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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

ラクスル <日足> 「株探」多機能チャートより

■AmidAH <7671>  2,000円 (+400円、+25.0%) ストップ高

 AmidAホールディングス <7671> [東証M]など直近IPO銘柄が高い。値幅取りを狙った買いが値動きの軽い直近IPO銘柄に流入した。AmidAHは12月20日に東証マザーズに新規上場。印鑑及びスタンプを中心としたインターネット通販サイト「ハンコヤドットコム」の運営などを主な事業としている。同社株には、改元に絡み印鑑やスタンプへの特需思惑が浮上している。

■ネクステージ <3186>  1,130円 (+150円、+15.3%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。中古車販売大手のネクステージ <3186> がストップ高。8日大引け後に発表した18年11月期の連結経常利益は前の期比26.7%増の41.8億円に伸びて着地。続く19年11月期も前期比31.4%増の55億円に拡大し、5期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。今期も大型店を中心とした販売店や買取専門店の積極的な出店を進め、31.8%の大幅増収を見込む。車検など整備や保険も収益拡大に貢献する。業績好調に伴い、前期の年間配当を2円→4円(前の期は1→3の株式分割前で6円)に増額し、今期も4円を継続する方針としたことも支援材料となった。前期は株式分割を考慮した実質配当が2倍の増配となった。

■ラクスル <4384>  2,701円 (+261円、+10.7%)

 ラクスル <4384> [東証M]が急反騰。大和証券は新規投資判断「1」、目標株価3900円でカバレッジを開始した。同社は18年5月東証マザーズに上場。インターネットによる印刷・広告のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」や物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」を運営している。大和証券では「産業構造を変革するプラットフォームを多面展開している長期的な成長を志向している企業」として評価し、「零細企業の多い産業、多重下請け構造が存在している産業、需要と供給のミスマッチが発生している産業」が同社の参入を検討する市場となるとしている。現時点では「ラクスル」は黒字化を達成し、安定的な収益源に成長しており、「ハコベル」を第二の成長エンジンとするべく投資を今後積極化していく予定。同証券では26年7月期の営業利益を18年7月期比111倍の103億円になるとみている。

■サンバイオ <4592>  10,560円 (+860円、+8.9%)

 サンバイオ <4592> [東証M]の上げ足が止まらない。9日で4連騰となり昨年12月4日の上場来高値を更新、未踏の1万円大台乗せを果たした。開発中の脳神経再生細胞薬「SB623」は脳内の神経組織に投与して自然な再生機能を誘発し、その結果運動機能を回復させる効用が見込める画期的新薬として、マーケットの期待が大きい。株価は2017年9月の時点では1500円近辺で推移していた。約1年4ヵ月で株価は約7倍に大化けしたことになる。時価総額は5000億円を突破し、同社が上場するマザーズ市場のなかで2位のメルカリ <4385> [東証M]に大差をつけて断トツとなっている。

■JCRファーマ <4552>  5,520円 (+440円、+8.7%)

 東証1部の上昇率5位。JCRファーマ <4552> が大幅高で4日続伸。商用化の段階に入りつつある再生医療分野に再び光が当たっているが、iPS細胞や遺伝子治療のほか、サンバイオで注目された細胞医薬品分野にマーケットの視線が熱い。同社は遺伝子組み換え技術に優れ、ホルモン製剤で実績が高いが、再生医療分野では健康な人の骨髄から抽出した間葉系幹細胞を使った「テムセル」を市場投入しており、需要開拓が進んでいる。業績も13年3月期以来、前期まで6期連続で増収増益を続けるなど極めて好調。PERはやや高いものの成長期待を株価は織り込む途上にある。バイオ関連株人気が盛り上がるなか、実態の良さに着目した買いが継続している。

■エムスリー <2413>  1,680円 (+127円、+8.2%)

 東証1部の上昇率7位。エムスリー <2413> が急反発。8日に発表した「LINE <3938> とオンライン医療事業を展開する合弁会社LINEヘルスケアを設立」が買い材料視された。

■新明和工業 <7224>  1,408円 (+90円、+6.8%)

 新明和工業 <7224> が3日続伸。8日の取引終了後、従来18円を予定していた19年3月期の期末配当について、1円増額して19円にすると発表しており、これを好材料視した買いが入った。なお、年間配当は37円となる予定だ。また、20年3月期に創立70周年及び創業100周年を迎えることを記念して、20年3月期の中間配当で45円の記念配当を実施する方針をあわせて発表した。19年10月開催予定の取締役会に付議し最終決定するとしている。

■アルヒ <7198>  2,159円 (+131円、+6.5%)

 アルヒ <7198> が急反発。東海東京調査センターが8日付で、投資判断「アウトパフォーム」を継続し、目標株価を3100円に設定したことが好感された。同社は、フラット35をFC店舗を中心に販売する住宅ローン専門会社。同センターでは、19年3月期業績予想を会社側の営業収益224億円、税引前利益61億円に対して、営業収益230億円(前年比12.6%増)、税引前利益62億円(同19.3%増)を予想。FC中心に拠点網の拡大に伴うフラット35のオーガニック成長に、オリジナル商品(新商品含む)や提携銀行の変動金利商品の販売伸長が寄与すると見込んでいる。

■大日本住友 <4506>  3,840円 (+230円、+6.4%)

 大日本住友製薬 <4506> が続急伸。3800円台に歩を進め、昨年12月中旬以降のもみ合い圏を上放れてきた。脳神経系再生細胞薬「SB623」の開発を手掛けるサンバイオが物色人気を集めており、9日は初の1万円大台に乗せ、時価総額も5000億円を突破した。再生医療分野に早くから経営資源を投入する大日住薬はサンバイオの株式5%超を保有する大株主であるとともに、サンバイオとは協業でSB623の開発を進捗させている。サンバイオ株上昇に伴う含み益拡大に加え、脳神経再生細胞薬に対するマーケットの期待も反映されている。

■不二製油G <2607>  3,610円 (+210円、+6.2%)

 不二製油グループ本社 <2607> が急反発。岩井コスモ証券は8日、同社の投資判断を従来の「B+」から「A」へ、目標株価を3900円から4200円へそれぞれ引き上げた。19年3月期上期決算は採算重視の販売で減収営業増益となったものの、米チョコレート製造企業(Blommer社)買収費用の発生で通期営業利益は前期比で横ばいとみている。ただ、買収によって川上分野を確保できるうえに、得意とする油脂技術の導入や原料調達面の統合などで同社グループにおけるシナジーが見込めるとしており、20年3月期から業績寄与することにより大幅増益が期待できるとみている。同証券では、19年3月期連結営業利益が205億円(会社予想213億円)、20年3月期が240億円になる見通しを示している。

■パルHD <2726>  2,901円 (+135円、+4.9%)

 パルグループホールディングス <2726> が大幅反発。8日大引け後に発表した19年2月期第3四半期累計(3-11月)の連結最終利益が前年同期比20.3%増の39.8億円に伸びて着地したことが買い材料視された。積極的なブランドプロモーションや機動的な商品投入が奏功し、衣料事業の売上高が前年同期比8.4%増加したうえ、雑貨事業も27店舗出店し増収を確保したことが寄与。固定資産売却益や受取補償金を計上したことも最終利益を大きく押し上げた。

■安川電機 <6506>  2,736円 (+103円、+3.9%)

 安川電機 <6506> 、キーエンス <6861> 、ファナック <6954> がいずれも3日続伸と上値追い。米中貿易協議を巡っては、トランプ米大統領のツイッター投稿などを受け両国の間で落としどころを探る交渉が進んでいるとの思惑が高まった。貿易摩擦問題に対する不安心理の後退を背景に、中国向け売上比率の高い機械セクターへの買いが続いている。なお、安川電はあす10日に18年3-11月期決算を発表する見通しで、中国関連株全般の動きを左右する公算も大きいだけにマーケットの関心が高い。

■FDK <6955>  1,006円 (+36円、+3.7%)

 FDK <6955> [東証2]が3日続伸。9日付けの日経産業新聞で、「次世代電池の本命とされる『全固体電池』の事業化を急ぐ。指先にのる小型のチップ型電池のサンプル出荷を始めた」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、同社が開発した全固体電池は、長さ4ミリメートル、高さと幅が2ミリのサイズで、電子部品のように装置に組み込めるという。また、20年以降の本格立ち上げをにらんで専門組織を発足したとあり、他社に先駆けてサンプル出荷を始めることで、シェア獲得を狙う考えのようだ。

■武田 <4502>  4,200円 (+115円、+2.8%)

 武田薬品工業 <4502> が商いを膨らませ4日続伸と戻り足を強めているほか、医薬品セクター全般に買いが目立つ。市場では「武田薬は証券会社の強気のレーティングや目標株価が相次いでいるほか、アイルランドの製薬大手シャイアーの買収ではここ最近の円高・ポンド安で買収負担額が軽減されるとの思惑がポジティブ材料」(国内ネット証券アナリスト)としている。また、医薬品株全般への買いが勢いを増していることについて、「昨年年末にかけて米中貿易摩擦の影響を受けにくいセクターにもかかわらず、機関投資家経由の大口の売りが目立った。直近は米株市場でバイオ関連株が切り返しに転じていることで、その流れが東京市場にも波及した」(同)という見解を示している。

■LINE <3938>  4,030円 (+110円、+2.8%)

 LINE <3938> が4日続伸。8日の取引終了後、エムスリー <2413> とオンライン医療事業を目的とした共同出資会社「LINEヘルスケア」を4日に設立したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。新会社は、「LINE」の国内月間利用者数7800万人のユーザーベースと、エムスリーグループの「m3.com」における日本の臨床医の約9割にあたる27万人以上の医師会員、日本の薬剤師の半数超にあたる16万人以上の薬剤師の会員基盤と医療分野における知見やノウハウを生かし、「LINE」を活用した医療に関するQ&Aや遠隔健康医療相談、オンライン診療をはじめとするオンライン医療事業を展開するという。まずは19年中に遠隔健康医療相談サービスの開始を予定しているほか、法整備の進展を見ながら「m3.com」の薬剤師会員基盤を活用した処方薬の宅配サービスなども検討するとしている。なお、新会社の出資比率はLINE51%、エムスリー49%でLINEの連結子会社となる。

■コカBJH <2579>  3,290円 (+90円、+2.8%)

 コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス <2579> が反発。8日の取引終了後、4月1日出荷分から一部の大型ペットボトル製品を値上げすると発表しており、採算改善への期待から買われたようだ。値上げの対象となるのは、「コカ・コーラ」「ファンタ」の1.5リットル及び2リットルペットボトルや、「アクエリアス」「綾鷹」「爽健美茶」の2リットルボトル、更にゼリー飲料「ミニッツメイド ぷるんぷるん」「Qoo(クー)」などで一律20円値上げする。会社側では、物流費の高騰に加えて原材料価格も上昇を続けており、企業努力だけでは吸収が困難になってきたことが値上げの要因としている。

■アステラス <4503>  1,523.5円 (+40.5円、+2.7%)

 アステラス製薬 <4503> が3日続伸。9日の寄り前に、米アムジェンとの合弁会社アステラス・アムジェン・バイオファーマと日本で共同開発を進めてきたヒト抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤イベニティについて、骨折の危険性の高い骨粗鬆症の治療薬として、世界各国に先駆けて厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表しており、これを好感した買いが入った。イベニティは骨形成促進剤で、骨形成促進と骨吸収抑制の両作用により、骨密度(BMD)を増加させ、骨折リスクを低下させる作用を持つ。また現在、米国食品医薬品局(FDA)及び欧州医薬品庁(EMA)でも販売許可申請について審査中で、各規制当局との連携も継続中としている。

■マクドナルド <2702>  4,910円 (+130円、+2.7%)

 日本マクドナルドホールディングス <2702> [JQ]は4日続伸。8日の取引終了後に発表した12月度の月次動向で、既存店売上高が前年同月比8.8%増と37ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。毎年冬の風物詩として人気の「グラコロ」シリーズとして「超グラコロ」と「濃グラコロチーズフォンデュ」の2種類を販売したことが寄与。また、サイドメニューのチキンマックナゲットでクリスマスと正月用のキャンペーンを実施し、パーティ用の特別サイズと2種類の期間限定ソースを投入したことも好評だった。

■ABCマート <2670>  6,210円 (+160円、+2.6%)

 エービーシー・マート <2670> が反発。8日の取引終了後に発表した12月度概況で、既存店売上高が前年同月比6.1%増と2ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前年と比べて祝日が1日多かったことに加えて、北日本を中心とした降雪需要や新年へ向けた買い替え需要が好調に推移。商品別では防水防寒系シューズのほか、引き続きスポーツシューズ、キッズシューズ、アパレルの販売が好調だった。なお、全店売上高は同7.8%増だった。

■アルペン <3028>  1,788円 (+46円、+2.6%)

 アルペン <3028> が反発。9日午後1時ごろ、300人程度の希望退職者の募集を行うと発表。来期以降の収益力強化につながるとの見方から買いが入ったようだ。対象となるのは、19年3月20日時点で同社および子会社ジャパーナに在籍する45歳以上64歳未満の社員で、募集期間は2月4日から2月20日まで。応募した退職者に対しては規定に基づく退職金に加えて、特別加算金の支給を行うとしており、19年6月期第3四半期に特別加算金および再就職支援費用を特別損失として計上する予定としている。

■セイノーHD <9076>  1,468円 (+37円、+2.6%)

 セイノーホールディングス <9076> は反発。PER14倍台、PBR0.7倍台と株価指標面では割安で、東証信用倍率も0.21倍の売り長状態にある。同社は昨年11月9日、19年3月期通期連結業績予想の上方修正を発表した。売上高は6020億円から6160億円(前期比3.3%増)へ見直したほか、経常利益は308億円から338億円(同16.1%増)へ、最終利益を196億円から210億円(同4.8%増)へ増額した。傘下の西濃運輸での輸送事業の単価是正が業績に寄与するほか、新規荷主の獲得を始めとする取扱貨物の増加も貢献する。

■ベネ・ワン <2412>  3,485円 (+85円、+2.5%)

 ベネフィット・ワン <2412> が3日続伸。昨年12月27日にマドを開けて買われて底値圏離脱、その後も目先筋の売りを吸収して上値追い態勢を強めている。安倍政権が掲げる「働き方改革」では、福利厚生や保険指導の代行サービスを提供する同社にとってもビジネスチャンスにつながっている。同一賃金同一労働への対応でも福利厚生サービスの需要拡大が促され、19年3月期営業利益は大口案件の受注効果で前期比21%増の75億円が見込まれている。20年3月期についても会員数の増勢は続き、市場では2ケタ増益基調がキープされるとの見方が強い。

■楽天 <4755>  798円 (+15円、+1.9%)

 楽天 <4755> の上値追いが続いている。同社は8日取引終了後、台湾での銀行業参入を目指し、台湾の金融会社であるウォーターランド・フィナンシャル・ホールディングスと合弁会社を設立することを発表した。金融事業の海外展開により業容拡大への期待が高まり、目先筋の買いを誘導した。

※9日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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