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【特集】テックファム Research Memo(2):システム開発と自動車アフターマーケット向け業務支援システムが両輪

テックファム <日足> 「株探」多機能チャートより

■事業概要

テックファームホールディングス<3625>の事業セグメントはソフトウエア受託開発事業と自動車アフターマーケット事業の2つに区分されており、ソフトウエア受託開発事業にテックファームとPSIが、自動車アフターマーケット事業にEBEが含まれている。各子会社の事業内容と特徴は以下のとおり。

(1) テックファーム
テックファームの強みは、システムの設計・開発から保守・運用、分析、コンサルティングまでワンストップでサービスを提供できる点にある。とりわけモバイル分野での知見が深く、顧客企業が求める様々なニーズに対応できるシステム開発力や、無線通信分野における高い技術開発力を有していることが特徴だ。年間の取引顧客数は現在160~200社程度で、このうち上位20社で売上高の約80%を占める。主力顧客はNTTドコモ<9437>で、2017年6月期における同事業セグメントの売上構成比で約26%を占めている。

また、2014年に(株)ミライトと共同開発したタブレット端末を用いたホテル客室向け情報配信サービス「ee-TaB*(イータブ・プラス)※」事業を展開している。同事業はストック型ビジネスモデルとなり、2017年6月末時点で国内18棟のホテル、客室数で2,861室に導入されている。売上規模としてはまだ年間で数千万円程度と軽微なものの、今後もホテルでの導入が進むと見られるほか、同様のビジネスモデルをホテル以外の業界にも独自で展開していく計画となっている。

※ホテルや旅館の客室にタブレット端末を設置し、多言語コンテンツを配信するサービス。


(2) PSI
PSIは、米国カジノ市場向けモバイル電子決済サービスの事業開発・運営を目的に、2014年3月に100%子会社として設立された。2016年9月には米国のカジノゲーミング業界の展示会「Global Gaming Expo」で、同社と日本金銭機械<6418>の米国子会社及びゲーム機、ATM端末の大手メーカーである米国Everi Holdings Inc.(以下、Everi)の3社で実用レベルのシステムを共同出展している。また2016年12月には、カジノゲーム機用チケット印刷機で最大手となるTransact Technologies Inc.と2017年春よりカジノゲーミング向けソリューションの開発について協業していくことを発表している。

現状は、カリフォルニア州などのローカルカジノにおいてフィールドテストを開始すべく、現地レギュレーター(規制等を定めるカジノ協会)と交渉を進めている段階にある。

(3) EBE
EBEは2015年3月に株式取得(出資比率67.5%)により子会社化した企業で、自動車アフターマーケット向けに特化した業務支援ソフトの開発・販売、及び保守・コンサルティングサービスを展開している。現在の主要顧客は自動車整備業者や鈑金業者など約1,100社に上る。今後は事業規模の大きいガラス・部品卸業者や中古自動車販売業者向けにも展開していく計画となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ
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