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【特集】爆速上昇リベンジ相場! 変身前夜の「小型材料株」10番勝負 <株探トップ特集>

台風一過で新興市場にもリベンジの季節が訪れている。ここから年末に向けたストラテジーの急所となる小型株投資とは――。

―“好業績+株高思惑”内包の「急騰候補株30銘柄」リストも一挙掲載―

 東京株式市場は相変わらずハイボラティリティな展開が続いている。日経平均株価は8日に400円高と大幅に上昇し、滞留出来高が多く心理的なフシ目ともなっていた2万2500円ラインを突破、強気相場復活の鐘を鳴らしたかにも見えた。しかし、翌9日はアジア株安を横目に週末特有の手仕舞い売りが出てあえなく反落。前日比236円安の2万2250円まで水準を切り下げ、前日上昇した分の半分以上を吐き出して今週の取引を終えた。

●我が道を走る小型材料株は「株高思惑」が命

 株式市場では、「ビッグイベントである米中間選挙通過後は不透明感が払拭される」というシナリオ通りの展開が待っていた。とはいえ、依然として先物を絡めたアルゴリズム売買に翻弄されている感は否めない。古くから“相場は生き物”といわれるが、機械が高速で繰り出す売買注文は、道理から離れた無機質な上下動をもたらしており、これに手を焼く投資家も多いのではないか。決算発表は現在ピークを迎えているが、時価総額の大きい主力株は決算を好感して買われてもその日だけのケースが少なくない。日付が変われば何事もなかったかのように再び全体指数に連動したインデックス買いの歯車に戻る。

 しかし、小型材料株はその範疇にはない。全体相場の地合いに左右されない“我が道”を走り続ける銘柄も多く存在する。もちろん背景には好調な業績がベースにあるが、それだけではない。強力な上昇トレンド形成には、今の業績数字に反映されていないプラスアルファが潜在している。ひとことで言えば「株高への思惑」であり、これは人工知能(AI)では追随できない個人投資家の特権ともいえる領域だ。

●新興市場の小型株で爆速リベンジを狙う

 例えば、9月8日配信の株探トップ特集「サイバー・5G・クラウド『テクノロジー3大戦略エリア』で化ける株10選」において筆頭で紹介したエンカレッジ・テクノロジ <3682> [東証M]は取り上げる直前の終値が1085円。そこから2ヵ月後の今週末(11月9日)の終値が1820円。直近は大勢2段上げとなり、約67%の上昇パフォーマンスを達成した。サイバーセキュリティー関連が相場の物色テーマとして浮上するなか、同社は内外のセキュリティー脅威から重要システムを守る特権ID管理ソフトウェア「ESS AdminControl」最新バージョン1.6の販売を8月末から開始、足もとの業績変化率の高さも際立っておりマーケットの注目を浴びた。

 同社株は既に覚醒して現在進行形で上値を試しているが、これから“上昇スイッチ”が入る好実態銘柄も小型株セクターにはまだ数多く眠っている。また、マザーズジャスダックなどの新興市場は東証1部よりも下げがきつく、10月相場では今年最強クラスの向かい風に晒されたといってもよい。しかし、足もとは台風一過に伴い今年最大のチャンスが巡っているともいえる。

 ここから年末に向け個人投資家にとってはリベンジの季節となる。急騰銘柄の宝庫である小型材料株を攻めるなら今だ。今回は、株価変身妙味を内在させる小型テーマ株を30銘柄厳選。さらに、そのうちリベンジモードの新興市場からとりわけ有望とみられる10銘柄を個別に紹介する。

●株価変身をかけた10番勝負はこの銘柄群に託す

【国際チャートは“爆速チャート”形成か】

 国際チャート <3956> [JQ]は上げ足の速さに特長がある。8月末から9月初旬にかけてストップ高を交え454円の高値に吹き上げた。しかし、過去に遡るとその上昇速度と天井の高さはレベルが異なり、2004年の春先には3300円まで駆け上がった実績を持つ。ICタグ関連(セルフレジ関連)の一角として人気素地を内包するだけに妙味がある。業績も堅調だ。電力業界向けを主力とする計測用記録紙大手で、スーパーや通販向けラベル事業や、医療分野向けでは医療用記録紙・医療ラベルにも展開する。ちょうど1年前に同社を買収したナカバヤシグループとの協業体制が功を奏し、18年4-9月期は営業利益段階で前年同期比5割増と高伸長、19年3月期通期15%増益見通しは進捗率から上振れも視野に入る。

【クレオはRPA関連で再びオンザステージへ】

 クレオ <9698> [JQ]も上値期待が大きい。全体相場に引きずられた急な調整も10月30日の寄り付きに900円を割り込んだ後、大引けは1000円台で引ける大陽線を示現して劇的なトレンド転換を果たした。ここ戻り足に弾みがついており、継続的な資金流入を物語る。法人向けソフト開発受託と業務効率化を担うERPソフトの販売を主力としている。注目されるのはRPAテクノロジーズの「BizRobo!」を活用したサービスを展開するなど、急速に市場が拡大するRPA分野にも傾注した経営戦略を進めていること。RPA関連のテーマに乗るほか、業績も絶好調。19年3月期営業利益は5億7000万円と前期比4割の伸びを見込むが一段の上方修正余地がある。

【底入れ初動のITMはソフトバンク系最強穴株】

 アイティメディア <2148> [東証M]は5日・25日移動平均線のゴールデンクロス示現で底入れ反騰色を強めており、早晩8月下旬の戻り高値780円を上抜く強調相場へと発展する可能性がある。ソフトバンクグループに属しIT系のネットメディアを運営して広告収入を収益の原動力としている、最近は「ねとらぼ」など非IT系メディアが急成長し業績拡大を後押ししている。4月に設立したソフトバンク系企業との合弁会社「アイティクラウド」はクラウド製品をはじめとするIT製品のレビューメディア事業を米国企業などと連携し、将来的な業容拡大の足場とする。

【医学生物はバイオ人気で大底からのまくり期待】

 医学生物学研究所 <4557> [JQ]は“サンバイオ効果”でバイオベンチャー関連に物色の矛先が向くなかで動意含み。依然、底値圏に位置する時価は狙い目だ。がん関連検査試薬や自己免疫疾患検査薬など難病領域に強みを持っており、OEM製品でも新規案件を開拓。18年4-9月期は前年同期比2.4倍と大幅な伸びを示した。突飛高習性があり、4月には決算発表を受けてその資質をいかんなく発揮。上ヒゲながら500円高はストップ高で2560円の高値に買われた実績がある。時価はそこから3割近くディスカウントされた位置にある。19年3月期営業利益が前期比92%増益を見込んでいることもあり、再浮上のきっかけさえつかめれば意外な値幅効果をもたらす公算が大きい。

【IXナレッジは再び4ケタ大台活躍へ】

 アイエックス・ナレッジ <9753> [JQ]も仕込みチャンスだ。900円近辺は滞留出来高が多く目先は売り圧力も意識されているが、ここをクリアすれば4ケタ大台への復帰は早い。金融機関や通信事業者向けで優位性を発揮する独立系のシステム開発会社で、足もとの業績は絶好調。18年4-9月期営業利益4億1700万円と前期比8割近い伸びを達成している。ブロックチェーン技術の活用に向けた研究開発にも積極的に取り組んでいる。キャッシュレス決済絡みでは、メガバンクがブロックチェーンを使った高速の決済処理システム構築を推進、処理量を従来のカード決済システムから格段に高めるなどの技術開発が進んでいるが、同社はその一翼を担う可能性もある。

【働き方改革がフォローの風となるエイトレッド】

 エイトレッド <3969> [東証M]は相場の物色テーマに沿う銘柄で1300円近辺のもみ合いは拾い場になっている公算大。26週移動平均線とのマイナスカイ離を解消しトレンド転換のチャンスだ。中小企業向けを主軸にワークフローソフトを開発、時流に乗りクラウドを活用したサービスで収益機会を高めている。ソフトの活用で業務効率化を図り、人的負担を軽くするという点では今の「働き方改革」のテーマに乗る。業績面でも16年3月期以降、今期予想を含め2ケタ増収・増益基調を続ける意外な高成長企業でもある。

【日ダイナミクはIT&駐輪場システム好調】

 日本コンピュータ・ダイナミクス <4783> [JQ]は10月29日の900円割れで大底確認、戻り一服の時価近辺は買いで報われそうだ。上値抵抗の26週移動平均線突破から、戻り本番の展開が読める。システム開発などのIT関連と駐輪場システムの2本柱。19年3月期営業利益は前期比21%増益の9億5000万円を見込んでいる。駐輪場システムは都市部での「シェアサイクル」普及が同社に商機をもたらす。中期計画で掲げる20年3月期営業利益目標10億円は8億円予想から引き上げたものだが、さらに上振れも。

【EV関連で再脚光の機が熟す菊水電子】

 菊水電子工業 <6912> [JQ]は薄商いだが、株価のボラティリティが高まると、それに合わせて出来高流動性を伴うため材料株妙味に富む。10月末にマドを開けて買われた後25日移動平均線上でもみ合い、再脚光を浴びるタイミングが近い。同社は電子計測器メーカーで直流電源装置に優位性を持っている。EV向け検査用などで商品競争力の高さを発揮しており、受注は拡大基調にあるが、今後世界的にEV市場が大きく成長していくなか、ビジネス環境は中期的にも追い風が強い。18年4-9月期営業利益は前年同期比2.2倍と顕著な伸びをみせた。

【KYCOMはIoTAIの追い風強力】

 KYCOMホールディングス <9685> [JQ]は400円手前で三角持ち合いを形成、目立たない銘柄ながら実際は時流に乗る有力テーマの真ん中に位置しており、大きく上放れる公算が大きい。システム受託開発を主力とするが、官公庁向けで受注を伸ばしているほか、IoTAIの普及を追い風に企業のIT投資需要を取り込んで新規案件を開拓している。データ関連サービス事業も貢献が期待されている。19年3月期は83%営業増益予想。前期の投資有価証券評価損計上の反動とはいえ最終利益は前期比3.4倍、PERは9倍に過ぎない。

【愛光電気は超ハイボラ銘柄で再発進待ち】

 愛光電気 <9909> [JQ]も抜群のボラティリティを誇るが、急騰・急落を経た時価近辺は再び買いのチャンスだ。電気機器や電設資材の卸で東京五輪関連特需が業績を後押し。通期予想は減益ながら、18年4-9月期営業利益は1億4600万円と前年同期比4割以上の伸びをみせ、通期も上振れる可能性。外国人労働者の受け入れ拡大政策が推進されれば、建設関連の人手不足に伴う労務コスト上昇も解消に向かい同社に追い風となる。10月15日に5350円まで一気に買われ、その後調整を入れて同月18日には5430円の高値をつける暴れ馬のような展開をみせた。10月29日には2501円の安値と完全な“往って来い”相場となったが、短期回転売買中心で上値にシコリはなく、再発進のタイミング待ち。


◆株価変身前夜の小型材料株特選30◆
銘柄 <コード>   ここからの上値期待度
 田辺工業 <1828>    ☆☆☆
 南海辰村建設 <1850>  ☆☆☆☆
◎ITメディア <2148>  ☆☆☆☆☆
 ジェイテック <2479>  ☆☆☆☆
 高千穂交 <2676>    ☆☆☆
 テンポイノベ <3484>  ☆☆☆☆
 イーブック <3658>   ☆☆☆
 エンカレッジ <3682>  ☆☆☆
◎国際チャート <3956>  ☆☆☆☆☆
◎エイトレッド <3969>  ☆☆☆☆☆
 マナック <4364>    ☆☆☆☆
 カイノス <4556>    ☆☆☆☆
◎医学生物 <4557>    ☆☆☆☆☆
 ID <4709>      ☆☆☆
 早稲アカ <4718>    ☆☆☆☆
◎日ダイナミク <4783>  ☆☆☆☆☆
 オリコン <4800>    ☆☆☆
 エスティック <6161>  ☆☆☆☆
 ニチダイ <6467>    ☆☆☆☆☆
◎菊水電子 <6912>    ☆☆☆☆☆
 アイレックス <6944>  ☆☆☆☆
 サノヤスHD <7022>  ☆☆☆
 リックス <7525>    ☆☆☆☆
 東京産 <8070>     ☆☆☆
 GSIクレオス <8101> ☆☆☆
 LCHD <8938>    ☆☆☆
◎IXナレッジ <9753>  ☆☆☆☆☆
◎KYCOM <9685>   ☆☆☆☆☆
◎クレオ <9698>     ☆☆☆☆☆
◎愛光電気 <9909>    ☆☆☆☆☆

(注)◎は個別に記事中で紹介している銘柄

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