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【特集】倉持宏朗氏【凪状態は続くのか? 2月相場の海図を読む】(2) <相場観特集>

倉持宏朗氏(サクソバンク証券 チーフマーケットアナリスト)

―日経平均2万円台で気迷いムード、ここからの相場展望―

 週明け28日の東京株式市場は軟調な地合いとなった。日経平均株価2万円台はキープしているものの、2万1000円ラインはなかなか突破できないでいる。安定の中にあって先高期待が盛り上がるという感じもなく、これは全体売買代金の薄さにも映し出されている。国内企業の四半期決算発表本格化で手掛けにくさがある2月相場。物色の方向性も含め、第一線で活躍する市場関係者にここからの展望を聞いた。

●「2万1000円台回復が焦点に、米国の景況感など注視」

倉持宏朗氏(サクソバンク証券 チーフマーケットアナリスト)

 2月の日経平均のレンジは2万~2万1500円前後を想定している。2万1000円台を回復することができるかがポイントだが、そのためには1ドル=110円台へのドル高・円安の進行なども求められそうだ。同ラインを超えられなければ下値を試すことも予想されるが、PERなどを考慮すれば、下げても2万円程度とみている。

 今週は、今晩のキャタピラーをはじめとする米国企業の決算や米連邦公開市場委員会(FOMC)、閣僚級の米中貿易協議、米雇用統計など重要イベントが目白押しであり、今後を見るうえでの重要な週となる。米連邦準備制度理事会(FRB)によるバランスシート縮小の早期終了観測や米中貿易摩擦の緩和期待は株価の上昇材料だ。しかし、28日の日経平均株価は軟調な値動きとなった。これは、ベネズエラを巡る情勢やトランプ米大統領が非常事態を宣言して、メキシコ国境への「壁」建設を強行するような事態となることなどが警戒された様子だ。

 NYダウは半値戻しを達成したが、更なる上を目指すのか、ここを上限とするのかを見極めることになるだろう。米国景気が堅調なことが確認されれば、米金利の上昇が銀行株などの上昇につながり、NYダウも上昇するだろう。この場合、ドル高・円安も進み、外国人投資家の日本株買いも期待できるとみている。こうしたなか、自動車や電機や電子部品など輸出関連セクターの動向などに注目している。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(くらもち・ひろあき)
東海東京証券(エクイティ部長・株式業務統括)、ベアー・スターンズ証券(株式営業部長・マネージングディレクター)、クレディ・リヨネ証券(グローバルエクイティーズ営業本部長・マネージングディレクター)など欧米投資銀行などで、国内外機関投資家及び国内外ヘッジファンド向けセールス及びセールストレーダーとして携わる。マーケットアナリストとしても国内外の主要メディアで取り上げられる。

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