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【特集】鈴木英之氏【行ったり来たり東京市場、次のトレンドを聞く】(2) <相場観特集>

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

―日経平均2万円挟んだもみ合いいつまで、夏相場の見通しは―

 東京株式市場では全体指数が上放れるかと思えば利益確定売りに押し戻され、下値リスクに身構えるような局面では、どこからともなく押し目買いが入り切り返す、といった方向感の定まらない展開が続いている。とはいえ、日経平均株価2万円台近辺でのもみ合いが永久に続くことはない。どこかでトレンドは上下どちらかに傾くことになる。経験豊かな市場関係者3人に、今後の相場を見る上での勘所と注目セクター(銘柄)について意見を聞いた。

●「日米ともに好業績を評価する局面」

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

 足もとの円高進行を警戒し、日経平均は2万円を前後する展開となっている。ただ、日経平均が2万230円の年初来高値をつけた6月20日の為替レートは1ドル=111円台だった。直近の為替は112円前後であり、日経平均が高値をつけた時と比べて、そう円高水準とはいえない。

 今月下旬から決算発表が本格化することもあり、動きにくい面はあるだろう。ただ、6月の日銀短観での大企業製造業業況判断指数(DI)は改善傾向を示していることもあり、堅調な決算発表が期待できるとみている。

 米国では足もとで弱めの経済指標が発表されドルが弱含んでいるが、ドル安は米国の国際企業にとって業績の一段の押し上げ要因となる。マクロ経済には不透明感はあるものの、日米とも好調な企業業績が株価を押し上げていくと予想する。

 今後1ヵ月程度の日経平均の予想レンジは1万9800円から2万800円。全体的には上値を試すトレンドを見込んでいる。

 業績の上振れが期待できるセクターとして、アルプス電気 <6770> やローム <6963> といった電機・電子部品株、古河電気工業 <5801> や住友電気工業 <5802> といった電線・非鉄株、それに日立建機 <6305> といった建機株などに注目したい。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)
早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資調査部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

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