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【注目】前週末6日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

栄電子 <日足> 「株探」多機能チャートより

■豊和工業 <6203>  1,347円 (+300円、+28.7%) ストップ高

 豊和工業 <6203> がストップ高で4日続伸、連日で年初来高値を更新した。5日付でブラックロック・ジャパンが提出した大量保有報告書で、ブラックロックの同社株式保有比率は6.61%となり、新たに5%を超えたことが判明、これが材料視された。また、ブラックロックは石川製作所 <6208> 株式の保有比率も5.36%から8.75%に買い増したことも判明しており、石川製も200円を超える上昇と人気が加速した。ブラックロックは9月下旬にも石川製の株式の5%超を保有していることが開示し、同社の株高を後押しした経緯がある。

■栄電子 <7567>  602円 (+100円、+19.9%) ストップ高

 栄電子 <7567> [JQ]が連日ストップ高。日米ともに好収益環境を背景に半導体関連株に物色資金が向かっており、独立系の電子部品商社で半導体装置向け中心に電源やコネクターで実績が高い同社株にも見直し機運が高まっている。18年3月期営業利益は前期比85%増の2億9400万円と高成長を予想しており、PERは依然として12倍近辺と割高感はない。

■パークシャ <3993>  11,800円 (+1,370円、+13.1%)

 PKSHA Technology <3993> [東証M]が大幅続伸、3日につけた1万1140円の上場来高値を更新した。同社は前月22日に東証マザーズに新規上場した、東大発の人工知能(AI)ベンチャー企業。トヨタ自動車 <7203> からも出資を受けるなどAI関連の技術力には定評がある。3日にはスパークス・アセット・マネジメントが7%強の株式を買い大株主に浮上するなど、資産運用会社も攻勢をかけている。

■薬王堂 <3385>  3,180円 (+289円、+10.0%)

 東証1部の上昇率4位。岩手地盤のドラッグストア、薬王堂 <3385> が続急騰。同社は5日に決算を発表。18年2月期上期(3-8月)の経常利益(非連結)が前年同期比24.4%増の23億円に伸びて着地したことが買い材料視された。引き続き地域密着型の積極出店を進めたほか、既存店売上高も前年実績を上回って推移したことが寄与。部門別では食品や日配品を扱うコンビニエンスケア部門が13.0%増収と売上を牽引した。また、受取補償金2.5億円を計上したことも大幅増益につながった。併せて月次売上高を発表。9月既存店売上高は前年同月比4.9%増と今期に入り7ヵ月連続で前年実績を上回ったことを好感する買いも向かった。

■ベルク <9974>  5,910円 (+490円、+9.0%)

 東証1部の上昇率7位。ベルク <9974> が急反発し年初来高値を更新。5日の取引終了後に発表した第2四半期累計(3-8月)連結決算が、売上高1031億7500万円(前年同期比8.3%増)、営業利益49億4600万円(同0.4%増)、純利益35億8500万円(同11.8%増)と最終利益が2ケタ増益となったことが好感された。上期は4店舗を新規に出店した一方、既存店4店舗の改装を実施したことに加えて、店舗作業に合わせた配送体制の見直しを引き続き行い店舗運営の効率化に取り組んだことなどが寄与した。また、前期に計上した貸倒引当金繰入額がなくなったことも最終利益を押し上げた。なお、18年2月期通期業績予想は、売上高2050億3100万円(前期比5.9%増)、営業利益92億5500万円(同1.0%増)、純利益65億1900万円(同5.0%増)の従来見通しを据え置いている。

■スターゼン <8043>  5,890円 (+310円、+5.6%)

 スターゼン <8043> が大幅反発で年初来高値を更新。同社は5日取引終了後、2021年3月期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画を発表した。それによると、最終年度の売上高は3800億円(17年3月期実績3139億4300万円)、営業利益100億円(同55億6200万円)を目指す。基本戦略として、(1)総合食肉加工メーカーへの挑戦、(2)業務プロセス改革によるグループ競争力強化、(3)コーポレート機能強化――の3点をあげている。

■トーセイ <8923>  1,061円 (+48円、+4.7%)

 トーセイ <8923> が続伸し、連日で年初来高値を更新した。同社は5日に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。17年11月期第3四半期累計(16年12月-17年8月)の連結税引き前利益が前年同期比3.9%増の85.2億円に伸びて着地したことが買い材料視された。商業施設売却の上積み分がなくなった不動産開発事業が赤字に転落したものの、収益ビルの販売が大きく伸びた不動産流動化事業の収益拡大などで補い、増益を確保した。中間期の同利益は19.1%の減益だっただけに累計で増益に転じたことが好感された。また、通期計画の90億円に対する進捗率は94.7%に達しており、業績上振れを期待する買いも向かったようだ。

■アエリア <3758>  2,078円 (+77円、+3.9%)

 アエリア <3758> [JQ]が4日ぶりに反発。5日の取引終了後、従来未定としていた17年12月期の期末一括配当予想を10円にすると発表。株式分割を考慮すると前期に対して実質5円の増配となることから、これを好材料視した買いが入った。

■エスペック <6859>  2,303円 (+59円、+2.6%)

 エスペック <6859> が4日ぶりに反発。岩井コスモ証券が5日付で投資判断「B+」を継続しつつ、目標株価を1950円から2500円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。2次電池や自動運転に向けたセンサーなど自動車関連向けを中心に環境試験器の好調な受注が続いていることを評価。好調な受注を背景に第1四半期(4-6月)営業損益は5年ぶりに営業黒字転換を果たしたが、第2四半期以降も受注好調で、18年3月期営業利益は39億円(前期比20%増、会社予想37億円)と2期ぶりの増益を予想。19年3月期も同42億円と連続増益を見込んでいる。

■三菱UFJ <8306>  734.8円 (+18.3円、+2.6%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> が3日ぶり反発、26週移動平均線近辺で頑強な動きをみせた。米国では好調な経済指標が相次ぐなか長期金利の上昇が続いており、5日の米10年債利回りは2.34%台半ばまで上昇、これは7月13日以来、約3ヵ月ぶりの水準となった。また、米上院がFRBの銀行規制を担当する理事にランダル・クオールズ元財務次官をあてる人事を承認、これが金融規制緩和の推進思惑につながり、ゴールドマン・サックスなど大手金融株が大きく買われた。東京市場でも相対的に出遅れが目立つ同社株を筆頭にメガバンクに買いが入りやすい環境となった。

■東邦亜鉛 <5707>  5,300円 (+120円、+2.3%)

 東邦亜鉛 <5707> が5日続伸。足もとで亜鉛価格が上昇基調を強めており、同社株に見直し買いが流入。ロンドン金属取引所(LME)の亜鉛3ヵ月先物は5日には反落したが、4日は3300ドル前後と2007年8月以来、10年2ヵ月ぶりの高値圏に上昇。オーストラリア鉱山の減産の一方、中国向け需要は堅調であり亜鉛価格は上昇基調にある。同社は傘下に豪州・エンデバー鉱山を持ち、亜鉛価格の上昇は追い風となった。

■日軽金HD <5703>  336円 (+7円、+2.1%)

 日本軽金属ホールディングス <5703> が続伸。アルミ総合メーカーで、7月下旬以降のアルミニウム市況の上昇が追い風となった。18年3月期経常利益は前期比6.7%増の280億円を見込むが、「半導体製造装置向け厚板やトラック架装が好調で10億円程度上乗せされる可能性が高い」(国内中堅証券)との見方が出ている。PER11倍台で配当利回りは2.4%弱に達し、ROEも13.5%と高い点など見直し余地が大きい。

■ビジョン <9416>  2,525円 (+49円、+2.0%)

 Webマーケティング支援とWi-Fiルーターレンタルを2本柱とするビジョン <9416> が小幅反発。SBI証券が5日付のリポートで、新規に投資評価「強気」、目標株価3500円としカバレッジを開始している。リポートでは「スマートフォン普及や訪外国数増加を追い風に、最益更新を継続するも成長ポテンシャルは大」としている。

■TDK <6762>  7,650円 (+140円、+1.9%)

 TDK <6762> が3日ぶり反発。SMBC日興証券は5日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに目標株価を1万1000円から1万1200円に引き上げた。自動車電装化の追い風で、自動車向け受動部品の価格上昇を予想している。また途上国向けスマートフォンの薄型化の進展でリチウムポリマー電池は堅調。センサー事業の成長性の高さにも期待している。同証券では18年3月期の連結営業利益を894億円(会社予想800億円)、19年3月期は同1188億円を見込んでいる。

■Vテク <7717>  19,000円 (+330円、+1.8%)

 ブイ・テクノロジー <7717> が3日ぶりに反発。5日の取引終了後、複数の海外大手ディスプレーメーカーから、ディスプレー製造装置と検査装置を約140億円で受注したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。なお、同受注による18年3月期業績への影響はなく、来期以降の業績に貢献する見込みとしている。

■新東工業 <6339>  1,259円 (+21円、+1.7%)

 新東工業 <6339> が反発。5日の取引終了後、セラミックス用3Dプリンター装置・材料の製造販売を行う仏3Dセラム社の株式75%を約13億2900万円で取得し、10月下旬に子会社化すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。新東工業のセラミックス事業は大部分が液晶・半導体分野向けだが、同事業拡大のためには、新しい成形技術の導入が必要と判断したことが今回の株式取得の要因。3Dセラム社は、仏国立科学研究センターの一部門である国立セラミック・表面処理研究所との密接な関係や、スラリー積層式で装置、材料および受託製造を行っており、新東工業では今後成長が見込まれるセラミックス積層造形市場で事業拡大の体制確立を目指すとしている。

■MS&AD <8725>  3,705円 (+58円、+1.6%)

 MS&ADインシュアランスグループホールディングス <8725> が反発。同社は6日取引開始前に、スイス再保険と、スイス再保険傘下の英ReAssure Jersey One Limitedの発行済株式の5.0%を取得、また今後ReAssure社が行う第三者割当増資の引受を通じて8億ポンドを上限にMS&ADグループの持分を15%まで引き上げることに合意したと発表した。これにより欧州市場開拓を進める構えで、業容拡大への期待が買いの手掛かりとなった。

■豊田通商 <8015>  3,755円 (+55円、+1.5%)

 豊田通商 <8015> が反発し、上場来高値を更新。同社は5日、近畿大学と生産する完全養殖クロマグロ「近大マグロ」の海外への輸出を本格的に開始すると発表した。まずは東南アジアから輸出を開始し、2020年に約2000尾の輸出を目指す。また、近畿大学が技術支援する食縁(和歌山県新宮市)で生産される完全養殖ブリの取り扱いを開始することも明らかにしている。

■ラウンドワン <4680>  1,476円 (+17円、+1.2%)

 ラウンドワン <4680> が4日ぶりに反発。5日の取引終了後に発表した9月の売上状況(速報)で、既存店売上高が前年同月比6.8%増と4ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。9月は、アミューズメント部門で前年の「艦これアーケード」の反動があったが、クレーンゲームなどの景品機が好調だったことからプラスを維持した。なお、上期累計では既存店売上高は5.5%増となった。

■太陽誘電 <6976>  1,724円 (+17円、+1.0%)

 太陽誘電 <6976> が反発。SMBC日興証券は5日、同社株の投資評価「1」と目標株価2100円を継続した。同証券ではMLCCの需給逼迫に伴う値下がり幅の縮小により会社計画を上回る利益成長が期待できると指摘。特に、中国スマートフォン向けの部品出荷は9月以降回復しているとみている。18年3月期の連結営業利益は223億円と会社予想(150億円)に対して増額修正を予想。19年3月期は同298億円への増益を見込んでいる。

※6日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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