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【特集】SDエンター Research Memo(4):フィットネス事業で将来につながる成功事例を実現

SDエンター <日足> 「株探」多機能チャートより

 

■業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) GAME事業
売上高2,227百万円(前期比2.1%減)、営業利益23百万円(同63.7%減)と減収減益で着地した。売上高については2016年3月期から続く店舗のスクラップアンドビルドの流れの中で店舗数が1店舗純減した影響が出た。またネット型クレーンゲームの「ぽちっとクレーン」が事業見直しで12月にサービスを停止したことも響いた。しかし一方で、集客力が高い新型クレーンゲーム「UFOキャッチャー」への集中投資を行い、期末までに165台導入した。この効果は顕著で、第4四半期においてGAME事業が黒字転換する原動力となった。SDエンターテイメント<4650>は新型クレーンゲーム機の集中大量導入を決断したが、後述するように、これが中期成長戦略の施策の幅を広げることにつながっている。

(2) フィットネス事業
売上高2,066百万円(前期比6.4%減)、営業利益270百万円(同19.0%増)と減収増益となった。売上高は埼玉県・新所沢店のクローズと津店の移転・リニューアルに伴う2ヶ月間の休業の影響で減収となった。しかし利益面では不採算店閉鎖による損益改善や既存店売上高の拡大などで増益となった。特に新装の津店から移転した津藤方店は、新規会員分がそのまま売上高の純増につながり収益に貢献した。津藤方店の成功は同社の中期成長戦略に重要な役割を果たしている(詳細は後述)。

(3) ボウリング事業
売上高1,080百万円(前期比8.9%減)、営業利益86百万円(同43.3%減)と、減収減益となった。上半期は例年どおりで推移していたが、需要期の第3四半期において悪天候に見舞われて収益が大きく低下し、第3四半期累計期間の営業利益はわずか3百万円にまで落ち込んだ。第4四半期はそうした天候要因がなくなり、前年同期比では増収増益を達成したが、通期ベースでは第3四半期の落ち込みをカバーしきれなかった。2017年3月期だけを見れば決算の足を引っ張る形となったが、これまでの地道な固定ファンづくりの努力が奏功し、外部要因が通常レベルであれば、一定の収益を稼ぎ出す底力があることを第4四半期において明確に確認できたことはポジティブであったと弊社では考えている。

(4) 施設管理事業
売上高1,251百万円(前期比5.2%増)、営業利益138百万円(同3.4%増)と増収増益となった。内訳として、シネマで事業は「君の名は。」などのヒット作に恵まれ、売上高は986百万円(同8.0%増)となった。ファシリティマネジメント事業では第4四半期に収入が伸び悩み264百万円(同4.0%減)となった。利益面ではシネマの集客増と飲食売上高の増加が貢献し、ファシリティマネジメントの伸び悩みを吸収して増益を確保した。

(5) その他事業
売上高1,656百万円(前期比23.5%増)、営業利益30百万円(前期は3百万円の損失)と増収及び利益の黒字転換となった。その他事業は2015年7月に連結子会社2社(エムシーツーとフォーユー)が加わり、カウネット事業やテレマーケティング事業、介護事業などが加わり業態が大きく変わった。その中で2016年3月期以来注力したのが放課後デイサービスと認可外保育事業だ。それぞれ、都内及び横浜に2拠点ずつを保有し、収益面でもともに黒字化を達成したことで、大幅増収とセグメント利益の黒字化を達成した。このことは2018年3月期以降の成長戦略にも大きな影響を与えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《TN》

 提供:フィスコ

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