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【市況】医大の「不正」入試問題~投資の学校(高井ひろえ)


こんにちは、フィスコマーケットレポーター高井ひろえの「投資の学校の気になるレポート」です。投資の学校プレミアムの専属講師である矢口新先生のコラムについて興味深い記事を見つけましたのでご紹介いたします。通常、同コラムではトレードをしていく上での基本的な手法や市況についてのレポートをご紹介していますが、今回は時事問題についてです。

本日ご紹介するコラムでは、矢口先生が『医大の「不正」入試問題』という記事で、同問題の本質について指摘しています。報道によると、『東京都新宿区にある、東京医科大学が、女性受験生や浪人生を対象に、不利になる得点調整を行っていた』とのこと。このような不正を行っていた理由として『学校側によれば「普通高校の現役男子卒業生が、最も後々の戦力となるから、優先入学させていた」』ということでした。矢口先生は『労働力としての使い勝手が最優先の考え方で、選抜基準としてはあまりにもお粗末です』と述べる一方で、『本当の問題はそこではありません』と語ります。

本当に問題なのは、『学校側が考える利益を得るために、虚偽の公募資料を作成し、誰からも一律に入学受験料を徴収していること』と指摘します。損害賠償についても、受験料や受験にかかった交通費や宿泊費にとどまらず、『合格点をとれていたのに医者になることをあきらめざるをえなかったり、自信をなくして体を壊してしまった』といいった場合も考えると、『本当の損害はそんな金額では収まらないでしょう』と述べています。

最後に、『今回の事件で浮彫になったのは、若年層の夢と意欲を踏みにじる、「自己の利益」のみを考えた、教育者側の身勝手なふるまいでしょう』と締めくくっています。

特定の条件の受験者に不利な得点調整をすると明確になっていたならば、該当校を受験しないという選択肢をとることもできるはずです。

同大学のような不正が行われていることにより、他の医学部の受験生も受験校の開示情報が正しいのかどうか疑心暗鬼になってしまうと思います。本来は受験科目の勉強に専念したいはずなのに、女性や浪人生だけがそのようなことに神経を使わなければいけなくなってしまいます。後の報道によると、東京医科大が過去2年分の入試結果を調査したところ、一般入試と推薦入試で計約100人が不正に不合格となっていたことが明らかになったそうです。希望者については入学を認める方針とのこと。同不正が明らかになったことをきっかけに、透明性のある情報開示がされるような機運が高まっていってほしいと思います。

上記の記事の詳細コメントは、株式会社ファイナンシャルインテリジェンスが運営している「投資の学校プレミアム」の11月1日付のコラムである『医大の「不正」入試問題』にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

高井ひろえの「気になるレポート」は各種レポートを高井ひろえの見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合がありますので、ご留意くださいませ。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ

《HT》

 提供:フィスコ

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