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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

古河池 <日足> 「株探」多機能チャートより

■古河電池 <6937>  919円 (+60円、+7.0%)

 古河電池 <6937> が急反騰、年初来高値に買われた。時価は約2年ぶりの高値圏。同社は自動車向け2次電池を主力に手掛けており、世界的なリチウムイオン電池に対する需要増が同社の収益機会につながるとの思惑が株価を押し上げた。欧州では電気自動車(EV)シフトの動きが加速しており、フランス政府はガソリンやディーゼル燃料で走る自動車の販売を2040年までに全廃する計画を発表、ドイツではダイムラーが南部の主力拠点で20年をメドに数百億円かけEV用電池を生産して対応を図る構え。またスウェーデンのボルボは19年以降に発売する全車をEVもしくはハイブリッド車にする方針を発表しているほか、オランダやノルウェーでも25年以降のディーゼル車やガソリン車の販売を禁止する方向で検討を始めたとの報道もみられる。直近では26日に英国政府が、40年までにガソリン車やディーゼル車の販売を全面禁止する方針を発表、これが改めてリチウムイオン電池関連株の株価を刺激した。

■エレマテック <2715>  2,048円 (+126円、+6.6%)

 電子部品商社のエレマテック <2715> が続急伸。同社は26日に決算を発表。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比48.5%増の12.6億円に拡大して着地したことが買い材料視された。国内でスマートフォン向けデバイスやディスプレー関連部材の販売が好調だった。また、アジアでは自動車やOA機器向け関連部材の販売が伸びた。通期計画の56億円に対する進捗率は22.5%となっている。

■高松機械 <6155>  1,032円 (+58円、+6.0%)

 高松機械工業 <6155> [東証2]が4日続伸。2015年11月以来、1年8ヵ月ぶりの4ケタ大台回復となった。世界的な景況感の回復が設備投資関連である機械株への物色資金流入を誘っている。そのなか、同社は自動車向けなどに小型NC旋盤など工作機械を製造販売しており、海外では中国向けの回復などを背景に収益改善が急、18年3月期は営業利益段階で48%増益の13億8600万円を見込んでおり、見直し買いが進んだ。

■航空電子 <6807>  1,815円 (+95円、+5.5%)

 日本航空電子工業 <6807> が続急伸し、約6ヵ月半ぶりに年初来高値を更新した。同社は26日に決算を発表。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比14倍の38.1億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。スマートフォンの出荷台数が高水準で推移するなか、携帯機器向けコネクターの販売が好調だったことが寄与。内製化によるコスト削減や業務効率化の進展に加え、円安進行で前年同期に計上した為替差損10.3億円が解消したことも増益に貢献した。

■日本電産 <6594>  12,230円 (+605円、+5.2%)

 日本電産 <6594> が反発。26日取引終了後、18年3月期の連結業績予想の増額修正を発表したことを好感する買いが入った。売上高は1兆3500億円から1兆3750億円(前期比14.6%増)へ見直したほか、最終利益は1250億円から1270億円(同13.7%増)へ修正した。27日公表した第1四半期(4-6月)の業績が予想を上回ったことから、通期業績を見直した。精密小型モーター製品や車載および家電・商業・産業用製品が好調に推移している。この決算発表に対して、市場には「ポジティブ」と評価する見方が多い。今3月通期の純利益は1380憶円前後への再増額修正観測が出ている。

■WSCOPE <6619>  2,451円 (+120円、+5.2%)

 ダブル・スコープ <6619> が大幅続伸、昨年6月以来約1年ぶりの高値圏に浮上したほか、田中化学研究所 <4080> [JQ]が26日のストップ高の余勢を駆って続急騰した。世界的な環境規制の高まりが電気自動車(EV)の普及を強力に後押しし、それに伴い動力源であるリチウムイオン電池の需要急増が予想されている。2018年を境に米国では排ガスを全く出さない自動車について一定の販売比率を確保しなければいけないというZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)規制が強化され、ハイブリッド車はその範疇から外れる見通しにある。また、ガソリン車普及により大気汚染の問題が深刻な中国でも、国家戦略としてEVの普及を推進している。欧州でもフランス政府が2040年までにディーゼル車とガソリン車の販売を全廃する計画にあり、直近、英国政府もこれに追随する動きで、新車販売の禁止に伴いガソリン車の全廃を図っていく方針を発表している。このほか、スウェーデンやノルウェーなどの北欧でも同様の動きをみせており、世界中でEVシフトの動きが加速している。リチウムイオン電池用セパレーターの専業大手で韓国に製造拠点を有しているダブル・スコープや、リチウムイオン電池正極材を手掛ける田中化研などはその関連有力株として投機資金の攻勢が続いている。

■東宝 <9602>  3,960円 (+190円、+5.0%)

 東宝 <9602> が急反発、年初来高値を更新した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は26日、同社株のレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエイト」へ引き上げた。目標株価は3560円から4680円に見直した。同証券では、従来18年2月期以降は前期好調の反動で営業減益となり、19年2月期は営業増益も最高益更新には至らないと予想していた。しかし、この見方を「18年2月期以降も最高利益更新持続という強気シナリオ」へ変更した。具体的には18年2月期の連結営業利益を従来予想の425憶円から前期比3%増の515憶円(会社予想450億円)に見直したほか、19年2月期は同445億円から533憶円に上方修正している。

■日立国際 <6756>  2,845円 (+125円、+4.6%)

 日立国際電気 <6756> が3日ぶりに反発し、年初来高値を更新した。同社は26日に決算を発表。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結税引き前利益が前年同期比20倍の68億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。半導体メーカーによる3次元NANDフラッシュメモリーへの積極投資を背景に、半導体製造装置の販売が大きく伸びたことが寄与。第1四半期業績の好調に伴い、通期の同利益を従来予想の169億円→213億円に26.0%上方修正。増益率が61.2%増→2.0倍に拡大し、3期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。

■夢の街創造 <2484>  1,260円 (+55円、+4.6%)

 夢の街創造委員会 <2484> [JQ]が反発。同社は26日、運営する宅配ポータルサイト「出前館」が、LINE <3938> が7月26日から開始したデリバリーサービス「LINEデリマ」と、フードデリバリー事業でのシステム開発や店舗開拓などで業務連携をスタートさせたと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。同社は16年5月にLINEと業務提携を行い、同年7月からはLINE公式アカウント上からデリバリー注文できるサービス「出前館 on LINE」を展開。同年10月には業務提携の強化を発表していた。

■メイテック <9744>  5,090円 (+210円、+4.3%)

 メイテック <9744> が続急伸し、年初来高値を更新した。同社は27日午前11時30分に、18年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。営業利益は27億5300万円(前年同期比14.9%増)となり、上半期計画48億円に対する進捗率は57.4%となった。売上高は227億6300万円(同4.3%増)で着地。前期に子会社を売却したことによる減収要因があったものの、エンジニアリングソリューション事業が好調に推移したことなどが寄与した。なお、上半期および通期の業績予想は従来計画を据え置いている。

■四国化 <4099>  1,466円 (+54円、+3.8%)

 四国化成工業 <4099> が続伸。同社は26日取引終了後、18年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表した。売上高は123億7700万円(前年同期比0.3%増)、営業利益は19億700万円(同14.0%増)、最終利益は14億2300万円(同14.7%増)だった。無機化成品で、ラジアルタイヤ向け原料の不溶性硫黄は、生産能力の増強を完了し、新規顧客の獲得および販売体制の確立に努めた。有機化成品の殺菌消毒剤シアヌル酸誘導品は、国内向けは順調に推移したものの、海外では米国の市況軟化を受け、市場シェアと収益性の維持に努めた。ファインケミカルで、プリント配線板向けの水溶性防錆剤タフエースを主力製品とする電子化学材料は、輸出が好調に推移した。また、エポキシ樹脂硬化剤(イミダゾール類)を中心とする機能材料は、新規開発品や輸出を中心に拡大した。住宅投資や設備投資、インフラ建設などの需要の盛り上がりを受け、住宅分野、景観分野ともに好調に推移した。業績予想は従来見通しを据え置いた。通期業績は売上高495億円(前期比0.1%増)、営業利益70億円(同10.9%減)、最終利益53億円(同9.2%減)を見込んでいる。

■アドテスト <6857>  2,177円 (+54円、+2.5%)

 アドバンテスト <6857> が上伸。同社が26日発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結営業利益は前年同期比61%減の22億2600万円と大幅減益となった。スマートフォン向け半導体の検査装置の苦戦などが響き、同期営業利益の市場予想(55億円前後)を下回った。これを受け株価は下落したが、一部アナリストからは「受注は拡大しており事業環境は依然良好」と見る声も出ており、市場には強弱感が対立した。

■ジャムコ <7408>  2,830円 (+31円、+1.1%)

 ジャムコ <7408> やナブテスコ <6268> が高い。米ボーイングが26日発表した4-6月期決算は最終損益が17億6100万ドルの黒字(前年同期は2億3400万ドルの赤字)と好転した。人員削減など経費削減効果が奏功しており、同日のニューヨーク株式市場でボーイングの株価は前日比9%高と急伸した。これを受け、ボーイング向けの化粧室やギャレーで高実績があるジャムコや制御装置などを手掛けるナブテスコに見直し買いが流入した。

※27日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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