【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ISID、LINK&M、ソニー
ISID <日足> 「株探」多機能チャートより
ISID<4812>は続伸。この日、農業IoT事業を展開するベジタリア(東京都渋谷区)が行う第三者割当増資を引き受け資本・業務提携したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。ベジタリアは、最新の植物科学とテクノロジーを駆使した農業向けソリューションを提供するベンチャー企業で、圃場の環境情報や作物の生育状況を常時モニタリングできるIoTセンサ「フィールドサーバ」や地図情報をベースに圃場管理や農作業の記録ができるクラウド型営農管理システム「アグリノート」など提供している。ISIDでは、宮崎県綾町と共同でブロックチェーン技術を活用して有機農産品の品質を保証する実証実験を行うなど、農業分野におけるソリューションやサービスの開発を加速していることから、ベジタリアが保有する農業IoT分野における最先端のセンサ技術やソリューションを組み合わせ、農業IoTプラットフォームの構築や、生育環境などのデータ活用による農機メーカー向けビジネス開発などに取り組むとしている。
■LINK&M <2170> 715円 +8 円 (+1.1%) 本日終値
リンクアンドモチベーション<2170>は続伸。岩井コスモ証券は7日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は950円とした。同社は、独自の手法を使って、企業の「働き方改革」に関わる経営コンサルティングなどを展開。政府が働き方改革を推進していることが追い風となり、企業からのコンサルティング需要や「モチベーションクラウド」などクラウドサービスが想定以上に増加している。同証券では、中長期的な成長が期待できる銘柄として評価している。
■GMOインターネット <9449> 1,401円 +14 円 (+1.0%) 本日終値
GMOインターネット<9449>が3日続伸。7日の取引終了後、新たな事業として次世代型7ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)の半導体チップを活用した、仮想通貨の採掘(ビットコインマイニング)事業を開始すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。ビットコインマイニングとは、ネットワーク上に存在する取引データの固まり(ブロック)の整合性を確保するための承認作業のことで、最も早く承認できたものに対しては、ビットコインが報酬として支払われる仕組み。今回、ビットコインマイニング事業を開始するにあたり、同社では北欧で次世代マイニングセンターの運営を行うほか、マイニングにかかる設備資金をユーザーから調達し、その収益を配分するプラットフォームを提供するクラウドマイニング事業、次世代マイニングボードの販売、さらにグループ会社であるGMOコイン社への仮想通貨の供給などを行うとしている。
■ソニー <6758> 4,298円 +40 円 (+0.9%) 本日終値
ソニー<6758>は高い。SMBC日興証券は7日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに、目標株価を4500円から6500円に引き上げた。18年3月期は20年ぶりに最高益を更新する見込みにあり、エレクトロニクスの構造改革は一巡し、名実ともにハードとソフト、ネットワークとコンテンツを組み合わせ、付加価値を継続的に生み出す企業へとギアチェンジして新たな成長へ挑戦する局面を迎える、とみている。特に、22年3月期には売上高10兆円、営業利益1兆円という「日本の電機メーカーがかつて到達したことのない高みへ挑戦、達成も可能」と指摘している。
■TOWA <6315> 1,678円 +15 円 (+0.9%) 本日終値
TOWA<6315>が3日続伸。7日の取引終了後、軟鋼材や銅、アルミ合金、チタン合金など多様な被削材に対応可能な超硬エンドミルの販売を開始すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。同社では14年2月から硬鋼材用のCBNエンドミルを販売しているが、今回新たに販売する超硬エンドミルは、CBNエンドミルの製造で培った加工技術と金型用コーティングで蓄えた自社製コーティング技術で、比較的柔らかく、一般的に用いられる鋼材に最適な商品になっているとしている。
■サンゲツ <8130> 1,963円 +13 円 (+0.7%) 本日終値
サンゲツ<8130>が後場上げ幅を拡大。午後0時30分ごろに自社株買いと消却を発表しており、需給面への好影響を期待した買いが入った。自社株買いは、上限を100万株(発行済み株数の1.52%)、または20億円としており、取得期間は9月11日から12月22日まで。一方、消却は40万株(消却前発行済み株数の0.59%)を9月29日付で実施するとしている。資本効率の向上と株主還元の拡大を図るのを目的としている。
■エムスリー <2413> 2,821円 +12 円 (+0.4%) 本日終値
エムスリー<2413>がしっかり。この日、子会社多磨バイオの人工硬膜「デュラビーム」が厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。「デュラビーム」は、理化学研究所(埼玉県和光市)が開発した高分子樹脂を特殊加工する技術を基に製品化した人工硬膜。現在、人工硬膜を含む人工臓器は、臨床の現場では術後の感染症の問題や自己組織との癒着などが課題となっているが、「デュラビーム」はこれらの課題を克服すべく、専門外科医からのフィードバックを得て考案された医療機器で、生体適合性が高く、従来に比べ手術時間も短く、感染症リスクが減ることが期待されているとしている。
■ツルハホールディングス <3391> 13,360円 +30 円 (+0.2%) 本日終値
ツルハホールディングス<3391>が3日続伸。野村証券が7日付で投資判断「バイ」を継続しつつ、目標株価を1万4300円から1万5200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、競争激化など事業環境は楽観視できないが、同社は目先、M&A後のシナジーに加えて、スケールメリットを生かしたPB導入や、19年は西日本の物流合理化などの利益率改善で業績堅調が続くと予想。また、18年5月期の営業利益予想を405億円から416億円(会社予想390億円)へ、19年5月期を同435億円から460億円へ引き上げている。
■くらコーポレーション <2695> 5,070円 -720 円 (-12.4%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
くらコーポレーション<2695>が急落。7日の取引終了後に発表した第3四半期累計(16年11月~17年7月)連結決算が、売上高910億7600万円(前年同期比8.4%増)、営業利益42億9400万円(同12.3%減)、純利益33億4300万円(同4.6%増)と2ケタ営業減益となったことが嫌気された。国内で新規に14店舗を出店した効果や、夏季限定の中華シリーズの投入、フェアやキャンペーンの実施などが奏功し売上高は増収となったが、店舗改装などの積極投資を継続しているほか、人件費増などが利益を圧迫した。なお、17年10月期通期業績予想は、売上高1190億500万円(前期比4.7%増)、営業利益65億5000万円(同0.3%増)、純利益45億2800万円(同2.2%増)の従来見通しを据え置いている。
株探ニュース