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【市況】新興市場見通し:値動きの軽い小型株選好強まる、IPOでは注目のUUUM登場

ジャスダック <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、日経ジャスダック平均が比較的強い動きを見せる一方、マザーズ指数は狭いレンジでのもみ合いが続いた。週末に予定されていた米金融・経済シンポジウムを前に大型株の手控えムードが強まり、値動きの軽い中小型株に物色の矛先が向かった。ただ、新興市場でも売買代金は引き続き低迷し、マザーズでは主力株のさえない値動きが指数の重しとなった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.1%であったのに対して、マザーズ指数は+0.4%、日経ジャスダック平均は+1.3%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のサイバーダイン<7779>が週間で3.6%安、そーせいグループ<4565>が同5.8%安と軟調だった。ともに連日で年初来安値を更新した。ミクシィ<2121>は同変わらず。売買代金上位では、ティーケーピー<3479>やASJ<2351>の上昇が目立った。ティーケーピーは不稼動ビルのコンパクトホテルへのコンバージョンに関するリリースが材料視され、急伸する場面があった。また、新作ゲームの事前登録が好調な滑り出しとなったAiming<3911>が大きく買われ、週間のマザーズ上昇率トップとなった。反面、アカツキ<3932>やサイバーステップ<3810>といったゲーム株が利益確定売りに押され、アクセルマーク<3624>が週間のマザーズ下落率トップとなった。ジャスダック主力では、UTグループ<2146>が同8.6%高と堅調な値動きだった。複数の証券会社で目標株価引き上げが観測された。また、Mipox<5381>が一部メディアに取り上げられたことで活況を見せ、週間のジャスダック上昇率トップとなった。信用規制が解除された五洋インテックス<7519>や新装置を発売したメディアリンクス<6659>も上昇率上位に顔を出した。一方、アエリア<3758>は利益確定売り優勢となり、キャピタル・アセット・プランニング<3965>が下落率トップとなった。

今週の新興市場は、中小型株物色の流れから相対的にしっかりした展開となることが想定される。米国の債務上限問題などが重しとなり、日経平均はもみ合いが続くとみられる。個人投資家による中小型株物色中心の相場展開となりそうだ。但し、マザーズ主力株などでは需給の好転が期待しにくく、より値動きの軽い小型株が選好されやすいだろう。

今週は8月28日にACCESS<4813>、29日に東和フードサービス<3329>、31日にトリケミカル研究所<4369>、ウチダエスコ<4699>などが決算発表を予定している。トリケミカル研究所は最先端半導体向け材料の好調でかねて市場評価が高く、第2四半期決算も注目されそうだ。また、前週末に大規模な通信障害が発生したことから、FFRI<3692>やテリロジー<3356>といったサイバーセキュリティ関連銘柄の動向も注視したい。

IPO関連では、8月30日にUUUM<3990>がマザーズへ新規上場する。ベンチャーキャピタル保有株が多く需給面の懸念材料となるが、YouTuberのマネジメントという時流に乗った事業内容で投資家の期待は非常に高いようだ。なお、先週は壽屋<7809>(9月26日、ジャスダック)、ロードスターキャピタル<3482>(9月28日、マザーズ)、西本Wismettac HD<9260>(9月29日、東証1部または2部)、マネーフォワード<3994>(9月29日、マザーズ)の新規上場が発表されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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