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【特集】エレマテック Research Memo(7):日系メーカーの弱体化の影響を回避すべく、海外最終顧客との直接取引を目指す

エレマテック <日足> 「株探」多機能チャートより

■中長期成長戦略

2. グローバル化:グローバル・ダイレクト・アカウント化の取り組み
『エレマテック×(クロス)』において取り組む重要2つの施策のうちの1つがグローバル化の取り組みであり、具体的には、グローバル・ダイレクト・アカウント化の推進だ。これまでのエレマテック<2715>の海外取引は、日系のデバイスメーカーや電子部品メーカーに電子材料等の部材を供給し、そこで作られた部材が海外のアセンブラーや最終製品メーカーに販売されるという流れが主体であった。すなわち海外企業との直接取引は限定的であった。それに対して今回打ち出したのは、海外の最終製品メーカーに自社アカウントを開設し、直接取引を行おうということだ。

同社がグローバル・ダイレクト・アカウント化を目指す背景には、同社の直接の顧客である日系エレクトロニクスメーカーの相対的な地位の低下がある。スマートフォンを例とっても、世界的市場では言うまでもなく、国内市場においてさえ、十分な存在感をもって事業を展開しているメーカーは少ない状況だ。その重要構成部材である液晶パネルや有機ELパネルにしても同様だ。したがって、このまま日系メーカーだけを頼っていてはいずれじり貧になるという危機感が、同社にグローバル化に向けた本格的取り組みを決断させたと言える。

具体的なアクションは地域の事情に合わせて変えていく方針だ。中国はスマートフォンをはじめとしてテレビなど家電関係の最終アセンブラーがターゲットになってくるとみられる。その中で同社は、コスト面などから現地サプライヤーの発掘、商習慣を考慮して経営トップの人脈の構築、同じく商習慣の見地から経営の現地化、などを掲げている。

アジア(ASEAN、台湾、韓国、インド)ではDigital Electronics関係のローカルメーカーやオートモーティブマーケット(車載用電子機器など)への拡販や、中国同様に経営の現地化を掲げている。欧米については非日系自動車メーカーへの販路拡大、日系自動車メーカーへの対応強化、販路拡大にかかる拠点の整備などを具体的取り組みとして挙げている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《TN》

 提供:フィスコ

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