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【特集】薄商い相場でも強さ発揮、脚光浴びる東証2部の好業績・割安株 <株探トップ特集>

東証1部は売買代金2兆円台割れが常態化しつつあるが、そうしたなか市場エネルギー不足でも逆に輝きを増しているのが東証2部の銘柄群だ。ここはじっくり腰を落として、業績変化率が高くPERも割安な2部株に照準を合わせたい。

―決算発表本格化を前に狙いたい、上値妙味を内包する業績好調な2部銘柄に注目―

 先週の21日から24日まで4日連続で東証1部の売買代金が2兆円を下回り、週明けのきょうも1兆8765億円と薄商いが続いている。これは、10~12月期の決算発表本格化を目前にして、投資家のあいだに輸出関連など主力大型株の物色を見送る姿勢が根強いためだ。こうした“省エネ相場”のなかで注目を集めているのが 東証2部上場の好業績予想銘柄。PER面で比較的割安なものに焦点を絞って紹介した。

●田辺工業、プラント設備工事の順調進捗が大幅増益に貢献

 化学プラントを主体とする中堅総合工事会社の田辺工業 <1828> [東証2]が昨年11月5日に発表した19年3月期第2四半期累計(18年4-9月)の連結経常利益は、前年同期比60.9%増の12億7700万円に拡大した。化学業界を主要顧客とするプラント設備工事で前期からの繰越工事が順調に進み、第2四半期累計の売上高が同23.3%増の174億6700万円と大幅増収を達成したことが寄与している。施工効率の改善や原価管理の徹底に取り組んだことも増益に貢献した。通期計画の経常利益18億円(同30.8%増)に対する第2四半期累計経常利益の進捗率は70.9%に達しており、上方修正の可能性が濃厚となっている。

●SECカーボン、人造黒鉛電極は需給逼迫で販売価格が上昇

 SECカーボン <5304> [東証2]は昨年11月6日、19年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を298億円から368億円(前期比2.3倍)へ、経常利益を84億円から155億円(同13倍)へ、最終利益を66億円から108億円(同5.4倍)へ増額した。国内外の炭素製品の市況が当初想定よりも回復する見通しとなり、特に人造黒鉛電極は、世界的に需給バランスが逼迫していることから、販売価格が予想以上に上昇しており、収益性が向上する見込みだ。また、円安効果もプラスに働いている。下期の想定為替レートを従来の1ドル=100円から105円に見直した。

●西部電機、中国向け放電加工機輸出が好調

 西部電機 <6144> [東証2]は昨年10月31日、19年3月期通期の連結業績予想について、売上高を260億円から292億円(前期比27.4%増)へ、経常利益を20億3000万円から29億1000万円(同32.2%増)へ、純利益を13億7000万円から19億3000万円(同28.0%増)へ上方修正した。放電加工機の中国向け輸出が、現地市場の高精度機要求に支えられ堅調に推移したことが寄与している。

●パルステック、光ディスク関連装置の受注が想定上回る

 光ディスク機器・検査装置大手のパルステック工業 <6894> [東証2]は昨年11月14日、19年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を22億円から25億円(前期比17.3%増)へ、経常利益を3億400万円から4億1300万円(同52.4%増)へ、最終利益を2億4300万円から3億2200万円(同40.0%増)へ増額した。光応用・特殊機器関連や光ディスク関連装置の受注が想定より伸びることが寄与する。利益率の高い自社製品や、付加価値の高い受託開発製品の販売増加で採算も上向く。業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の60円から75円(前期は30円)に増額修正した。

●日本タングステン、用磁気ヘッド基板や電気自動車用接点製品が好調

 日本タングステン <6998> [東証2]は昨年11月8日、19年3月期通期業績予想と配当計画の修正を発表した。経常利益見通しを従来の8億1000万円から11億1000万円(前期比13.3%増)に引き上げたほか、年間配当を従来計画比30円増額の90円とした。売上高予想も113億円から126億円(同13.5%増)に上方修正した。ハードディスクドライブ(HDD)用磁気ヘッド基板や電気自動車(EV)用接点製品が好調なほか、衛生用品関連のNTダイカッターも堅調に推移していることなどを反映した。

●ユニバンス、ユニット製品の販売拡大が寄与

 ユニバンス <7254> [東証2]は昨年11月13日、19年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を570億円から580億円(前期比1.2%減)へ、経常利益を8億5000万円から11億円(同2.1倍)へ、最終利益を7億5000万円から10億円(同2.8倍)へ増額した。国内とタイで駆動系伝達機構や減速機ユニットなどユニット製品の販売が想定より伸びることが寄与している。業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の6円から8円(前期は6円)に大幅増額修正した。

●黒田精工、半導体・液晶関連装置向け駆動システムが好調

 黒田精工 <7726> [東証2]は昨年11月8日、19年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を176億円から178億円(前期比10.4%増)へ、経常利益を8億万円から11億2000万円(同2.3倍)へ、最終利益を4億8000万円から7億2000万円(同2.9倍)へ増額した。半導体・液晶関連装置や工作機械関連向け駆動システムの豊富な受注残を背景に売上高が好調に推移するなか、収益性や生産性の向上に取り組んだことが寄与し、採算が大きく改善している。


◆主な好業績予想・低PERの東証2部銘柄◆
             経常
銘柄 <コード>       増益率   株価  PER
田辺工業 <1828>      30.8    796  6.6
高田工業所 <1966>     48.9    602  3.3
アップル <2788>       3.9倍   282  3.4
カワサキ <3045>      75.8    862  8.1
オーウイル <3143>     26.2   1255  9.9
スガイ化学 <4120>      2.1倍  1122  7.9
トーヨーアサノ <5271>   77.0   2598  4.1
SECカーボン <5304>   13.0倍 1万470  3.9
岡本工作機械 <6125>    37.7   2323  5.6
西部電機 <6144>      32.2    911  7.2
高松機械 <6155>      34.0    779  5.6
ヒラノテクシード <6245>  34.1   1459  7.8
テクノスマート <6246>   42.1    881  9.1
キクカワ <6346>       4.3倍  9740  8.9
コンテック <6639>     30.4   1431  8.5
東京コスモス電機 <6772>  53.8   1398  7.3
三社電機 <6882>      21.6    966  10.1
パルステック <6894>    52.4   1944  8.3
日本抵抗器 <6977>     37.2   1089  7.9
日本タングステン <6998>  13.3   2367  6.9
ユニバンス <7254>      2.1倍   322  6.7
ハイレックス <7279>    18.0   2093  9.5
黒田精工 <7726>       2.3倍  1371  10.7
コーア商HD <9273>    24.9    926  8.7
ナルミヤ <9275>      27.7   1228  6.5
※株価は28日終値、単位:%、円、倍

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