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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「日足下放れ、お盆で底打ちとなるか」

株式評論家 富田隆弥

◆お盆休みで薄商いが続く中、日経平均株価は先物主導で乱高下。そして、焦点であった日足チャートのもみ合いを下放れてしまった。対中国、対ロシア、対イラン、そして対トルコと次々に強権を振るうトランプ大統領。いま米国は「独り勝ち」ムードを漂わせているが、新興国からの投資マネー流出が鮮明となり、世界マーケットの先行きに注意信号を灯らせている。この注意信号を早急に改善しないと世界マーケットは「リスクオフ」ムードを強め、米国の独り勝ちも危うくなりかねない。

◆日経平均は10日に300円安の2万2298円と急落、日足は移動平均線(25日、75日、200日)の集まる「2万2300円台」の節を割り込み、もみ合いを下放れてしまった。そして、13日に2万1851円まで突っ込み、翌14日は498円高の2万2356円と急反発したものの、15日は151円下げ、16日は一時332円安の2万1871円まで突っ込み、引けは12円安の2万2192円と下げ幅を縮めて終えた。

◆日足は割り込んだ25日、75日、200日などの移動平均線(2万2400円近辺)を奪回できず、陰転信号を点灯させている。週足は52週移動平均線(2万2032円)がここでも下値抵抗帯になっているが、TOPIX(16日1687ポイント引け)がすでに52週移動平均線(1750ポイント)を大きく割り込んでいることから、日経平均はここで上昇基調を維持できるか大きな正念場といえる。

◆もし、終値ベースで「2万2000円」を割り込むなら「流れに従え」の如くスタンスは「要慎重」とすべきだろう。だが、お盆の時期の安値は「当面の底値」となるアノマリー(経験則)がある。16日現在、日足のRCI(9日-76%、13日-69%、25日-45%)が底値圏に入ってきたほか、空売り比率が45.3%と高水準で買い戻しを誘いやすく、また裁定買い残(10日時点)も1兆5310億円と整理が進んでいることから「そろそろ反転」してもおかしくない。

◆日経平均が上昇して各移動平均線を奪回する「2万2500円台」を実現するなら好転の兆しが出てくるのでマークしておきたい(好転ポイントは2万2800円超)。逆に13日安値「2万1851円」を割り込むと週足も陰転となり警戒が必要になる。いまスタンスは日足が下放れたことで「慎重」姿勢だが、次は「2万2500円」と「2万1851円」を上下ポイントとして、放れる方向に従って対応すべきだろう。

(8月16日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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