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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

富士通コン <日足> 「株探」多機能チャートより

■富士通コン <6719>  671円 (+100円、+17.5%) ストップ高

 富士通コンポーネント <6719> [東証2]がストップ高。7月下旬に中間期業績予想の上方修正発表を受け上放れ、前週まで週足で6連続陽線を示現し株価の居どころを大きく変えていた。22日は投機資金の攻勢顕著で一気に上昇加速する格好となった。タッチパネルやリレーなどの電子部品を手掛け、高水準の需要を確保して業績に反映させているが、22日は富士通が携帯電話事業からの撤退観測が伝わり、「選択と集中による事業構造改革の動きが、車載やIT分野向けに強い同社にはプラスに働くとの思惑が高まった」(準大手証券ストラテジスト)との見方も示されている。

■Ubicom <3937>  3,485円 (+504円、+16.9%) ストップ高

 Ubicomホールディングス <3937> [東証M]が急反発でストップ高。同社は21日、子会社のエーアイエスが、グローバルで医療情報データベースを調査・提供している企業(米国所在グループ)とデータ分析事業で協業を開始したと発表。これが材料視されたようだ。エーアイエスは、レセプト情報などの医療ビッグデータの点検・分析分野で実績を積み上げている企業。同社では、今回の協業により医療業界でのさまざまな観点からのデータ分析が可能になるとしている。

■田中化研 <4080>  1,740円 (+200円、+13.0%)

 田中化学研究所 <4080> [JQ]が続急騰し新値街道を走ったほか、安永 <7271> も4連騰で2000円台を回復、戸田工業 <4100> 、オハラ <5218> 、ステラ ケミファ <4109> 、新日本電工 <5563> などリチウムイオン電池関連が軒並み値を飛ばした。世界的に無公害車に対するニーズが急速な高まりをみせており、特に2018年以降米国のZEV規制が強化される方向にあることで、電気自動車(EV)の普及加速に向けた思惑が、世界各国の株式市場でも強く意識されている。今年1月にテスラとパナソニック <6752> が共同で米ネバダ州に世界最大のリチウム電池工場「ギガファクトリー」を稼働させたことも同テーマを強く後押しする形となった。リチウム電池を含めEV関連株に物色の矛先が向いているのは米国市場や中国市場なども同様であり、東京市場に限ったことではない。そのなか、関連株として注目が集まる田中化研、戸田工、新日本電工はリチウム電池の正極材を生産、ステラケミファは電解液を手掛ける。また、安永はリチウム電池の寿命を大幅に向上させる技術に市場の関心が高く、オハラは低温でも動くリチウム電池の試作に成功したことや、リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを今年2月の「国際二次電池展」に出展した経緯が注目されている。

■日本金属 <5491>  2,603円 (+234円、+9.9%)

 東証1部の上昇率3位。日本金属 <5491> が3日ぶり急反発で今月8日につけた高値2499円を上抜き年初来高値を更新した。圧延専業メーカーで高機能のステンレス製品を主力としている。自動車用外装モール用材や高精度異形鋼が好調で収益を牽引、18年3月期営業利益は18億円から26億円に大幅上方修正している。PER9倍前後と株価指標面でも割安感がある。2020年3月期を最終年度とする「第10次中期経営計画」では経常利益段階で32億円(今期予想比23%増)を目指しているが、これを上振れする可能性が意識されている。一方、市場では「電気自動車(EV)など車載向けリチウムイオン電池の需給逼迫がいわれるなか、マグネシウム電池関連の一角として人気化素地が開花した部分もある」(国内ネット証券)という指摘もあった。22日は、同関連の一角として過去に大相場を形成した経緯のある藤倉ゴム工業 <5121> なども物色人気を集めた。

■スター・マイカ <3230>  3,110円 (+247円、+8.6%)

 東証1部の上昇率5位。スター・マイカ <3230> が続急伸。21日、同社が9月30日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。併せて、発行済み株式数の4.0%にあたる40万株の自社株を消却すると発表。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。消却予定日は9月29日。

■丸和運機関 <9090>  4,730円 (+285円、+6.4%)

 東証1部の上昇率9位。丸和運輸機関 <9090> が急反発。21日、同社が9月30日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。

■KHネオケム <4189>  2,750円 (+162円、+6.3%)

 東証1部の上昇率10位。KHネオケム <4189> が大幅に3日続伸し、上場来高値を更新した。SMBC日興証券が21日付で同社の投資判断「1(強気)」を継続し、目標株価を3080円→3220円に引き上げたことが買い材料視された。リポートでは、機能化学品(冷凍機油原料およびスキンケア化粧品原料)ではニッチでありながらもグローバルで成長が見込まれることに加え、基礎化学品の収益性ボトムアウトを背景にした中期的な成長ストーリーに変更はないと強調。また、懸念材料とされる生産設備増強のためのファイナンスリスクは小さいと考えている。

■ティラド <7236>  463円 (+27円、+6.2%)

 ティラド <7236> が急反発し、年初来高値を更新した。株価は2008年9月以来となる500円台復帰が視野に入ってきた。日経新聞が22日付で「建設機械部品各社の2018年3月期業績に上振れ余地が出ている。建機向けの熱交換器を手掛けるティラドも中国や国内向けが好調で、4-6月期の営業利益が前年同期の2.5倍に増えた」と報じたことが買い材料視されたようだ。報道によると「18年3月期通期予想に対する進捗率は4割を超す。4-9月期予想を上方修正したものの、『下期の販売動向が不透明』として通期予想は変えなかった」という。これを受けて、通期業績予想の上方修正に期待する買いが膨らんだ。

■デクセリ <4980>  1,402円 (+67円、+5.0%)

 デクセリアルズ <4980> が3日ぶりに急反発。東海東京調査センターが21日付で、投資判断「アウトパフォーム」を継続しつつ、目標株価を1800円から2000円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。スマートフォン用二次電池向け熱伝導シートや有機EL用のACF(使用例:基板とフィルムの接着)、スマホの回路基板を接続させるACF(異方性導電膜)、自動車向け反射防止フィルムなどの機能性製品の成長が期待できると評価。短期的な業績についても、第1四半期(4-6月)の経常利益は19.9億円(前年同期1.5億円)と急拡大しているほか、会社側の18年3月期通期計画に対する進捗率は31%と高く、上振れの公算が大きいと指摘。同センターでは、18年3月期の経常利益を会社計画の64億円を上回る76億円と予想。続く19年3月期は前期比3割増益の98.4億円と見込んでいる。

■ヤマシンフィルタ <6240>  3,450円 (+155円、+4.7%)

 ヤマシンフィルタ <6240> が続伸、上げ足を加速しており6連騰で最高値街道を走っている。建機や産業用フィルターの生産販売を手掛けており、中国のインフラ投資拡大を背景とした建機販売拡大の恩恵を享受している。同社は油圧ショベルの作動油回路用フィルター製品を中心に商品ラインアップを充実させ、国内外の大手建機メーカーに納入、環境規制強化の動きを強める中国向けの需要を取り込み、17年4-6月期は営業利益段階で前期比2.7倍の5億1200万円と絶好調だ。中国向けは今後も旺盛な需要が見込まれ、会社側が計画する18年3月期営業利益9億8000万円は「大幅な上振れの可能性が濃厚」(市場関係者)との見方が強まっている。また、株式需給面でも信用取組が売り長で東証信用残は10日申し込み現在で信用倍率0.78倍、ミニ踏み上げ相場の様相を呈している。

■ソレイジア <4597>  395円 (+14円、+3.7%)

 ソレイジア・ファーマ <4597> [東証M]が続伸。22日正午ごろ、ベンチャーキャピタル(VC)による同社株式の所有割合が低下したと発表しており、需給不安が後退したとの見方から買いが入ったようだ。ベンチャーキャピタルおよびベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合が所有する株式の所有割合は、今年3月31日現在で36.0%だったが、7.6%に低下したことを確認したという。また、これに伴い16年12月期の有価証券報告書などで「事業等のリスク」として記載している「ベンチャーキャピタルによる株式保有に関する事項」を、今後記載しない見込みとなったと発表しており、これも好材料視されたようだ。

■東洋炭素 <5310>  2,475円 (+87円、+3.6%)

 東洋炭素 <5310> が大幅続伸で連日の新値追いとなった。同社は9日取引終了後、17年12月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を310億円から325億円(前期比0.1%増)へ、営業利益を15億円から19億円(同2.9倍)へ、最終利益を15億円から16億円(同5.6倍)へそれぞれ増額した。この通期業績の上方修正が継続的に評価されているようだ。売上高では、エレクトロニクス分野向けにカーボンブラシの需要が回復したことや、想定に比べて為替レートが円安に推移したことが貢献した。営業利益では、売上高の増加に加え、固定費削減などの構造改革の取り組みが一段と進展したことが寄与している。

■神鋼商事 <8075>  3,425円 (+120円、+3.6%)

 神鋼商事 <8075> が反発し、18日につけた年初来高値3390円を更新。株価は今月に入って上昇を加速しているものの、株価指標面ではPER8倍台、PBR0.6倍台と依然として極めて割安水準にあることから買いが継続したようだ。同社が7月31日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の営業利益は、19億7200万円(前年同期比2.5倍)と大幅増益となった。これを受けて、18年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結営業利益を21億円から33億円(前年同期比76.8%増)へ増額している。鉄鋼鉄鋼原料、非鉄金属のセグメントを中心に、主要製品の取扱量が増加したことに加え、価格上昇の効果も寄与した。また、海外現地法人でも、主要市場である米国、中国、東南アジアの各地域の業績が堅調に推移したことも貢献している。

■デンカ <4061>  702円 (+19円、+2.8%)

  化学中堅のデンカ <4061> が大幅続伸し、年初来高値を更新した。株価は2007年10月以来、約9年10ヵ月ぶりに700円台復帰を果たしている。足もとの業績好調を評価する買いが続いている。7日午前に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比3.1倍の73.8億円に急拡大して着地。クロロプレンゴムや電子先端製品などの販売増加に加え、原材料価格の上昇に伴う値上げ効果が収益を押し上げた。これを踏まえ、上期の同利益予想を125億円→140億円に12.0%上方修正、10期ぶりに上期の過去最高益を更新する見通しとなった。通期業績は据え置いており、業績上振れへの期待が膨らんだ。

■コロプラ <3668>  1,374円 (+31円、+2.3%)

 コロプラ <3668> が6日続伸。同社は21日、スマートフォン向けゲーム「ドラゴンプロジェクト」の英語版の配信を開始したことを明らかにした。配信先はインドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスの10ヵ国。英語版の運用については、シンガポールのGo Gameが担当する。

■日本ライフL <7575>  4,860円 (+100円、+2.1%)

 日本ライフライン <7575> が3日ぶりに反発。同社は21日、テルモ <4543> と米ボルトンメディカル社製の胸部大動脈瘤治療用ステントグラフト「リレイ・プラス」に関する国内での独占的販売代理店契約を締結したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。同社は現在、ボルトンメディカル社との独占販売契約に基づき、国内で「リレイ・プラス」を販売している。今回の契約は、今年3月のテルモによるボルトンメディカル社の子会社化を受けたもので、現行のボルトンメディカル社との契約期間満了時である18年5月から19年3月までの期間についても、引き続き同社が「リレイ・プラス」の取り扱いを継続する。

■住友鉱 <5713>  1,870.5円 (+32.5円、+1.8%)

 住友金属鉱山 <5713> が続伸し年初来高値を更新。21日の取引終了後、燃料電池の電極用高純度酸化ニッケル粉の量産化実証設備を導入すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。同社によると、今後、燃料電池の本格的な製品化に向けて、酸化ニッケル粉の需要増加が見込まれることから、18年度前半をメドに、愛媛県新居浜市内の自社保有地内に量産化実証設備を導入するという。同社では既に、車載向け二次電池正極材料(ニッケル酸リチウム)の生産増強を実施しており、ニッケル原料の製錬から材料製造までの一貫した生産プロセスを保有することになる。

■日工営 <1954>  3,020円 (+49円、+1.7%)

 日本工営 <1954> が続伸。22日、バングラデシュ首都ダッカのハズラット・シャージャラール国際空港拡張事業にかかる設計・施工監理業務を、同社など4社からなるJV(共同企業体)で受注したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。同事業は円借款によるもので、22年8月の供用開始を予定。国際線旅客ターミナルや貨物ターミナルの新設などを行うことで、年間対応旅客数約1200万人を想定した旅客処理能力の拡大や利便性・安全性の向上を図るとしている。なお、同社は現在、ダッカ新空港建設においても事業化調査を行っているという。

■スター精密 <7718>  1,809円 (+29円、+1.6%)

 スター精密 <7718> が続伸。21日、同社が18年2月期上期(3-8月)の連結経常利益を従来予想の17.8億円→25.4億円に42.7%上方修正。増益率が20.0%増→71.3%増に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。工作機械の受注が中国や欧州などで自動車向けを中心に想定以上に伸び、売上が計画を15.1%も上回ることが寄与。為替が想定より円安だったことも利益を押し上げる。上期業績の上振れに伴い、通期の同利益も従来予想の48億円→55億円に14.6%上方修正。増益率が34.0%増→53.5%増に拡大する見通しとなった。同時に、発行済み株式数(自社株を除く)の0.80%にあたる30万株(金額で6億円)を上限とする自社株買いを実施すると発表。これを受けて、株主還元を好感する買いも向かった。

■大平金 <5541>  279円 (+3円、+1.1%)

 大平洋金属 <5541> が3日ぶりに反発。足もとのニッケル価格の上昇を受け、同社株に買いが流入した。ロンドン金属取引所(LME)ではニッケル3ヵ月物が21日、1トン当たり1万1315ドルと昨年12月以来、8ヵ月ぶりの高値圏に上昇した。中国の景気減速懸念が後退し、インフラ投資に対する期待が膨らんでいる。さらにニッケルの主用途であるステンレス生産も好調であり、ニッケル価格には先高期待が膨らんでいる。

■大塚商会 <4768>  7,040円 (+70円、+1.0%)

 大塚商会 <4768> が続伸。SMBC日興証券が21日付で、投資判断「1」を継続しつつ、目標株価を7700円から7800円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。第2四半期営業利益は、四半期として過去最高水準であった前年第2四半期および前々年第2四半期を8%上回る良好なものだった。これを受けて同証券では、四半期のうち利益が最も大きい第2四半期での8%増益は、年率では10%台前半の利益成長に相当し、通期では会社計画の3.3%営業増益、コンセンサスの10.9%営業増益を上回るペースであると指摘。17年12月期の営業利益予想を440億円から442億円(会社予想410億円)に上方修正し、18年12月期を同484億円から491億円へ引き上げている。

■任天堂 <7974>  36,080円 (+340円、+1.0%)

 任天堂 <7974> が3日ぶり反発。「ニンテンドースイッチ」が想定を大きく上回る売れ行きで品不足状態が続いており、買う方も順番待ちの状態になっている。人気ソフトのラインアップも充実、これまでゲームにあまり興味がなかった層も取り込んで売れ行きを伸ばしている。「PERの割高論はあっても、基本的に短期資金を中心としたモメンタム相場で物色人気は離散せず、業績上振れの伸びしろがどのくらいあるのか現時点ではっきりしないところが株価を刺激し続ける要因になっている」(国内中堅証券)とも指摘される。

※22日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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