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2017年07月18日18時30分

【特集】馬渕治好氏【行ったり来たり東京市場、次のトレンドを聞く】(1) <相場観特集>

馬渕治好氏(ブーケ・ド・フルーレット 代表)

―日経平均2万円挟んだもみ合いいつまで、夏相場の見通しは―

 東京株式市場では全体指数が上放れるかと思えば利益確定売りに押し戻され、下値リスクに身構えるような局面では、どこからともなく押し目買いが入り切り返す、といった方向感の定まらない展開が続いている。とはいえ、日経平均株価2万円台近辺でのもみ合いが永久に続くことはない。どこかでトレンドは上下どちらかに傾くことになる。経験豊かな市場関係者3人に、今後の相場を見る上での勘所と注目セクター(銘柄)について意見を聞いた。

●「9月までに2万1500円まで上値伸ばす可能性あり」

馬渕治好氏(ブーケ・ド・フルーレット 代表)

 東京株式市場はなかなか一本調子の上昇には至っていないが、基本的に目先強気の見通しは変わっていない。結論から先に言えば、今夏、9月初旬までに日経平均は2万1000円台を突破し2万1500円前後まで上値を伸ばす可能性があるとみている。18日のマーケットは日経平均が2万円台を割り込んで引けたが、下値については1万9900円前後を下限とみている。

 足もとの相場が再び弱含みに推移している背景については、一部報道で日銀のETF買いに対する批判的な動きが、日銀内部から出ているという観測が伝わったことが影響を与えたようだ。しかし、株式市場を見るうえで重要なのは企業のファンダメンタルズであり、業績面で評価不足というコンセンサスが確立された時点で、上値追いの原動力となる買い主体が出てくる。スケジュール的には来週から3月決算企業の4-6月期決算発表が本格化してくるが、ここで好決算が確認されれば、全体地合い的にも次第に上げ潮ムードが形成されることになるだろう。

 週明けの外国為替市場では1ドル=112円前後まで円高が進行、これも主力株中心にリスク回避の売りを誘った。ただし、これは前週までに積み上がった円売りポジションの巻き戻しが反映されたもので、大勢的なトレンドを示唆するものではない。過度に神経質になる必要はないと考えている。

 前週もイエレンFRB議長の米下院での議会証言を受け、円が買われる流れとなったが、1週間を振り返れば輸出セクターである電機 は東証33業種中で値上がり上位に買われ、足を引っ張ったのは銀行などの金融業や陸運セクターなど、むしろ内需株のほうだった。18日の地合いも同様だった。これはマーケットが円高を気にするよりも、旺盛な海外需要という実態面をポジティブに捉えているということの証左にほかならない。

 物色対象としては、引き続き世界的な景況感改善の流れを背景に、機械セクターなどの設備投資関連株に注目したい。安川電機 <6506> やファナック <6954> のほか、部品を手掛ける日本精工 <6471> 、ミネベアミツミ <6479> などが有力だ。このほかでは、リストラが進捗し、今後は車載向けリチウム電池などで高水準の需要を取り込んでいくことが見込まれるパナソニック <6752> にも上値余地があろう。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(まぶち・はるよし)
1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米MIT修士課程終了。米国CFA(証券アナリスト)。マスコミ出演は多数。最新の書籍は「勝率9割の投資セオリーは存在するか」(東洋経済新報社)。日本経済新聞夕刊のコラム「十字路」の執筆陣のひとり。

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