【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ “鬼門”乗り越え浮揚する10月、続伸相場に乗る!
株式アドバイザー 北浜流一郎
「“鬼門”乗り越え浮揚する10月、続伸相場に乗る!」
●見事な舵取りをみせたパウエルFRB議長
9月相場は想定以上の上昇で終わった。7~8月の閑散展開を受けて、反動的な上昇が見込めるとの見方ではあったが、日経平均株価がV字型の急回復になるとは、である。
米中貿易戦争が激化し、日本に対しても米国から強い圧力がかかるだろう。こんな厳しい観測がなされている中での上昇だっただけに意味がある。
では、なぜこんな展開になったのか。
考えられるのは、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長による優れた米国の金融政策ということになろう。それはもちろんイエレン前議長の方針を踏襲したものであり、独自性が高いわけではない。 しかし、トランプ大統領によって敢えて任命されただけに、同大統領の意向を十分汲みながら米国経済の持続的な成長発展を目指す金融政策の手腕はなかなかのものだ。
特にそれが際立って感じられたのは、終わったばかりのFOMC(米連邦公開市場委員会)声明文で明らかになった今後の方針だ。
市場は予想されていた9月利上げが実施されたことで、思った通りだった、と大満足の様子だが、私が高く評価したいのは、現在実施中の「金融正常化=金利引き上げ策」を、20年には打ち止めにする方針を匂わせたことだ。
ほとんどの中央銀行は、利上げに転じた場合、それをいつまで続けるかを明確にすることはない。状況がどう変化するか読みにくい時代だけに、未来の方針を大まかにでも明らかにするのは賭けになる。
こう考えるからだが、金融政策を司る立場にある人物や機関は、ある程度未来をコントロールできることを考えると、条件付きで今後の方針を示すことはできるはずだ。パウエル議長はそれを行っていることになる。
●良好な流れに変化なし!
この場合、金利引き上げが上限なく続くと恐れずに済み、投資もしやすくなる。実際、現在の内外市場はそれを日々具現化しつつあり、10月に入ってもその流れは変わらないだろう。
ただ、10月は米国市場において過去幾度も暴落があった時期だけに、「鬼門」とはなる。そのため、投資家は警戒感を強め、積極的な買いを見合わせることはあり得る。
しかし、前述したようにパウエルFRB議長の穏健且つ景気配慮型の金融政策によって相場は続伸する確率が高いとみてよく、ここはそれにしっかりと着いていくのが正解だ。
そこで、注目銘柄。ほとんどの銘柄が高くなっていて手掛けにくいが、特定の分野で他を圧する製品を持つ企業に投資しておく。これが成功する確率が高いので、まずは手術用のメスや針、糸などに強いマニー <7730> だ。
消防自動車に強いモリタホールディングス <6455> も、すでに高値圏ながら新型消防車の開発力が高く、株の押し目は見逃さないようにしたい。
消防関連では消防ホースに強い帝国繊維 <3302> も、これまた高値圏ながら冬にかけて火災の多発が懸念されるため、注目しておきたい。
エレベーターの保守・点検・リニューアルに特化して躍進中のジャパンエレベーターサービスホールディングス <6544> も、なお伸び余地ありと見る。
哺乳瓶など育児用品に強いピジョン <7956> も、値動きは緩やかながら目を離せない。ベビー用スキンケアが、国内外のママたちによる支持を受けて需要拡大を続けている点に注目だ。
最後に新興銘柄。電子コミックに強いインフォコム <4348> [JQ]を狙いたい。
2018年9月28日 記
株探ニュース