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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

コーセーRE <日足> 「株探」多機能チャートより

■コーセーRE <3246>  1,381円 (+300円、+27.8%) ストップ高

 コーセーアールイー <3246> [東証2]が連日ストップ高に買われ、上場来高値を更新した。同社は8日に決算を発表。18年1月期第1四半期(2-4月)の連結経常利益が前年同期比5.0倍の11.8億円に急拡大して着地したことが引き続き材料視された。ファミリーマンション、資産運用型マンションともに引き渡し件数が大きく増加し、前期比2.9倍の大幅増収を達成した。第1四半期実績だけで通期計画の8.9億円に対する進捗率が87.9%に達しており、業績上振れを期待する買いが集まった。

■アールエイジ <3248>  891円 (+150円、+20.2%) ストップ高

 アールエイジ <3248> [東証M] が連日のストップ高に買われ、年初来高値を更新した。同社は8日に上期業績の上方修正を発表し、翌日値幅制限いっぱいまで買われた。9日には上期実績と今期配当予想の増額を発表しており、これを評価する買いが向かった。9日に発表した17年10月期上期(16年11月-17年4月)の連結経常利益は前年同期比95.3%増の3.3億円に拡大して着地した。主力の不動産管理運営事業の伸長に加え、不動産開発事業で販売案件の成約件数が増加したことで大幅増益を達成した。通期計画の4.4億円に対する進捗率は75.5%に達しており、業績上振れが期待される状況だ。業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の21円→23.5円(前期は21円)に増額修正している。

■アンジェス <4563>  503円 (+80円、+18.9%) ストップ高

 アンジェス MG <4563> [東証M]がストップ高。大阪大学発祥の創薬ベンチャーとして遺伝子医薬品の開発を進めているが、ここにきて思惑高の動きを強めてきた。10日付の日本経済新聞は、「(同社は)特別な機能を持つ遺伝子を使い血管の病気を治す遺伝子治療について、今年10月をめどに厚生労働省に製造販売の承認を申請する。承認されれば国内初の遺伝子治療薬となる」と伝えており、これを材料視する買いが株価を押し上げる格好となった。

■ケア21 <2373>  3,295円 (+501円、+17.9%) ストップ高

 ケア21 <2373> [JQ]がストップ高し年初来高値更新。前週末9日の取引終了後、17年10月期の連結業績予想について、最終損益を4億円から7億円(前期2億3000万円の赤字)へ上方修正したことが好感されたようだ。投資有価証券売却益5億1200万円を特別利益として計上したことなどが要因としている。なお、売上高250億円(前期比10.8%増)、営業利益10億円(同2.5倍)は従来予想を据え置いている。同時に発表した第2四半期累計(16年11月-17年4月)決算は、売上高119億9900万円(前年同期比10.3%増)、営業利益2億8200万円(同14.8倍)、最終損益4億3900万円の黒字(前年同期4700万円の赤字)だった。施設の新規開設が予定通りに進んだほか、稼働率改善に向けた営業施策が奏功し、従来予想の営業利益2億円を上振れて着地した。

■ポールHD <3657>  1,715円 (+167円、+10.8%)

 東証1部の上昇率5位。ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス <3657> が続急騰。9日に決算を発表。18年1月期第1四半期(2-4月)の連結経常利益が前年同期比2.4倍の5.2億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。主力のデバッグ・検証事業で「プレイステーション4」向けソフトのデバッグ業務が増加したことが寄与。ネットサポート事業の黒字転換も大幅増益に貢献した。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の2.18%にあたる40万株(金額で6億8000万円)を上限に自社株買いを実施すると発表。これを受けて、株主還元の拡充を好感する買いも向かった。

■キッツ <6498>  990円 (+92円、+10.2%)

 東証1部の上昇率7位。キッツ <6498> が年初来高値更新。大和証券が前週末9日付のリポートで、投資判断を「3」から「2」へ、目標株価を850円から1200円へ引き上げたことが好材料視された。同証券では、2016年の銅価格上昇を受けて4月に国内での値上げを発表しており、来期に向けてピーク営業利益の更新が視野に入ってきたと指摘。4月に代理店からの仮需が発生したことに加え、大型案件向けや価格協定を締結済みの顧客向けなども寄与する見込みとしている。18年3月期営業利益予想は従来の96億円から105億円(会社計画100億円)へ、19年3月期は同106億円から130億円へ見通しを引き上げた。

■カナモト <9678>  3,585円 (+230円、+6.9%)

 カナモト <9678> が大幅続伸し年初来高値を更新。9日の取引終了後に発表した第2四半期累計(16年11月-17年4月)連結決算が、売上高792億1000万円(前年同期比15.4%増)、営業利益99億9300万円(同16.1%増)、純利益64億6800万円(同30.2%増)と2ケタ営業増益だったことが好感された。昨年発生した熊本地震、鹿児島台風災害、北海道台風災害の復旧活動を受けて、北海道や九州を中心に建設関連需要が堅調に推移したことに加えて、東京五輪関連工事や首都圏の大規模再開発工事が漸次着工されたことから、建設機械のレンタル需要が堅調に推移し、業績を牽引した。なお、17年10月期通期業績予想は、売上高1558億円(前期比7.5%増)、営業利益171億3000万円(同13.2%増)、純利益107億3000万円(同32.5%増)の従来予想を据え置いている。

■東邦鉛 <5707>  451円 (+17円、+3.9%)

 東邦亜鉛 <5707> が反発。ここ中国景気減速への懸念が後退するなか銅をはじめ 非鉄市況が戻り歩調にある。 亜鉛市況も、前週末9日のロンドン金属取引所(LME)で大幅続伸しており、同社株には強い追い風として意識された。同社の18年3月期業績は営業4割減益の見通しながら、株価面では既に織り込みが進んでおり、足もとは業績上振れの可能性を意識し始めたようだ。

■日揮 <1963>  1,788円 (+65円、+3.8%)

 日揮 <1963> が3日続伸。前週末9日の取引終了後、アルジェリア国営炭化水素公社(ソナトラック社)から、同国ハッシメサウド地区で計画している原油集積・処理設備建設プロジェクトを約700億円で受注したと正式に発表しており、業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。ソナトラック社がハッシメサウド地区北部で進めている新規油田開発において、新規に開発される複数の生産井から産出される原油の集積設備、および原油・ガス・水の分離を行う処理設備の設計・調達・建設・試運転役務を受注したという。なお、納期は20年末を予定している。

■大王紙 <3880>  1,488円 (+46円、+3.2%)

 大王製紙 <3880> が4日続伸。紙パルプ業界上位のシェアを有し、特に注力する家庭紙ではトップに位置しており、「(家庭紙)はインバウンド需要などが売り上げ拡大に寄与している」(国内中堅証券)状況。家庭紙で実績の高い日清紡ペーパープロダクツ(現ダイオープロダクツ)を買収したことで、18年3月期はこの効果発現から営業利益段階で前期比6%増の250億円を見込んでいる。また、中国で紙おむつの販売が急速に伸びており、海外事業の成長が今・来期の業績に反映されるとの思惑も出ている。

■積水ハウス <1928>  1,945円 (+48円、+2.5%)

 積水ハウス <1928> が5日ぶり反発。9日に決算を発表。18年1月期第1四半期(2-4月)の連結経常利益が前年同期比38.4%増の354億円に拡大して着地したことが買い材料視された。主力の賃貸住宅事業で3、4階建てを中心に利益率の高い住宅の販売が伸びたことが寄与。国際事業の黒字化に加え、継続的なコスト削減や為替差損の減少なども大幅増益に貢献した。

■王将フード <9936>  4,170円 (+80円、+2.0%)

 王将フードサービス <9936> が反発。12日午後1時30分ごろに株主優待制度の拡充を発表しており、これを好材料視した買いが入った。従来、9月末および3月末時点の株主に行っていた株主優待食事券の贈呈に関して、変更前は所有株数に応じて1000円分(年間2000円分)から6000円分(同1万2000円分)を贈呈していたが、これを2000円分(同4000円分)から1万2000円(同2万40000円分)に引き上げるとしている。なお、3月末時点で100株以上所有の株主に対して行っている株主優待カードの贈呈に関しては変更しない。

■エイチーム <3662>  3,195円 (+60円、+1.9%)

 エイチーム <3662> が続伸。9日、同社が17年7月期の連結経常利益を従来予想の32.5億円→38.3億円に17.8%上方修正。増益率が55.2%増→82.9%増に拡大し、従来の2期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。既存のスマホゲーム「ヴァルキリーコネクト」「ユニゾンリーグ」の好調に加え、広告宣伝費が想定を下回ることが寄与する。引っ越し比較サイトや自動車査定サイトなどの利用件数増加も上振れに貢献する。業績上振れに伴い、今期の年間配当を従来計画の20円→27円(前期は12.5円)に増額修正したことも支援材料となった。

■持田薬 <4534>  7,850円 (+130円、+1.7%)

 持田製薬 <4534> が5日ぶり反発。12日午後1時ごろ、あゆみ製薬(東京都中央区)と、持田製薬が開発中の関節リウマチ治療薬エタネルセプトおよびアダリムマブのバイオ後続品の国内販売に関する提携契約を締結したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。これらのバイオ後続品は、持田製薬が韓国のLG化学との提携の下で国内開発を進めている製剤。今回の提携により、持田製薬が製造販売承認を取得した後、日本国内における販売はあゆみ製薬と提携して行うことになるという。なお、関節リウマチ領域における販売促進活動はあゆみ製薬が主体となって行うとしている。

■富士フイルム <4901>  4,028円 (+64円、+1.6%)

 富士フイルムホールディングス <4901> が反発。12日寄り前、傘下の富士ゼロックスの海外子会社で不適切な会計処理があった問題について、過去数年間にわたる最終利益への影響額が従来予想の約220億円から375億円に拡大したと発表した。親会社に帰属する最終利益への影響額は281億円の損失になるとしている。また、同時に17年3月期の連結業績について、売上高を2兆4000億円から2兆3221億6300万円(前の期比6.8%減)へ、営業利益を1920億円から1722億8100万円(同9.9%減)へ、純利益を1120億円から1315億600万円(同6.6%増)へ修正した。なお、同社は12日大引け後(15:00)に決算(米国会計基準)を発表。17年3月期の連結税引き前利益は前の期比10.9%増の1947億円になり、18年3月期も前期比2.7%増の2000億円に伸びを見込み、17期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。同時に、今期の年間配当は前期比5円増の75円に増配する方針とした。直近3ヵ月の実績である1-3月期(4Q)の連結税引き前利益は前年同期比2.0倍の686億円に急拡大し、売上営業利益率は前年同期の6.5%→9.4%に改善した。

■ディーエヌエ <2432>  2,539円 (+40円、+1.6%)

 ディー・エヌ・エー <2432> が続伸。12日、スマホゲーム「逆転オセロニア」が1100万ダウンロード(DL)を突破したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。「逆転オセロニア」はスマートフォンで遊べる新感覚オセロバトルゲーム。昨年2月4日に配信を開始して以来、1年4ヵ月強での1100万DL突破となった。

■ミズノ <8022>  634円 (+10円、+1.6%)

 ミズノ <8022> が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は9日、同社株のレーティングを「アンダーウエイト」から「ニュートラル」に引き上げた。目標株価は495円から540円に見直した。「ファンダメンタルズは厳しいが、ネガティブな面は株価に概ね織り込み済み」という。具体的には、「厳しい外部環境」「変わらない同社の戦略」「消極的な株主還元」といった材料は織り込まれており「当面の間、株価はアップサイド、ダウンサイドともに材料に乏しい状況」を想定している。

■丹青社 <9743>  1,140円 (+17円、+1.5%)

 丹青社 <9743> が反発。9日の取引終了後に発表した第1四半期(2-4月)連結決算は、売上高214億7600万円(前年同期比9.3%減)、営業利益16億2700万円(同29.1%減)、純利益10億7700万円(同32.5%減)と大幅減益に終わったものの、減益は織り込み済みとの見方が強い。受注高は193億7000万円(同13.5%増)と2ケタ増となったものの、翌四半期以降へ繰り越す受注案件が多かったことが響いた。また、人員増加に伴う人件費の増加や関西支店移転に伴う経費の増加などがあり、減益を余儀なくされた。なお、18年1月期通期業績予想は、売上高734億円(前期比3.7%増)、営業利益42億円(同6.9%増)、純利益28億5000万円(同8.5%増)の従来予想を据え置いている。

※12日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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