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【特集】桂畑誠治氏【凪状態は続くのか? 2月相場の海図を読む】(1) <相場観特集>

桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)

―日経平均2万円台で気迷いムード、ここからの相場展望―

 週明け28日の東京株式市場は軟調な地合いとなった。日経平均株価2万円台はキープしているものの、2万1000円ラインはなかなか突破できないでいる。安定の中にあって先高期待が盛り上がるという感じもなく、これは全体売買代金の薄さにも映し出されている。国内企業の四半期決算発表本格化で手掛けにくさがある2月相場。物色の方向性も含め、第一線で活躍する市場関係者にここからの展望を聞いた。

●「好悪材料相半ばする状況でボックス相場に」

桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)

 東京株式市場は足もと気迷いムードにあるが、当面は重要スケジュールが相次ぐなか、様子見の地合いが続く可能性が高い。足もとは米政府機関の一部閉鎖がいったん解除されたことで安心感が台頭、米国株市場にはポジティブに働いたが一筋縄ではいかない部分もある。2月15日までの新たな予算成立が条件となり、不透明感を払拭するには至っていない。また、今週30~31日の日程で米中両国の間で行われる閣僚級の経済構造協議についても、進展は見込まれるにせよ、何かが合意に達するような決定的変化はなく、これも依然としてモヤモヤした環境が続くことになる。

 更に、30日までの日程で開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)では、利上げがないのは当然として、米国株市場は会合後のハト派的な声明文まで既に織り込んでしまっている感があり、場合によっては株価の波乱要素となり得る。今年から、パウエルFRB議長の記者会見が毎回行われることになったが、今回は、米メディアで既に報じられたバランスシート縮小の早期終了に関し、パウエル氏がどういう形で言及するかにマーケットの視線が集まる。この発言内容に伴い、米株市場や外国為替市場に少なからぬ影響を与える公算が大きい。仮に米株市場にフレンドリーな内容であっても、為替市場ではドル売り・円買いを促すものとなるだけに日本株にとっては注意が必要だ。

 このように、ここからの重要スケジュールはプラスとマイナス双方の側面があり、通過してみなければマーケットの反応が見えにくい。そのため、全体相場も当面は一つの方向に偏りにくい状況が続くことになる。

 日経平均は米株市場や為替の動向を横目にレンジ相場が継続しそうだ。上値は2万1000円ラインが重く、ここを抜いても2万1500円くらいがメドとなろう。また、下値については2万円大台が抵抗ラインとして強く意識されそうだ。物色対象としては流れの変わった半導体関連セクターがリバウンド一巡後どうなるかに注目している。また、中国の景気減速が懸念されているが、政府当局の減税政策などの寄与で消費は下支えされる可能性がある。その際、化粧品メーカーの株価には浮揚力が働きそうだ。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(かつらはた・せいじ)
第一生命経済研究所 経済調査部・主任エコノミスト。担当は、米国経済・金融市場・海外経済総括。1992年、日本総合研究所入社。95年、日本経済研究センターに出向。99年、丸三証券入社。日本、米国、欧州、新興国の経済・金融市場などの分析を担当。2001年から現職。この間、欧州、新興国経済などの担当を兼務。

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