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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─ トランプ大統領のマッドマン・セオリーに負けるな!

株式評論家 杉村富生

「トランプ大統領のマッドマン・セオリーに負けるな!」

●パニックは政策の母! 危機は必ず克服される!

 全般相場は夏枯れ商状に陥っている。この動きはしばらく続くだろう。外国人はサマーバカンスに入っているし、国内勢はお盆休みだ。市場参加者は極端に少ない。個人は新興市場(マザーズジャスダック)不振のダメージを受けている。とりあえず、「暑いし、投資意欲がわかない」のが実情と思う。

 米中貿易戦争の影響は深刻だ。これについてはFRBの利上げとともに、「軽視してはいけない」とずっと主張してきた。現状を正しく認識し、リスク・マネジメントを徹底すること、これが肝要である。なにしろ、トランプ大統領はマッドマン・セオリー(狂人戦略)を駆使している。トルコ・ショックはこの余波である。

 もちろん、パニックは政策の母という。危機は必ず克服される。すでに、中国商務省の次官が急遽、訪米する、トルコのエルドアン大統領とドイツのメルケル首相が電話会談、といったニュースが伝えられている。世界の金融マーケットはあのリーマン・ショックを乗り越えたのだ。そう、安いところは断固、「買い」となる。

●バーゲン・ハンティングの準備を!

 そう、バーゲン・ハンティングのチャンス到来である。ジョセフ・ケネディ、ジョン・テンプルトン、ピーター・リンチなど歴史に残る相場巧者はみんなバーゲン・ハンターだった。小説「大番」のモデルになった牛ちゃんこと、佐藤和三郎は1965年7月12日、日経平均株価が1020円の安値をつけた局面を死にもの狂いで買った。箱根の山を駆け降り、兜町にやってきた、といわれている。

 青山財産ネットワークス <8929> [東証2]は6月12日に、2619円の高値をつけた。それが8月17日には1812円の安値まで売り込まれた。売られすぎだ。下落率は30.8%になる。こんなところは黙って買う場面ではないか。

 年初以来、みずほFG系、三菱UFJFG系のファンドが計240万株買った。平均買いコストは2200~2300円とみられている。彼らは時価総額が500億円を超えるまで売る気はまったくないらしい。むしろ、買い増しの意向を示している。浮動株数が300万株ちょっとなのに、その8割を吸い上げた。いずれ、値幅効果が顕在化するだろう。

 長期・逆張りはいかに、安いところを拾えるか、それが成否のカギを握っている。ひたすら値動きを追う短期・順張りとは根本的に違う。短期・順張りではオーガニック食品のネット販売を手掛けるオイシックス・ラ・大地 <3182> [東証M]、データサイエンティストのブレインパッド <3655> などに注目できる。

2018年8月16日 記

株探ニュース

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