【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):近鉄百、キユーピー、オークマ
近鉄百 <日足> 「株探」多機能チャートより
27日、近鉄百貨店 <8244> が18年2月期上期(3-8月)の連結経常利益を従来予想の12億円→16.5億円に37.5%上方修正。増益率が59.4%増→2.2倍に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。上期業績の上方修正は7月に続き、2回目となる。あべのハルカス近鉄本店でインバウンド需要に加え、婦人洋品や食料品を中心に好調が続いたことが寄与。ホテル客室改装工事の大口受注を獲得した内装業も収益を押し上げた。なお、通期の業績予想は精査中とし、10月12日に予定する第2四半期決算発表時に通知するとした。
■キユーピー <2809> 2,660円 +14 円 (+0.5%) 本日終値
27日、キユーピー <2809> が発行済み株式数の1.96%にあたる300万株の自社株を消却すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。消却予定日は10月13日。
■オークマ <6103> 5,960円 +10 円 (+0.2%) 本日終値
工作機械株が軒並み高。オークマ<6103>やDMG森精機<6141>が年初来高値を更新したほか、ツガミ<6101>や牧野フライス製作所<6135>も値を上げた。日本工作機械工業会の飯村幸生会長は27日、17年の年間受注見通しを1兆3500億円から1兆5500億円に見直すことを明らかにした。中国需要はスマートフォン向けなどが好調に推移。工作機械受注が堅調ななか、各社の業績に一段の上積み期待が膨らんでいる。
■ニトリホールディングス <9843> 16,430円 -1,170 円 (-6.7%) 本日終値 東証1部 下落率2位
ニトリホールディングス<9843>は大幅反落、同社は27日取引終了後、18年2月期第2四半期累計(2月21日~8月20日)の連結決算を発表した。売上高は2839億4700万円(前年同期比11.5%増)、営業利益は481億4200万円(同2.1%減)、最終利益は350億3300万円(同6.7%増)だった。第2四半期連結累計期間では、接触冷感機能が好評の「Nクール」シリーズの寝具・寝装品が売り上げを牽引したほか、ソファや自社開発のベッドマットレス「Nスリープ」シリーズが好調に推移し、前年同期を大きく上回る売上高となった。また、渋谷公園通り店をはじめとした都市部の出店を加速させ、新たな客層を獲得し、都市部でのシェアを拡大した。これにより売り上げは前年に比べ拡大したものの、前年同期の18店舗の出店に対して、当第2四半期連結累計期間では30店舗を出店したため、人件費や賃借料および新規出店にかかるコストが増加したほか、既存店の計画改装の推進により展示什器費などが増加したことで販管費率が上昇したため、 前年同期との比較では増収減益の結果となった。業績予想は従来見通しを据え置いた。通期業績は売上高5680億円(前期比10.7%増)、営業利益990億円(同15.4%増)、最終利益685億円(同14.2%増)を見込んでいる。
■東電HD <9501> 456円 -9 円 (-1.9%) 本日終値
東京電力ホールディングス<9501>など電力株が軒並み安に売られた。小池百合子東京都知事が立ち上げた国政政党「希望の党」の基本政策のなかに「原発ゼロ」を掲げ、自民党の政策との違いを際立たせている。今後の選挙戦のなかで、原発の存続・廃止を巡る論議が活発になることも予想され、脱原発の世論の高まりによって、再稼働に不透明感が増すのではとの懸念から売りが優勢となったようだ。
■フジックス <3600> 2,500円 +500 円 (+25.0%) ストップ高 本日終値
フジックス <3600> [東証2]がストップ高。27日、東京都台東区に保有する土地・建物の売却に伴い、固定資産売却益13.2億円が発生すると発表したことが買い材料視された。経営資源の有効活用を図るため、台東区駒形にある東京支店事務所を売却することを決定した。なお、今回の売却益発生による通期業績への影響は現在精査中とし、修正が必要な場合は開示するとしている。同社の今期最終利益予想は2400万円であることから、業績の大幅上振れを期待する買いが殺到した。1990年12月期に記録した過去最高益3.9億円を上回ることも確実とみられる。
■YKT <2693> 481円 +80 円 (+20.0%) ストップ高 本日終値
YKT<2693>の上げ足が止まらない。値幅制限上限の80円高は481円まで買われ、4日連続のストップ高。株価はわずか4日間で2.5倍に変貌した。工作機械や半導体実装装置などを取り扱う電子機器商社で、ジャスダック市場に上場し発行株数は1200万株弱と小型株特有の足の軽さを持つ。産業用レーザーや光センサー向け先端技術部品を取り扱う同社の完全子会社サンインスツルメントが量子コンピューター分野の関連デバイスも取り扱い、研究機関や大学などを中心に順調な売り上げを確保している。これを手掛かり材料に投資資金の買い攻勢が続いている。
■富士通ビー・エス・シー <4793> 1,295円 +188 円 (+17.0%) 一時ストップ高 本日終値
富士通ビー・エス・シー<4793>がストップ高。売り物薄のなか1100円近辺のもみ合いを長く続けていたが、投資資金の流入で一気にマドを開けて急騰となった。量子力学的な重ね合わせにより、これまでの常識を覆す計算速度を誇る次世代コンピューターとして量子コンピューターの存在が注目されている。国内ではスーパーコンピューター「京」で知られる富士通<6702>がグループ内の「選択と集中」を進めるなか、積極的に量子コンピューター分野に経営資源を振り向け、他社に先行している。富士通ビー・エス・シーはソフト開発を中核ビジネスとし車載や金融向けなどが好調、富士通が56%強の株式を保有しており、量子コンピューターをはじめ富士通のグループ構造改革で大きな恩恵を受ける企業として注目が集まった。
■日本ラッド <4736> 1,388円 +152 円 (+12.3%) 本日終値
日本ラッド<4736>はカイ気配スタートで急反発。ここ量子コンピューター関連として大きく人気化しており、前日は8日ぶりに反落したものの、5日移動平均線をサポートラインとする急勾配の上昇トレンドを維持している。そうしたなか、同社は27日に子会社アリーナ・エフエックスの株式売却に伴い、売却益7800万円を特別利益に計上することを発表、これを材料視する買いを誘導した。
■グレイステクノロジー <6541> 5,920円 +620 円 (+11.7%) 本日終値
グレイステクノロジー<6541>が続急伸。東海東京調査センターが27日付で投資判断を新規に「アウトパフォーム」とし、目標株価を7900円に設定したことが好材料視されたようだ。同センターでは、同社が企業間で取引される製品に付随するマニュアル(取扱説明書)制作市場の開拓者で、なかでもIT分野向けに特化している点を評価。取引実績が広がってきたことや、昨年12月の株式上場によって知名度が高まり、事業拡大が加速する局面に入ってきたと判断しているという。
●ストップ高銘柄
石垣食品 <2901> 246円 +50 円 (+25.5%) ストップ高 本日終値
大興電子通信 <8023> 930円 +150 円 (+19.2%) ストップ高 本日終値
ダイヤモンド電機 <6895> 4,840円 +700 円 (+16.9%) ストップ高 本日終値
カワタ <6292> 1,052円 +150 円 (+16.6%) ストップ高 本日終値
ユビキタス <3858> 1,145円 +150 円 (+15.1%) ストップ高 本日終値
など、7銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース