【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ヤーマン、ソレイジア、SUMCO
ヤーマン <日足> 「株探」多機能チャートより
20日、ヤーマン <6630> が18年4月期上期(5-10月)の連結経常利益を従来予想の19.6億円→33.1億円に69.0%上方修正。従来の15.4%減益予想から一転して42.9%増益見通しとなったことが買い材料視された。免税店や家電量販店といった店販部門を中心に主力の美顔器などの販売が好調だったことが寄与。原価低減やコスト削減が奏功し、採算が改善したことも利益を押し上げた。あわせて上期増額分を下回る形で、通期の同利益も36.4億円→45.7億円に25.4%上方修正。増益率が3.2%増→29.4%増に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。同時に、株主優待制度について、11月1日付で実施した1→10の株式分割後も対象は100株以上保有株主を据え置くと発表。実質拡充となる。
■ソレイジア・ファーマ <4597> 386円 +44 円 (+12.9%) 一時ストップ高 本日終値
ソレイジア・ファーマ<4597>が一時ストップ高の422円まで買われた。20日の取引終了後、スウェーデンのバイオベンチャー、プレッド・ファーマ(ストックホルム市)と、プレッド社が開発するがん化学療法に伴う末梢神経障害を適応とする開発品(開発品コード「SP-04」、プレッド社商標「PledOx」)の日本、中国、韓国、台湾、香港およびマカオでの開発事業化の独占的権利を導入する契約を締結したと発表しており、パイプライン拡充を好感した買いが入った。プレッド社は、これまでPledOxの研究開発を欧米で行っており、第2相臨床試験などの結果、FOLFOX(フォルフォックス)療法にある進行性大腸がん患者において、末梢神経障害を改善する効果、またFOLFOX療法がん治療そのものへの影響を生じさせないことなどの効果が示唆されている。現在、プレッド社は、PledOxの日本人を被験者とする第1相臨床試験を実施しており、ソレイジアはそれ以降の臨床開発を引き継ぐことになる。これに伴い、ソレイジアはプレッド社に対して契約一時金や、開発進捗および一定の売上高達成に応じたマイルストーンを93億円を上限に支払うほか、売上高に応じたロイヤルティーも支払うことになる。なお、同件による17年12月期業績予想への影響は軽微としている。
■レック <7874> 2,561円 +144 円 (+6.0%) 本日終値
レック<7874>が急伸。岩井コスモ証券は20日、同社株の投資評価を「B+」から「A」へ引き上げた。目標株価は3400円を継続した。第2四半期(4~9月)の連結営業利益は前年同期比27%増の20億7200万円と好調だった。激落ち洗濯槽クリーナーなど清掃用品の販売が好調だったほか、おしりふきなどベビー・キッズ用品も売り上げが拡大した。今下期はコスメ商品の投入もあり収益拡大が続く見通し。18年3月期の連結営業利益は会社予想の38億円に対して40億円(前期比9%増)、19年3月期の同利益は43億円が予想されている。
■ハーモニック <6324> 7,290円 +350 円 (+5.0%) 本日終値
ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>はFA関連の有力株として上昇相場に勢いがつきそうだ。同社は精密減速機で高い商品競争力を持つが、世界的な設備投資需要の拡大を背景に小型産業用ロボット向けに旺盛な需要を確保している。また、ビッグデータの普及を背景としたAI・IoT時代の到来でデータセンターの増設が進むなか、市場拡大が続く半導体製造装置向けも高水準の引き合いがある。今4~6月期に単独ベースの受注として過去最高を記録、7~9月期も前期比倍増以上の高い伸びを示している。18年3月期は本業のもうけを示す営業利益が前期比66%増の130億円予想と絶好調だが、さらに上振れする可能性もある。株価は今年7月以降、機関投資家とみられる継続的な実需買いが流入し、株価は4000円近辺から7000円水準まで大きく居どころを変えた。上場来高値圏で戻り売り圧力がなく、株式需給面でも信用取引は売り長で日証金では逆日歩がついている状況にあり、上値追い基調が続きそうだ。(銀)
■サンケン電気 <6707> 691円 +32 円 (+4.9%) 本日終値
サンケン電気<6707>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が20日付で、投資判断「バイ」を再強調し、目標株価を680円から780円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、構造改革の実施に伴い18年3月期下期以降の損益改善の確度が向上していることや、主力の車載や白物用、デジタル制御ICの市場拡大が継続していること、さらに北米事業の中期的な成長加速などを考慮し、18年3月期の営業利益予想を92億円から105億円へ、19年3月期を同117億円から130億円へ、20年3月期を同129億円から156億円へ上方修正している。構造改革で拠点統廃合がないため、収益構造が抜本的に改善しないと市場に認識されていることや、特別損失と非支配株主持分の増加が純資産の増加分をほとんど相殺する点がネガティブ視され株価は調整しているが、今後は、今期上振れ期待の高まりや中期的な業績回復の現実味向上につれ、株価は再び上昇に転じると予想している。
■トクヤマ <4043> 3,740円 +170 円 (+4.8%) 本日終値
トクヤマ<4043>が大幅高で2009年6月以来、約8年半ぶりの高値圏に浮上した。実質的には青空圏で戻り売り圧力がないうえ、足もと需給面からも信用取組が売り長で信用倍率は0.54倍と上値の軽さを暗示している。前週末には国内証券会社の投資判断引き下げを受け売りに押されたが下値は頑強で買い戻しを誘発した格好だ。半導体用シリコンが好調で収益を牽引、18年3月期営業利益360億円の会社側見通しは保守的で大幅に増額される公算が大きいとみられている。
■SUMCO <3436> 3,065円 +137 円 (+4.7%) 本日終値
SUMCO<3436>、信越化学工業<4063>などがいずれも反発。世界的に半導体関連株への人気が続いている。米国では半導体のマーベル・テクノロジー・グループが同業のカビウムの買収を発表したことで、業界再編の思惑が関連銘柄を刺激し、前日のフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は2001年以来の最高値を更新した。株価を先駆させた半導体製造装置から素材を手掛ける企業群にも物色資金のシフトがみられ、東京市場にもその流れが反映されている。そのなか、半導体素材であるシリコンウエハーでは信越化が世界トップシェアでSUMCOが2位に位置しており、いずれも機関投資家とみられる実需買いが流入している。
■KLab <3656> 2,027円 +83 円 (+4.3%) 本日終値
KLab<3656>は4日続伸。20日、「キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~」のグローバル版「Captain Tsubasa:Dream Team」の事前登録受付を開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。同ゲームは、135以上の国と地域にリリースする予定で、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、繁体字中国語の6言語に対応。なお、リリースは12月を予定している。
■ロイヤルHD <8179> 2,970円 +99 円 (+3.5%) 本日終値
ロイヤルホールディングス<8179>が4日続伸。20日の取引終了後、中期経営計画を策定したと発表。最終年度である20年12月期に売上高1500億円(16年12月期1330億円)、経常利益75億円(同52億円)を目標として掲げていることが高評価されたようだ。外食事業で従来型ファミリーレストランからランチ、ディナーに特化したホスピタリティレストランへの進化を目指すほか、てんやでは既存店の安定成長と国内FC・海外ビジネスの積極展開、専門店では既存業態の選択と集中などを図るとしている。
■ニチレイ <2871> 3,245円 +105 円 (+3.3%) 本日終値
ニチレイ <2871> が3日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が20日付で同社の投資判断「オーバーウエート(強気)」を継続し、目標株価を3400円→3700円に引き上げたことが買い材料視された。リポートでは、加工食品事業と低温物流事業を両軸とした力強いトップライングロースを評価。18年3月期上期は、加工食品事業において想定外の受注増に対する一時的な供給不足などにより利益率が悪化したが、下期以降は利益率の改善の伴った業績拡大を予想している。
株探ニュース