【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):関電化、フロンテオ、板硝子
関電化 <日足> 「株探」多機能チャートより
関東電化工業<4047>が大幅高で900円台半ばまでの急速な戻り足をみせているほか、SUMCO<3436>、JSR<4185>、トリケミカル研究所<4369>、ADEKA<4401>など半導体材料を手掛ける銘柄群に買い人気が集中。きょうは、東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>、SCREENホールディングス<7735>など先駆した半導体製造装置関連は軟調な値動きだが、相対的に出遅れていたシリコンウエハーやその他半導体素材などをテリトリーとする周辺銘柄に水準訂正期待の買いが流入した。特に、半導体向け特殊ガスを手掛ける関電化は直近900円割れ水準まで調整を入れたことで値ごろ感が浮上、18年3月期業績は会社側計画から上振れる可能性があるほか、PER11倍台の割安感に着目する買いが勢いを増した。
■FRONTEO <2158> 849円 +46 円 (+5.7%) 本日終値
FRONTEO<2158>が続伸。同社は26日、同社が独自開発した人工知能(AI)エンジン「KIBIT」が大和住銀投信投資顧問の資産運用能力向上の取り組みに採用されたことを発表、これを材料視する買いを誘導した。また、FRONTEOは金融機関向けにAIと音声認識技術を組み合わせた、電話での通話録音記録の検査サービスを開始することも報じられており、AI分野に特化したサービスの展開加速で株式市場でも同関連最右翼としての認知が進んでいる。
■ディー・ディー・エス <3782> 990円 +53 円 (+5.7%) 本日終値
ディー・ディー・エス<3782>が急伸。同社は独自技術に強みを持つ生体認証機器の大手。26日、同社の指紋認証システムを三井住友信託銀行が導入したことを発表、約2000台のマイクロソフト社製モバイル端末をセキュアに運用する。同社の業績への寄与に期待した買いが流入しており、株価はテクニカル的にも5日・25日移動平均線のゴールデンクロス示現が目前で上放れ鮮明となっている。
■日本板硝子 <5202> 901円 +47 円 (+5.5%) 本日終値
日本板硝子<5202>が急伸。SMBC日興証券は26日、投資評価「1」と目標株価900円を継続した。特に建築用ガラスは、欧州の需給バランス・市況の改善により堅調に推移している。また、北米の自動車用ガラスも利益が回復している。また、17年3月に発行された400億円の優先株式に関しては、20年7月までに償還することを目指しており、そのための利益回復が続くかを注視している。
■パルコ <8251> 1,314円 +68 円 (+5.5%) 本日終値
パルコ<8251>が年初来高値更新。26日取引終了後、18年2月期の第1四半期(3~5月)連結決算を発表し、営業収益は235億800万円(前年同期比0.8%減)、営業利益は34億9700万円(同2.5%増)、最終利益は23億100万円(同5.2%増)と増益で着地したことが好感された。渋谷パルコの一時休業や千葉パルコ閉店の影響などにより営業収益は減収となったものの、渋谷パルコの再開発事業などに伴う収益の計上があったことが奏功し営業増益となった。なお、通期業績予想は従来見通しを据え置き、営業収益951億円(前期比1.4%増)、営業利益115億円(同19.0%減)、最終利益74億円(同15.9%減)を見込んでいる。
■スパークス・グループ <8739> 214円 +10 円 (+4.9%) 本日終値
スパークス・グループ<8739>が堅調。26日の取引終了後、同社がトヨタ自動車<7203>や三井住友銀行(東京都千代田区)と15年11月に創設した「未来創生ファンド」が、車車間・路車間通信チップセット開発のイスラエル・オートトークス社へ投資を実行したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。同ファンドはスパークスGを運営者とし、トヨタ、三井住友銀行を加えた3社の総額約135億円の出資で運用を開始したファンド。17年5月末時点では前述の3社を加えた計19社からの出資を受け、「知能化技術」「ロボティクス」「水素社会実現に資する技術」を中心に、革新技術を持つ企業やプロジェクトを対象に投資を行っている。17年5月末時点での運用額は365億円で、米国、英国、イスラエル、そして日本の約30社に投資しているという。なお、今回の投資により、オートトークスはチップの大量生産の準備を進めるとともに、コネクテッドカーと自動運転車のための通信ソリューションの開発を強化するとしている。
■グリー <3632> 1,095円 +49 円 (+4.7%) 本日終値
グリー<3632>が続伸し、年初来高値を更新した。同社は26日、新作スマートフォン向けゲームアプリ「戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」の配信を開始したと発表。期待感が高まるかたちとなったようだ。このゲームは、アニメ「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズの世界を忠実に再現したシンフォニックバトルRPG。ブシロード(東京都中野区)が企画・制作し、グリー子会社のポケラボが開発・配信を担当している。
■日清紡ホールディングス <3105> 1,134円 +41 円 (+3.8%) 本日終値
26日午前、日清紡ホールディングス <3105> がZMPが実施する第三者割当増資を引き受ける形で出資したと発表したことが引き続き買い材料視された。エレクトロニクス事業の中核である子会社日本無線が持つ通信技術やセンシング技術は高い評価を得ている。これらの技術を自動車や産業機械などの自動運転に応用するため、自動運転分野で高い技術力を持つZMPとの協力体制を強化していくという。発表を受けて、自動運転分野の事業強化につながるとの見方から買いが優勢となった。
■日本オラクル <4716> 7,110円 +210 円 (+3.0%) 本日終値
日本オラクル<4716>が4日続伸し新高値。株価は2003年10月以来、13年8カ月ぶりに7000円台を回復した。同社が26日に発表した17年5月期の連結純利益は前の期比8%増の363億6000万円と最高益を更新した。「オラクル・クラウド・プラットフォーム」などへの引き合いが好調だった。この決算を受け、SMBC日興証券は26日、同社株の目標株価を6700円から7000円へ引き上げた。投資評価の「2」は継続した。オラクルデータベースの高い市場シェアの維持などに支えられた製品サポート収入の増加や、クラウド収入の増加により安定した成長を維持している点、などを評価している。
株探ニュース