする形で買いが入り、日経平均は360円を超える上昇となった。20日(木)はFOMC後のFRB声明が年内利下げの可能性を強く示唆するものだったことを受け、前日の米株高に追随して先物主導で続伸。日経平均は約1ヵ月ぶりの高値水準に浮上した。しかし、21日(金)は急速に進む円高が嫌気されて反落。前日の裏返しで先物を絡めた売りで200円強の下げを余儀なくされた。なお、この日、売買代金は大きく膨らんだが、英FTSEリバランスの影響が大きく実質は2兆円を下回る閑散相場が続いている。
■来週のポイント
来週は週末に米中首脳会談を控えているだけに様子見ムードが強まるとみられるうえ、為替の円高が重荷となり、上値が重い展開となりそうだ。
重要イベントとしては、28日-29日のG20大阪サミット開催中に行われる予定の米中首脳会談が最大のイベントだ。そのほか国内では27日の株主総会集中日や28日朝に発表される5月鉱工業生産指数が注目される。海外では25日に発表される米国5月新築住宅販売件数や米国6月コンファレンスボード消費者信頼感指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(6月17日~21日)
【↑】 6月17日(月)―― 小幅続伸、商い薄のなか売り買いが交錯
日経平均 21124.00( +7.11) 売買高 9億3471万株 売買代金 1兆6498億円
【↓】 6月18日(火)―― 3日ぶり反落、円高に振れ2万1000円台割れ
日経平均 20972.71( -151.29) 売買高10億2384万株 売買代金 1兆7752億円
【↑】 6月19日(水)―― 急反発、米株高を受けリスク選好ムード高まる
日経平均 21333.87( +361.16) 売買高11億6763万株 売買代金 2兆0365億円
【↑】 6月20日(木)―― 続伸、米利下げ思惑や中国株高で買い優勢
日経平均 21462.86( +128.99) 売買高10億1796万株 売買代金 1兆7927億円
【↓】 6月21日(金)―― 3日ぶり反落、円高や地政学リスクで売り優勢
日経平均 21258.64( -204.22) 売買高15億3666万株 売買代金 2兆7182億円
■セクター・トレンド
(1)中東緊張による原油高で国際石開帝石 <1605> など鉱業、出光興産 <5019> など石油が業種別上昇率1、2位
(2)郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運株が大きく買われる
(3)住友鉱 <5713> など非鉄、王子HD <3861> など紙・パルプといった素材株は続伸
(4)輸出株はソニー <6758> など電機、コマツ <6301> など機械が堅調も
トヨタ <7203> など自動車、オリンパス <7733> など精密機器は低調
(5)大和ハウス <1925> など建設、JR東日本 <9020> など陸運、三井倉HD <9302> など倉庫・運輸といった内需株は総じて軟調
(6)金融株は野村 <8604> など証券、オリックス <8591> などその他金融が上昇も
東京海上 <8766> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行は下落
(7)JAL <9201> 、ANAHD <9202> など空運業は売られた
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