【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):東エレク、大林組、ソフトバンク
ソフトバンク <日足> 「株探」多機能チャートより
あみやき亭<2753>が続伸。8月31日にテレビ番組で取り上げられたことを受けて、9月の既存店売上高は前年同月比4.5%増と3カ月ぶりに前年実績を上回った。これを受けて東海東京調査センターでは、下期既存店売上高の回復を見込むとして、12日付で投資判断「ニュートラル」を継続し、4530円から5460円へ引き上げている。
■東京エレクトロン <8035> 18,000円 +300 円 (+1.7%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>が4連騰。同社株が1万8000円台を回復したのは2000年5月以来、約17年半ぶり。世界的な半導体需要の拡大を背景に米国株市場ではエヌビディアやザイリンクスなど半導体関連株が大きく買われており、フィラデルフィア半導体株指数は前日こそ12日ぶりに反落したものの2001年以降の最高値圏推移が続いている。これを受け東京市場でも象徴株である同社株を筆頭に半導体関連株への買いが再び勢いを増している。
■大林組 <1802> 1,404円 +10 円 (+0.7%) 本日終値
大林組<1802>がしっかり。この日、特殊なセメント系材料を用いて、型枠を使わずに建築物や土木構造物の部材をさまざまな形状で自動製造できる3Dプリンターを開発したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。建築物や土木構造物にはコンクリートをはじめ多くのセメント系材料を用いるものの、十分な強度に達するまでには一定の時間を要することから、所定の形状と寸法を保つための型枠が必要だった。今回開発した3Dプリンターは、ロボットアームからデンカ<4061>が開発した特殊なセメント系材料を吐出し積層造形することで、建築物や土木構造物の部材を自動で製造するというもの。建築物や土木構造物に必要な強度と耐久性を持つとともに、吐出直後でも形状が崩れることなく維持される性質があることから、型枠を使わずに部材を製造することができるとしており、注目を集めているようだ。
■ソフトバンクグループ <9984> 9,857円 +17 円 (+0.2%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が4日続伸で年初来高値。この日は日経平均株価が先物経由で上昇するなか、日経平均株価への影響力が大きい同社株にも買いが流入した様子だ。また、同社が筆頭株主となっている中国電子商取引(EC)最大手、アリババグループの株価が最高値圏で強調展開を続けているほか、ビジョンファンドを通じて投資している米半導体大手エヌビディアの株価が上昇基調を強めていることも再評価要因に働いているようだ。
■明光ネット <4668> 1,368円 -165 円 (-10.8%) 本日終値 東証1部 下落率3位
明光ネットワークジャパン<4668>は急反落。12日の取引終了後に発表した18年8月期の連結業績予想が、売上高204億1500万円(前期比5.3%増)、営業利益20億1100万円(同23.1%減)、純利益11億9100万円(同41.7%減)と大幅減益を見込んでいることが嫌気された。明光義塾の強化やM&A案件の開拓に引き続き取り組むことで増収を見込んでいるが、ブランディング刷新費用やマーケティング機能強化費用、コンテンツ拡充費用などの戦略投資が利益を圧迫するという。なお、17年8月期決算は、売上高193億8300万円(前の期比3.8%増)、営業利益26億1500万円(同20.2%増)、純利益20億4200万円(同2.2倍)だった。
■神戸製鋼所 <5406> 805円 -77 円 (-8.7%) 本日終値 東証1部 下落率4位
神戸製鋼所<5406>が下げ止まらない。株価は一時800円割れで年初来安値を更新した。生産するアルミ製部材などのデータの組織ぐるみ改ざんが、国際問題に発展しつつあることを嫌気する売りが膨らんだ。同社のアルミ材料は国内メーカーにとどまらず、米ゼネラル・モーターズや独ダイムラー、欧州エアバスなどにも採用されている。今後、損害賠償が求められることが予想され、同社の経営に大きな影響が出ることが懸念されている。
■ジンズ <3046> 6,110円 -580 円 (-8.7%) 本日終値 東証1部 下落率5位
ジンズ<3046>は急反落。12日の取引終了後に発表した18年8月期の連結業績予想は、売上高553億6000万円(前期比9.7%増)、営業利益66億円(同22.2%増)、純利益38億円(同37.3%増)と2割強の営業増益を見込んでいるものの、71億円強を見込んでいた市場予想平均を大きく下回ることから、失望売りが出たようだ。今期は、国内では郊外ロードサイドへの出店を加速するほか、海外では中国での適切な新規出店や米国向けにデザインした商品の継続投入などで収益拡大を図るとしている。なお、17年8月期決算は、売上高504億5100万円(前の期比9.2%増)、営業利益54億200万円(同46.7%増)、純利益27億6700万円(同39.7%増)だった。
■大黒天物産 <2791> 4,990円 -430 円 (-7.9%) 本日終値 東証1部 下落率8位
大黒天物産<2791>が急反落。12日の取引終了後に発表した第1四半期(6~8月)連結決算が、売上高405億300万円(前年同期比6.0%増)、営業利益12億2200万円(同19.0%減)、純利益7億500万円(同24.9%減)と2ケタ営業減益となったことが嫌気された。1店舗の新規出店と1店舗の建て替え、さらに生鮮食品部門を強化した改装を3店舗で実施したことから売上高は増収を確保したが、販管費の伸びを吸収できず減益を余儀なくされた。なお、18年5月期通期業績予想は、売上高1645億円(前期比5.9%増)、営業利益62億円(同5.9%増)、純利益36億5000万円(同2.7%増)の従来見通しを据え置いている。
■大東建託 <1878> 20,380円 -650 円 (-3.1%) 本日終値
大東建託<1878>が反落。12日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、売上高が従来予想の7680億円から7810億円(前年同期比5.7%増)へ、営業利益が645億円から790億円(同9.8%増)へ、純利益が460億円から550億円(同9.6%増)へ上振れたようだと発表したが、ドイツ証券が投資評価を「ホールド」から「セル」に引き下げており、これを弱材料視した売りが出たようだ。上方修正は、工事の進捗が期初想定よりも進み完成工事高が増加していることに加えて、完成工事総利益率の改善なども寄与したという。一方でドイツ証券では直近の株価上昇で目標株価(1万7520円)とのカイ離が大きいことや、上期受注高が会社計画の前年同期比5.3%増に対して4.7%減であること、さらに営業人員の減少などを指摘している。
■コスモス薬品 <3349> 24,360円 -730 円 (-2.9%) 本日終値
コスモス薬品<3349>が急落。12日取引終了後に発表した18年5月期の第1四半期(6~8月)連結営業利益は前年同期比8%減の62億5800万円だった。積極的な人員増により人件費率が上昇したことなどが響いた。同利益は市場予想(69億5000万円)を下回ったことから、この日は売りを浴びた格好だ。ただ、アナリストからは「業績は第1四半期をボトムに回復に転じる」と予想する声も出ている。
株探ニュース