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【特集】反転上昇相場で活躍期待、「業績・指標・需給」で絞り込んだ“3拍子銘柄”を狙え!<株探トップ特集>

8日の日経平均は堅調な米国株や為替の円安を味方につけ続伸。投資意欲が改善傾向にあるなか、株価水準訂正が有望な銘柄群を追った。

―東京市場の体感温度上昇に合わせ、ここから新たに浮上する好業績・割安・好取組銘柄に照準―

 8日の東京株式市場は、前日の米株式市場でNYダウ平均株価が続伸したことに加え、後場に入って東京外国為替市場で、1ドル=109円ちょうど近辺へと円安・ドル高が進行したことも好感され、日経平均は一時前日比300円を超える上昇幅となり、終値は同165円07銭高の2万204円04銭で着地した。株式市場は、不安定さを残しながらも徐々に投資意欲が改善に向かいつつある。そうしたなかで、反転上昇相場での活躍期待候補として“好業績、割安、好取組”の条件が揃った銘柄に注目した。


●福山通運、貨物輸送量の底堅さと運賃改定の進捗が寄与

 福山通運 <9075> は昨年11月8日、19年3月期通期連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を2765億円から2818億円(前期比5.2%増)へ、経常利益を183億円から202億円(同25.3%増)へ、最終利益を122億円から135億円(同26.6%増)へそれぞれ増額した。第2四半期連結累計期間の業績で、売上高は貨物輸送量の底堅さと運賃改定の進捗が想定以上で推移した。また、営業利益、経常利益、最終利益についても、労働力不足に対処するための外注人件費や、燃料価格の上昇などコスト増加を補って、それぞれ当初予想数値を上回った。通期の業績については、第2四半期累計期間の業績を踏まえ見直しを行った結果、前回発表予想を上回る見込みとなった。

●コメリ、上期経常利益の対通期進捗率は65.7%と堅調

 コメリ <8218> が昨年10月30日に発表した19年3月期第2四半期累計(4-9月)連結決算は、売上高1800億5400万円(前年同期比2.3%増)、経常利益123億5200万円(同7.8%増)、純利益82億4100万円(同8.4%増)の増収増益となった。通期予想の経常利益188億円に対する上期実績の進捗率は65.7%に達している。上期はパワー(大規模)業態4店舗やホームセンター業態2店舗(ハードアンドグリーン業態からの転換)、ハードアンドグリーン業態3店舗を出店(閉店6店舗)したことに加えて、新たな開発商品の導入や、EDLP(Everyday Low Price=特売日など特定日だけでなく一貫した低価格戦略)政策を推進したことにより、工具や建築資材などの販売が堅調に推移している。また、既存店の活性化として取り組んだ店舗改装の効果が売上高の下支えとなり、既存店売上高が前年並みに推移したことも寄与している。

●マックス、鉄筋結束機などインダストリアル機器が全社売上高を牽引

 マックス <6454> は昨年10月26日、19年3月期通期の連結利益予想の上方修正を発表した。経常利益を65億5000万円から69億円(前期比13.6%増)へ、最終利益を46億円から48億円(同3.1%増)へそれぞれ増額した。ただし、売上高は704億円(同3.3%増)で据え置いた。下半期の経済環境は、国内新設住宅着工戸数の減少、鋼材や石油製品など原材料価格の上昇が想定されるものの、第2四半期累計期間の業績が順調に進捗したことを考慮して、通期業績予想を修正した。鉄筋結束機「ツインタイア」の販売が国内外で増加するなど、インダストリアル機器部門が全社売上高を牽引している。

●セントラル硝子、医薬品関連製品の販売が高成長

 セントラル硝子 <4044> が昨年10月31日に発表した19年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結経常利益は、前年同期比65.3%増の54億9600万円に拡大し、従来予想の39億円を上回って着地した。通期予想の経常利益90億円(前期比42.2%増)に対する進捗率は61.1%に達しており、業績上振れへの期待感が高まっている。利益柱の化成品事業で、全身吸入麻酔剤原薬「セボフルラン」など医薬品関連製品の販売が大きく伸びたことが寄与している。

●グローリー、国内の金融市場向け更新需要が拡大

 グローリー <6457> が昨年11月6日、第2四半期累計(4-9月)連結決算を発表した。売上高は1095億8700万円(前年同期比5.0%増)、経常利益は69億1300万円(同45.3%増)、純利益は38億2200万円(同87.3%増)と大幅増益となった。金融市場で「オープン出納システム」や、窓口用「紙幣硬貨入出金機」の販売が好調なことに加えて、流通・交通市場でコンビニエンスストア向け「レジつり銭機」や警備輸送市場向け「売上金入金機」の販売が順調に推移していることが業績向上を牽引している。

●建設技術研究所、国内コンサルタント事業が好調

 建設技術研究所 <9621> は昨年11月8日、18年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結決算を発表した。経常利益は23億6900万円(前年同期比54.0%増)となり、通期計画29億5000万円(前期比18.0%増)に対する進捗率は80.3%に達している。売上高は440億2700万円(同26.4%増)で着地した。ICT活用による建設生産システム全体の生産性向上などから国内コンサルタント事業が好調なほか、前期にグループ化した英ウォーターマングループの業績も寄与し、第3四半期累計の受注高は490億7800万円(同20.3%増)に達している。

●黒崎播磨、加熱炉の補修や築炉などファーネス事業が好調

 黒崎播磨 <5352> は昨年10月31日、19年3月期通期の連結業績予想について、売上高を1390億円から1430億円(前期比15.3%増)へ、経常利益を110億円から113億円(同25.7%増)へ、純利益を72億円から73億円(同29.1%増)へ上方修正した。主力の耐火物は、国内での堅調な需要や海外での拡販が見込まれることから、売上高が計画を上回る見通し。また、海外子会社の利益増や、加熱炉補修案件を始めとする大型案件の増加などによる利益率改善で、ファーネス事業のセグメント利益の増加などが見込まれることが寄与する。

●セイノーHD、単価是正や新規荷主獲得による取扱貨物の増加が貢献

 セイノーホールディングス <9076> は昨年11月9日、19年3月期通期連結業績予想の上方修正を発表した。売上高は6020億円から6160億円(前期比3.3%増)へ見直したほか、経常利益は308億円から338億円(同16.1%増)へ、最終利益を196億円から210億円(同4.8%増)へ増額した。傘下の西濃運輸での輸送事業の単価是正が業績に寄与するほか、新規荷主の獲得を始めとする取扱貨物の増加も貢献する。

◆主な低PBR、好取組、好業績銘柄◆
                     経常
銘柄 <コード>       PBR 信用倍率 増益率  株価  PER
日本道路 <1884>      0.68  0.27  13.9  5980   9.6
東京エネシス <1945>    0.55  0.46  21.7   955   9.0
ツカダGHD <2418>    0.81  0.36  14.8   588   9.3
J-オイルミルズ <2613>  0.74  0.59  12.9  3900  14.9
飯田GDP <3291>     0.75  0.18  28.4  1917   6.2
セントラル硝子 <4044>   0.51  0.67  42.2  2232  14.6
黒崎播磨 <5352>      1.08  0.99  25.7  7020   8.1
オークマ <6103>      1.03  0.44  17.3  5160   9.5
平和 <6412>        0.99  0.83   2.0倍 2281  12.9
マックス <6454>      0.96  0.39  13.6  1404  14.4
グローリー <6457>     0.80  0.78  13.9  2532  12.8
キッツ <6498>       1.06  0.44  12.0   838  11.3
日東工業 <6651>      0.90  0.82  22.7  1843  17.8
太平洋工業 <7250>     0.87  0.94  10.7  1381  11.0
コメリ <8218>       0.72  0.26  10.0  2464  10.7
福山通運 <9075>      0.84  0.13  25.3  4160  15.5
セイノーHD <9076>    0.71  0.21  16.1  1431  13.9
ブックオフGHD <9278>  0.99  0.97  46.5   757  10.2
近鉄エクスプレス <9375>  0.97  0.58  19.3  1649  11.3
建設技術研究所 <9621>   0.77  0.64  18.0  1518  12.6
※株価は8日終値、単位:倍、%、円


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