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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):FDK、東海カ、パイオラック

FDK <日足> 「株探」多機能チャートより
■FDK <6955>  319円  +79 円 (+32.9%) 一時ストップ高   本日終値
 FDK<6955>が一時ストップ高に買われたほか、オハラ<5218>、安永<7271>がいずれも急伸、さらに古河電池<6937>や田中化学研究所<4080>、関東電化工業<4047>などリチウムイオン電池関連が軒並み高に買われた。自動車に対する環境規制が世界的に高まりをみせるなか、電気自動車(EV)の普及もグローバルベースで加速する方向にある。英家電大手のダイソンが2020年までにEV市場参入を発表するなど、異業種の参戦も広がりをみせてきた。そうしたなか、きょう午前のNHK放送でトヨタ自動車<7203>、デンソー<6902>、マツダ<7261>がEV開発を加速させる目的で新会社を設立すると報じ、EVの動力源であるリチウムイオン電池のメーカーやその部材を手掛けるメーカーに物色の矛先が向く格好となった。

■東海カーボン <5301>  1,055円  +137 円 (+14.9%) 一時ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率3位
 東海カーボン<5301>が一時ストップ高まで買われた。この日の朝方、黒鉛電極メーカーの独SGL GEホールディングス社から、米国事業を担うSGL GEカーボン・ホールディング(デラウェア州)の全株式を129億円で取得すると発表しており、事業拡大への期待感から買いが入ったようだ。今回の株式取得は、SGL GEホールディングスの買収を計画する昭和電工<4004>に対して、米競争当局がSGL GEカーボンの他社への譲渡を承認の条件としていたことを受けて、東海カーボンが譲受先となったもの。これにより東海カーボンは、世界最大の電炉鋼市場である北米におけるプレゼンスの向上を図るほか、アジア・欧州・北米の「3極体制」を築くことで、グローバルプレーヤーとしての事業基盤の構築を目指すとしている。なお、昭電工が10月2日付でSGL GEホールディングスを取得するのに合わせて東海カは契約を結び、11月上旬にSGL GEカーボン株を取得する予定。なお、17年12月期業績への影響は軽微としている。また、東海カーボンの発表を受けて、昭電工も大幅高となった。

■パイオラックス <5988>  3,300円  +331 円 (+11.2%) 一時ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率4位
 パイオラックス<5988>が急反発。東海東京調査センターが27日付で投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」とし、目標株価を2850円から3620円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。今後EV本格普及の時代になるなかで、駆動系部品には20~30年先のリスクがあるものの、同センターでは想定を上回る短期業績の拡大の方に注目。グローバル化の進展で新興国を中心に、エンジン車向け部品で残存者利益を享受する可能性も高いとしている。業績面では、第1四半期(4~6月)に数量増と生産性改善が想定以上に進捗していたことから、18年3月期営業利益予想を増額修正し、前期比7.9%増の112億円と会社計画の95億円を上回ると予想している。

■アルコニックス <3036>  2,045円  +188 円 (+10.1%)  本日終値  東証1部 上昇率5位
 27日、アルコニックス <3036> が18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の24億円→37.5億円に56.3%上方修正。増益率が16.0%増→81.2%増に拡大し、6期ぶりに上期の過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。M&Aなどで子会社化した装置材料や金属加工といった製造業を中心にグループ全体の業績が好調だったことが寄与する。なお、通期業績は精査中とし、経常利益は従来予想の49億円(前期は43.5億円)を据え置いた。

■富士通フロンテック <6945>  2,290円  +175 円 (+8.3%)  本日終値
 富士通フロンテック<6945>が大幅高で5日続伸、年初来高値を更新した。時価は1991年以来26年ぶりの高値圏にある。同社は富士通系の電子機器メーカーで主力のATMなど金融端末が好調に売り上げを伸ばしているほか、ユビキタス・ネットワークやバイオメトリクス承認技術などを手掛け、その技術力の高さはグループ内でも上位だ。同社の過半の株式を保有する親会社の富士通<6702>は「選択と集中」のもと、成長分野である人工知能(AI)やIoTのほか、量子コンピューター分野に注力の構えにある。富士通はカナダのトロント大学に量子コンピューター技術などを研究する拠点を設け、開発を加速させる方針にあり、量子コンピューター実用化で恩恵を享受するグループ企業の一社として同社が注目されているようだ。

■ユニファミマ <8028>  6,080円  +410 円 (+7.2%)  本日終値
 ユニー・ファミリーマートホールディングス <8028> が続急伸。増益報道を材料に大幅高でスタートしたが、11時に業績修正を発表したことで上げ幅を広げている。18年2月期上期(3-8月)の連結税引き前利益を従来予想の243億円→340億円に39.9%上方修正。増益率が17.2%増→64.0%増に拡大し、2期ぶりに上期の過去最高益を更新する見通しとなった。コンビニエンスストア事業で「ファミリーマート」へのブランド転換を進め、転換した店舗の売上が計画を上回ったことが寄与。上期に予定した店舗の閉鎖が下期にずれ込んだことも上振れの要因となった。さらに、総合小売事業においてアピタとピアゴでの経費削減が進んだことも利益を押し上げた。

■鳥居薬品 <4551>  3,240円  +205 円 (+6.8%)  本日終値
 鳥居薬品<4551>が大幅高となり年初来高値を更新した。同社は27日取引終了後に、スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法薬「シダキュア スギ花粉舌下錠」について、国内での製造販売承認を取得したと発表。これが期待材料となったようだ。アレルゲン免疫療法とは、アレルギー疾患の原因である「アレルゲン」を少量から投与することで体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を治したり、長期にわたって症状を抑える可能性のある治療法。シダキュアは国内で初めて成人から小児まで使用可能となった舌下錠で、発売時期については薬価収載後、決定次第公表するとしている。

■フューチャー <4722>  1,044円  +65 円 (+6.6%)  本日終値
 フューチャー<4722>が4日続伸し、年初来高値を更新した。同社は27日取引終了後に、アパレル大手のワールド(神戸市)との合弁で新会社「FASTECH&SOLUTIONS」を設立すると発表。これが買い手掛かりとなったようだ。新会社は、アパレルをはじめとするファッション企業に付加価値の高いサービスを提供することを目的としており、プラットフォームの提供やシステム関連のコンサルティング、財務・経営指導など提供。出資比率はフューチャーインベストメントが40%、ワールドが60%で、設立予定日は10月2日となっている。

■ソラスト <6197>  2,164円  +126 円 (+6.2%)  本日終値
 医療機関への業務請負・人材派遣を主力とし、在宅サービスを中心とする介護や保育事業も手掛けるソラスト<6197>は3日ぶり反発。同社は27日取引終了後、愛媛県、関東圏、関西圏などで通所介護(デイサービス)を中心に35の事業所で介護サービス事業を運営しているベストケア(本社・愛媛県松山市)を10月31日付で子会社化すると発表した。ソラストは21年3月期までに売上高1000億円、営業利益70億円、営業利益率7%の達成を掲げている。このビジョン達成の牽引役として、17年3月期に125億円であった介護事業の売上高を早期に300億円以上とするため、スピード感を持った事業の拡大を図っており、その手法として積極的にM&Aを実施している。

■クラボウ <3106>  314円  +14 円 (+4.7%)  本日終値
 クラボウ<3106>は大幅反発し年初来高値を更新。この日の朝方、O157などの微生物を簡単に検査できる腸内病原性微生物の遺伝子検査キット「GeneFields(ジーン・フィールド)EHEC/SS」を10月2日から発売すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。「GeneFields」は、食品従事者の検便検査で対象項目となるサルモネラ菌、赤痢菌、腸管出血性大腸菌(O157など)の3種類の腸内病原性微生物の遺伝子を一度に判定することが可能。煩雑なDNA抽出を行うことなく、独自開発の核酸クロマト用ストリップと試薬を用いることで、高額なリアルタイムPCR装置を必要とせず、汎用的なPCR装置で検出までを行えるため中小規模の検査機関にも導入しやすい検査キットだという。なお、販売に関しては、極東製薬工業(東京都中央区)と国内での独占販売契約を締結し販売する予定。初年度1億円、19年度3億円の販売を目指すとしている。

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