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【特集】“新4K・8K衛星放送”開始まであと2ヵ月、新時代幕開けで関連株は <株探トップ特集>

12月1日に予定される新4K・8K衛星放送開始まで残り2ヵ月。関連株の動向を探った。

―対応チューナー商戦本番これから、恩恵は関連部材や工事ビジネスにも―

 12月1日に予定される新 4K・8K衛星放送の開始まで残り2ヵ月となった。2011年の地上デジタル放送への移行に続く一大イベントとあって、家電量販店やメーカーの期待は高い。総務省では東京オリンピック・パラリンピックが開催される20年までに「多くの視聴者が市販のテレビで4K・8K番組を楽しんでいる」ことを目標に掲げており、改めて関連銘柄を取り上げてみた。

●超高画質を実現する次世代映像規格

 4K・8Kとは、現行のハイビジョンを超える超高画質を実現する次世代の映像規格。Kは1000を表し、4Kは水平方向(横方向)に約4000画素、8Kは水平方向に約8000画素あることに由来している。4Kは水平方向の画素数がフルハイビジョン(2K)の2倍で、画面上の画素数はフルハイビジョンの4倍に当たる約829万画素。8Kは水平方向の画素数がフルハイビジョンの4倍で、画面上の画素数はフルハイビジョンの16倍に当たる約3318万画素となり、高精細で立体感・臨場感のある映像を楽しむことができる。

 総務省では14年9月に4K・8Kの実用放送に向けたロードマップを公表し、これに沿うかたちでNHKが16年8月から、放送サービス高度化推進協会(A-PAB)が同年12月から試験放送をスタート。17年1月には、18年12月以降にBSや110度CSで実用放送を開始する予定のNHKや民放キー局系5社を含む11社19番組の認定を行っている。

●ピクセラなど対応チューナー発売へ

 こうしたなか、家電量販店に並ぶ薄型テレビは、既にフルハイビジョンから4Kにシフト。電子情報技術産業協会(JEITA)が発表している民生用電子機器国内出荷統計では、薄型テレビに占める4Kテレビの比率が6月に初めて50%を超えた。ただ、現在販売されている4Kテレビは“4K対応”をうたったものが大半で、新4K・8K衛星放送を受信する機能は搭載されていない。A-PABが5月に公表した調査(対象5000人)によれば、チューナーが必要なことを知っているとの回答は13.0%、4Kテレビ所有者でも34.8%にとどまっている。対応チューナーの販売商戦はこれから本番を迎えることになり、10月以降に発売を予定するピクセラ <6731> [東証2]、パナソニック <6752> 、シャープ <6753> 、ソニー <6758> 、アイ・オー・データ機器 <6916> などが腕まくりして待ち構えている。

●アテクトはスペーサーテープを増産

 4Kテレビについても今後、各メーカーがチューナー内蔵テレビを続々と投入する見通し。11年特需(地デジへの切り替え)の際に販売されたテレビの買い替え、消費税増税前の駆け込み、東京オリンピック・パラリンピックの開催などもあり、国内需要が喚起されそうだ。そこで注目したいのが、薄型テレビなどに使われるスペーサーテープ(静電気の影響を防ぐテープ)を手掛けるアテクト <4241> [JQ]だ。4Kテレビの場合、スペーサーテープの使用量はフルハイビジョンテレビの2.7倍に達するとされ、同社は5月に生産能力の20%増強を表明している。

 また、ザインエレクトロニクス <6769> [JQ]の高速インターフェース技術「V-by-One HS」は、大半の4Kテレビで事実上の世界標準として活用されており、9月21日には8K映像向け次世代高速インターフェース「V-by-One US」搭載LSI評価サンプルの出荷開始を発表。山一電機 <6941> は既に、「V-by-One US」技術仕様に準拠した高速伝送コネクタを開発済みだ。

 このほか、日立化成 <4217> は8月6日、液晶ディスプレーの広色域化を実現する量子ドットフィルムが、米液晶ディスプレーメーカーであるVIZIO社製の4Kテレビに採用されたことを明らかにしている。

●シンクレイヤ、メディアリンクスにも注目

 4K・8Kの実用放送開始に向けた関連投資も活発化しつつあり、この恩恵を受ける企業も見逃せない。シンクレイヤ <1724> [JQ]にはケーブルテレビ局のFTTH(光ファイバーのみで構成された伝送路システム)への更改需要に伴う工事が前倒しで出ているほか、メディアリンクス <6659> [JQ]は今春に放送局内素材交換システムであるIPビデオルータシステムを東海テレビ放送(名古屋市)に納入。イワブチ <5983> [JQ]や日本アンテナ <6930> [JQ]も関連工事の需要拡大が期待できる。

 これ以外の関連銘柄としては、4Kなど独自の特許技術に裏付けされた各種の映像編集加工ソリューションを提供する子会社を持つルーデン・ホールディングス <1400> [JQG]、4K画像を高画質・低遅延で伝送する装置を手掛けるテクノマセマティカル <3787> [東証2]、放送局向け4K・8K対応カメラなど販売する池上通信機 <6771> 、4K・8K放送に対応した電波関連製品を取り扱うリーダー電子 <6867> [JQ]、4Kをはじめ高解像度パネルの各種ビデオインターフェースに対応した製品を開発・販売するメガチップス <6875> などにも商機がありそうだ。

 PALTEK <7587> [東証2]は9月12日、子会社のエクスプローラが不安定な伝送路でも映像データを伝送できる、秘匿性の高い4K対応 H.265/HEVCコーデックシステムを開発したと発表している。

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