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【特集】NYダウ「1月効果」急浮上の確度 正念場の決算発表近づく<株探トップ特集>

昨年12月のNYダウは1931年大恐慌時以来の月間下落率。1月の株高アノマリーに期待したいところだが、ここから本格化する決算発表にマーケットの視線は釘づけとなる。

―“アップルショック”を底に醸成された反騰機運、先行き強弱感対立も―

 昨年秋以降、波乱基調を強めていた米株式市場に反発期待が膨らんできた。米国には例年1月の株価は上昇する「1月効果」という言葉がある。果たして、今年も米国市場に一段の株高は訪れるのか。折しも今月中旬以降、米国企業の決算が本格化する。市場からは「今回の決算発表は米国市場を見るうえでの正念場となる」との声が多い。その一方で「今月のアップルショックが底となる」との期待も強まっている。米国市場の行方を探った。

●NYダウは昨年秋から一時2割下落、世界景気減速など警戒

  NYダウは8日、前日比256.10ドル高の2万3787.45ドルと3日続伸。昨年12月19日以来となる3週間ぶりの水準に値を戻し反発基調を強めている。米株式市場は昨年秋以降、下げ相場に突入。NYダウは10月3日に2万6951.81ドルの最高値を付けた後、12月26日には2万1712.53ドルと約20%下落し弱気相場となった。特に、12月は1ヵ月間で約17%の急落を演じた。これは12月としては大恐慌時の1931年以来となる歴史的な下落として話題を集めた。この株安の要因としては「米国や中国を含む世界的な景気減速懸念」、「米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め観測」、「米中貿易摩擦の激化懸念」などが挙げられている。

●パウエルFRB議長の発言契機に反騰相場に

 これら懸念要因のうちFRBの金融政策に関しては、パウエル議長が4日に「金融政策を柔軟に見直す」と発言。金利引き上げの一時中止観測も浮上したことで、足もとの株価反発の発火点となった。また、米中貿易摩擦では、2月末を期限とする協議に入っており、この間に合意がなければ米国は中国製品に対する制裁関税は25%へ引き上げる見通しだ。同協議に関して、不透明要因は多いが、トランプ大統領が米中貿易協議を「非常にうまくいっている」とツイッターに投稿したことなどが期待感を生んでいる。

 一時に比べ、米国市場を取り巻く警戒材料は薄らいだ状態にも見える。しかし、「今後の株価反騰が継続するかどうかの大きなポイント」(アナリスト)となるのが、今月中旬から本格化する10~12月期の米企業決算発表だ。

●19年米企業の増益率は1ケタ増へ減速か、製造業の業績など警戒感

 米国の景気は依然、堅調で雇用はひっ迫し、個人消費も伸びている。その一方、海外需要の減速懸念は強くグローバル企業を中心に業績の伸び悩みが懸念されている。その象徴となったのが、2日に発表された米アップルによる業績予想の下方修正だ。中国での販売不振などを背景にした業績の下振れが嫌気され、3日のアップルの株は急落。「アップルショック」とも呼ばれる世界的な株価下落を引き起こすことになった。

 市場には、S&P500種の18年の増益率は20%を超していたのに対し、19年は7%前後の増益にとどまるとの観測が強まっている。この企業業績の減速観測がPERの低下による株価下落につながっている。とりわけ、「半導体など米製造業の業績動向への注意は必要」との声が強い。

●14日のシティグループ皮切りに決算シーズン突入

 そんななか、米国市場は14日の米銀大手のシティグループによる業績発表を皮切りに、決算シーズンに突入する。具体的には、15日にJPモルガン・チェース、16日にアルコア、ゴールドマン・サックス、17日にネットフリックス、半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)、28日にキャタピラー、29日にアップル、スリーエム、30日にフェイスブック、31日にアマゾン・ドット・コム、2月4日にアルファベット(グーグル)といった具合に決算発表が予定されている。特に、FAANG(ファイスブック、アマゾン・ドット・コム、アップル、ネットフリックス、アルファベット<グーグル>)の決算内容などは注目を集めそうだ。

●年央にかけ最高値更新期待も、アップルの自社株買いなど期待

 今後のNY市場の動向に関しては強弱感が分かれている。マネックス証券マーケットアナリストの益嶋裕氏は「米中貿易摩擦は、両国による覇権争いにも絡むもので簡単に終わりそうにない。また、米国と中国の景気後退も懸念され業績面の不安はやはり強い」と見ており、当面のNYダウは2万2000~2万4500ドルのレンジ相場を見込んでいる。

 一方、フィリップ証券の庵原浩樹リサーチ部長は「アップルショックで業績の悪化は大分織り込んだ。今後はパウエルFRB議長の金融政策の方針転換も効いてくる。世界経済の成長見通しも春先には上方修正されることが期待できる」と指摘。昨年末から年初が“陰の極”で、NYダウは年央にかけて昨年秋の最高値更新も見込めるとみている。今月末のアップルの決算では自社株買いなどの発表も期待されている。果たして、米株式市場は本格復活するのか。米企業決算が本番を迎える、ここからが焦点となる。


 ◆米企業の決算発表予定◆
1月 14日  シティグループ
   15日  JPモルガン・チェース
   16日  アルコア、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス
   17日  ネットフリックス、TSMC
   22日  ジョンソン&ジョンソン、IBM
   23日  ラムリサーチ、プロクター&ギャンブル、ザイリンクス
   24日  インテル、スターバックス
   28日  キャタピラー
   29日  アップル、スリーエム、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ
   30日  フェイスブック、ボーイング、マイクロソフト、マクドナルド
   31日  ダウ・デュポン、アマゾン・ドット・コム
2月  1日  エクソン・モービル、メルク
   4日  アルファベット(グーグル)
(注)予定は変更されることがあります

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