【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):新日鉄住金、クレスコ、竹内製作所
新日鉄住金 <日足> 「株探」多機能チャートより
新日鉄住金<5401>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>、神戸製鋼所<5406>などが軒並み買われ、業種別でも「鉄鋼」は33業種中で値上がり率トップに買われた。きょう午前中に中国国家統計局が発表した1~5月の中国の工業企業利益が前年同期比22.7%増と好調であり、「中国メーカーの収益回復感が買い材料としてハヤされているほか、米国株市場で鉄鋼株が戻りに転じていることで、その流れが波及した面もある。米国ではトランプ政策への期待剥落でインフラ投資関連として買われた反動が鉄鋼セクターの売りに出ていたが、それが一巡して緩やかな買い戻しが入り始めている」(国内ネット証券大手)と指摘されている。
■クレスコ <4674> 3,790円 +85 円 (+2.3%) 本日終値
26日、クレスコ <4674> が発行済み株式数の5.5%にあたる66万株(金額で19億9984万円)を上限に自社株TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。公開買い付け期間は6月27日から7月25日まで。買い付け価格は26日終値を19.2%下回る2994円。筆頭株主のイワサキコーポレーションが保有株の一部を売却する意向を示したことに対応する。併せて、不動産総合マネジメント会社のザイマックス向けに、AI(人工知能)とLINEを連携したコールセンター支援システムを開発したと発表したことも支援材料となった。
■竹内製作所 <6432> 1,966円 +41 円 (+2.1%) 本日終値
竹内製作所<6432>が3日続伸、底値ボックス圏離脱の動きをみせている。同社は欧米向け中心に国内で生産したミニショベルなど小型建機を輸出し、欧米を中心に海外販売比率の高さが特徴。世界的な景況感の回復に加えて、ここにきて、対ドル、対ユーロともに為替が円安方向に振れており、これが同社にとって追い風となっている。同社の通期想定為替レートは1ドル=110円、1ユーロ=118円。対ドル、対ユーロともに実勢は想定レートよりもドル高・円安で推移していることで輸出採算面でプラスに働く。
■東海カーボン <5301> 631円 +11 円 (+1.8%) 本日終値
東海カーボン<5301>が5日ぶりに反発。26日の取引終了後、ファインカーボン製品(特殊黒鉛製品)の販売価格を7月1日納入分から15%値上げすると発表しており、採算改善への期待感から買いが入ったようだ。原材料、電力費などが継続的に上昇し、自助努力によるコスト削減だけでは吸収することが困難と判断したという。
■国際石油開発帝石 <1605> 1,053円 +15 円 (+1.5%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>が続伸、底値圏離脱の兆しをみせている。原油市況の下落と歩調を合わせ、株価は下値模索の動きをみせていたが、ここにきてWTI原油先物価格が小幅ながら3日続伸と下げ止まる動きをみせており、つれて押し目買いが観測される。年18円配当実施しているにも関わらずPBR0.5倍と割負け感が顕著。きょう同社の株主総会が予定されていることも株価の刺激材料となっている。
■レンゴー <3941> 650円 +9 円 (+1.4%) 本日終値
レンゴー<3941>は続伸。同社は26日、段ボール原紙と段ボール製品の値上げを発表しており、引き続き採算改善への期待感から買いが入ったようだ。株価指標面では、PER10倍台、PBR0.7倍台と割安水準にある。8月1日出荷分から、段ボール原紙は1キログラム当たり10円を値上げするほか、段ボール製品は10月1日出荷分から個別に交渉するとしている。値上げの背景につては、段ボール原紙の主原料である古紙が高騰しているほか、原燃料や薬品価格、物流経費が上昇していることが要因としている。
■ブラザー工業 <6448> 2,602円 +33 円 (+1.3%) 本日終値
ブラザー工業<6448>が続伸。国内販売子会社のブラザー販売が昨年10月に発売したスマホ専用ラベルライター「P-TOUCH CUBE(ピータッチキューブ) PT-P300BT」の販売数量が、発売から半年間で年間目標の2万台を突破したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。「PT-P300BT」は、使い慣れたスマホの画面操作で、いつでもどこでもラベルを編集できる“キーボードがないラベルライター”。専用のスマホアプリ「P-touch Design&Print」は、「整理収納」「書類整理」「名前付け」「ギフト・ラッピング」などの用途ごとのテンプレートが豊富で、本体デザインやスマホでの操作性が評価されたようだ。
■ゼビオホールディングス <8281> 1,977円 +20 円 (+1.0%) 本日終値
ゼビオホールディングス<8281>が新値追い。同社は26日取引終了後に、子会社のゼビオコリアが韓国で展開している4店舗の閉鎖と小売り事業から撤退することを決めたと発表。これが評価材料となったようだ。事業撤退は、景気減速による韓国市場での販売不振などが主な理由。同社では、これに伴うグループ業績への影響は微減だとしているが、今後重大な影響が見込まれる場合には速やかに公表するとしている。
■日本郵船 <9101> 203円 +2 円 (+1.0%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>などが揃って上値指向。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数がここにきて底入れの兆しをみせている。前日26日時点で14ポイント高の884と3日続伸、ここ調整色の強かった海運株だったが、足もと海運市況の回復傾向をみて買い戻される形となった。
株探ニュース