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【特集】佐藤正和氏【夏枯れの中も頑強な日本株、ここからの狙い筋は】(2) <相場観特集>

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

―貿易摩擦に新興国通貨安と不安材料山積、しかし相場は……―

 ここ売買代金低調で夏枯れ相場を思わせる東京株式市場だが、 日経平均は2万2000円台で売り物を吸収する動きをみせている。米中貿易摩擦問題は目先やや不安心理が後退しているものの先行き不透明感は拭えず、外国為替市場ではトルコリラ急落に端を発した新興国通貨安などに対する警戒感は根強いものがある。株式相場の機微に通じる市場関係者にここからの展望をどうみているのか、そして注目銘柄についても意見を求めた。このほか、為替動向についても専門家に見解を聞いた。

●「110円ライン維持が焦点に、米中通商協議など注目」

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

 今週は米中通商協議や米ジャクソンホールでのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演、それに米国の対トルコ制裁の動向など重要イベントが続く。楽観的な材料が出にくい状況が予想されるなか、ドル円相場は1ドル=110円ラインを維持できるかが焦点となりそうだ。

 22~23日には米中貿易協議が予定されている。同協議を通じて来月6日頃ともみられている米国の中国に対する2000億ドル(約22兆円)の追加関税が発動されるかどうかがはっきりしそうだ。2000億ドルは巨額であり、この追加関税の影響は従来にも増して大きい。しかし、追加関税の発動が見送られるには中国は米国に対して相当譲歩することが必要だろう。トランプ米大統領は11月の中間選挙を前に強硬姿勢を崩すことは考えにくい。結果として、通商協議での歩み寄りは限定的で、2000億ドルの追加関税は発動される可能性が高いと思う。

 また、米国はトルコに対して今週にも追加制裁を発動する可能性がある。制裁回避には米国人牧師の釈放が必要だが、これも難しいだろう。さらに、24日に予定されているジャクソンホールでのパウエル議長の講演では、米国を取り巻く経済環境を考慮したうえで、どんな発言があるかがポイントだ。

 米中の通商摩擦や対トルコ情勢などを考慮すれば、当面ドルは上値の重い展開が予想される。今後1ヵ月程度のドルのレンジは、1ドル=108円~112円。110円ラインを割り込めば、108円台へ円高が進む展開もあり得ると思う。

  ユーロもトルコ情勢の影響もあり、上値は重そうだ。想定レンジは1ユーロ=1.11~1.16ドルでユーロ安トレンドを見込む。対円では1ユーロ=122~128円でユーロ安・円高基調が予想される。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(さとう・まさかず)
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。通算20年以上、為替の世界に携わっている。

株探ニュース
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